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悪役令嬢?…いや、ご遠慮したいです。 作者:桜 さつき
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賑やかな日常。

「す、凄ぇな…お母様って…」
「私も予想以上でしたわ。少し休みましょう。お茶を用意させますわね」
「悪ぃな…」


ヴァン君にお母様の愛が伝われば良いなんて思っていたが…まさか、あそこまでとは思わなかった。

可愛い息子が出来るんですもの!と意気揚々と早朝からお兄様を連れてヴァン君の服を買いに行っていたお母様。

ヴァン君に会った瞬間に力強い抱擁と頬へのキス。
その後、買ってきた大量の服をヴァン君に着せ替え。

お兄様と私は部屋の隅で標的にならないように空気になって立っていた。
「可愛いは正義」を唱えるお母様の標的になったら、終わるまで逃れられないのだ。

ヴァン君は最後の方は意識が軽く飛んでいた。
魔送をしていて良かった。


「でも、その服とても似合ってるわ。お母様の選ぶ服はどれも最高に素敵なの。
それに、貴方と話すお母様はとても幸せそうだったわ。ありがとう」
「…っ、」
「?顔が赤いわ。部屋が暑かったかしら?」
「ぜ、全然平気…!気のせいだから…!」
「そう?」


目をそらして、紅茶を凄い勢いで飲むヴァン君を見ているとビュンッと私の目の前を何かが横切った。

そして、ぶすりとヴァン君の頭に刺さった何か…じゃなくてハヤテ?!


「痛ぇ!今度は何だ?!また鳥か?!」
「キュイ!キュイ!」
「いっちょ前に顔赤くしてんじゃねーよ、ってハヤが言ってる。僕もリーも同意件」
「ハヤテ、ストップ!ストップ!」


ハルト様に対してもかなり荒れている三人だが、何故かヴァン君にまで荒れ出すデジャヴュ。

どうなることやらこの先と思いながらも、じゃれている四人の微笑ましい光景を私は眺めた。


(これから、もっと家の中が賑やかになりそうだねぇ…。)


こうして、ヴァン君が家族の一員となった日は賑やかな雰囲気とともに始まった。











ギャーギャーと騒がしい音で目を覚ます。

重たいまぶたを少しずつ開くと、目の前にリリィの顔がドアップであった。え…夢…?


「キュイキュイ?!」
「いやだから俺は悪くねぇって!寝ちまったんだから仕方無ぇだろ?!」
「仕方無くないよ!距離近すぎ!酷いよヴァン!!」
「ちょ、泣くなよ?レイン?」
「ヴァンのバカァァァァァアアア」


最近はこんな感じの朝が毎朝繰り返されている。

ヴァン君が来てから今日でちょうどニ週間。
皆とも大分気軽に話せるようになった。

ちなみに、一緒に寝ているというのにはちゃんと理由がある。

初日の夜、日記帳にヴァン君が暗闇が苦手だという情報を書いていたのを思い出し、寝る前にヴァン君の部屋を覗きに行ったのだ。
そしたら予想通り、ベッドの上で膝を抱えながら震えていた。

夜に一人でいると、貴族の家に閉じ込められていたのを思い出してしまうと打ち明けられ、寝るまで私が手を握ることにした。

でも、二人ともその後は睡魔に負けてそのまま寝落ちしてしまい、それを知ったレイン達は僕達も一緒に寝る!と言って今ではヴァン君のベッドで皆一緒に寝ている状態というわけだ。


「失礼致します。トワ様、ヴァン様。ご朝食の準備が整いまし…お邪魔でしたか?」
「今日も朝から元気ですねー皆様!良いことですよ!」
「アリン、サナ…おはよう。着替えの準備お願いしますわ」


ベッドから降りると、すぐに優秀な侍女二人によって私とヴァンは部屋別で着替えさせられた。

数分で髪も服装も完璧にしてしまう二人は本当に凄いと思う。
ヴァンも未だに慣れないと言っていた。


「今日のご予定は、ご朝食後にララ教授による魔力のご指導がございます。
その後、物理、歴史、音楽の先生方のお授業です」
「今日もたくさんね。頑張りましょう、ヴァン」
「あぁ。かなりハードだけどな」


苦笑いするヴァンの手を引いて私達は広間へと足を進めた。
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