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悪役令嬢?…いや、ご遠慮したいです。 作者:桜 さつき
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妖精達の魔法。

成長したレインやら、部屋中にいる妖精達やら、話せるようになったリリィとハヤテやら。

朝からかなり濃すぎるんじゃないでしょうか。


『いや~…悔しいけど、主が妖精達と話せるようになってほんまに良かった!』
『そうね。こうやって主様と話せているのは妖精達のお陰だし…悔しいけど』

『そーそー』
『僕達のお陰ー』
『王様のお陰ー』
『僕達最強ー』
『いぇーい』

『『…………チッ』』


空気が重い辛い怖い!!

私を起こしに来る侍女達がもし、このままの部屋中にたくさんの妖精達がいる状態を見たら卒倒するだろう。いや、する。
見れたら奇跡と言われる妖精がこんなにいるのだ。私だったら倒れてしまう。
…現にさっきベッドから落ちたしね。


(早くこの状況を何とかしなきゃだ…って、本当に何人いるんだろ妖精さん達。)


見回して数えてみるが早々に諦めた。多すぎる。


「それで、どうして二人は話せるようになったの?妖精達が関係あるってどういうこと?」

『最初のきっかけはレインよ。レインが成人して、彼と妖精達との間に正式な主従関係が出来たの。
そして、主従関係が成立したと同時に妖精界の扉が開く仕組みなのよ』
『ほんで、妖精界とこっち側が繋がって妖精界の魔力がオレ達にかかったってわけや』

「二人は僕の近くにずっといたからね。妖精達の魔力の影響を多く受けたから話せるようになったんだ」


なるほどな、と頷く。

三人が説明してくれた妖精達の魔力に私は心当たりがあった。

それは「妖話」という妖精界にしか存在しない妖精の魔法。
妖精界ではこの魔法のお陰で、動物も植物も全ての生き物が意思を持って話すことが出来る。

本来であれば「妖話」は妖精界に住んでいない動物にはかからない魔法。
けれど、妖精王という稀有な魔力の傍にいた二人はいつの間にか妖精の魔力に適応した体になっていたというわけだ。

「妖話」は話す相手が妖精を認識出来てないと話せない。
普通ならリリィとハヤテが話せるようになっても私が妖精を見えてなくちゃ意味が無い。


(でも、結果的に私は何ら問題無く妖精が見えちゃってる…と。)


かなりの幸運である。


『それにしても、主と話せるなんて嬉しすぎる!これからめっちゃ話そうな!』
『ハヤテったら興奮しすぎ…』
『何言うとんねん!そないなこと言っとるリリィやて、さっきまで嬉しくて遠吠えしてたくせに!』
『それは秘密って言ったでしょ!この馬鹿鳥!』
『痛ぇぇっ?!』


いつもは可愛い鳴き声で戯れてるなー、と眺めていた光景が実はかなり面白い会話を繰り広げていたらしい。

息ピッタリですね二人とも。


「あ、そろそろ彼女達が来る時間だ。皆は先に妖精界に行っててくれる?後から追うからよろしくね」

『了解でーす』
『王様からの初任務ー』
『頑張るぞー』
『トワばいばーい』
『またねー』


レインが声を掛けると、部屋中の妖精達が窓から出ていった。

こういう場面を見ると改めてレインが妖精達の頂点に立つ王様なのだと実感する。
立派に成長しちゃって…っ!あ、涙が。


妖精達が帰ると、待ってましたとばかりに私のベッドに飛び乗り膝に甘えてくるリリィとハヤテ。

口からは妖精達への不満が駄々もれだ。


『閉め出すなんて酷いじゃないレイン。主様と凄く気持ち良く寝てたのに』
『せやせや!あいつら見た目に合わず雑すぎやろ!ツルで縛るなんて泣くぞ!』

「あはは…許してあげてよ。妖精達もトワとずっと話したがってたんだ」


妖精達の自由さは妖精王以外、誰にも止められない。
思うがままに行動派なのだ彼らは。


(ふふっ、でも妖精達に感謝しなくちゃだな~。)


こうやってリリィとハヤテと話せるのは妖精達のお陰なのだから。
大好きな二人と話せるなんて夢みたいだ。


幸せに浸っていると、七時ちょうどに侍女達が部屋に入って来た。
私が起きているとは思わなかったらしく、驚いている様子だった。
それに加え、私の隣には美少年が座っているのだから。

あの冷静沈着なアリンでさえも目を丸くしている。


「トワ様そちらの方は?!どなた何ですか?!」
「サナ、落ち着きなさい」
「落ち着いてられないよ!アリンだって手が尋常じゃなく震えてるよ?!」
「これはあれです、あれ。寒気です」
「どんな寒気?!」


この二人も面白いんだった。和むなぁ。

慌てる二人を見ているのも面白いけれど、そろそろ成長したレインを紹介しようと二人の名前を呼ぶ。
そうすると、一発で私の方を向いて姿勢を正す二人。切り換えの早さが本当に凄い。


「信じられないだろうけれど、この子は正真正銘のレインよ」
「あはは…お騒がせします」
「あの可愛いレイン様?!わぁ綺麗!」
「美しく育たれましたね」


本当に対応力があって、切り換えの早い二人だ。


私も二人を見習って切り換えを早くし、着替えの準備に取り掛かろうとするとレインが急に声を上げて顔を赤くした。
両手で顔を隠してどうしたのか。

ん?と首を傾げる。


「ご、ご、ごめん!トト!僕、廊下で待ってるね!!」
「どうして?いつもソファーに座って待ってたじゃない」
「今日からは違うのー!ほら!ハヤテもだよ!」
「オレも?!」


ダーッと全速力で廊下へと出ていった二人を見送った。

着替えに取り掛かるサナはニヤニヤ。
アリンは無表情で黙々と作業中。
リリィは呆れ顔。


「レイン様ったら本当に可愛いですね!
お顔を真っ赤にして恥ずかしがるなんて!まだまだですね~!」
「いずれはなると思いましたが…成長は早いですね」
「ね~!」

『はぁ…レインったら、あんな調子で大丈夫かしら?』


三者三様の反応。

私は首を傾げるしかなかった。
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