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悪役令嬢?…いや、ご遠慮したいです。 作者:桜 さつき
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やる気スイッチ発動。

温室に入ったは良いものの…会話という会話が全く無い。

さっきの広間では、あんなにペラペラ話してた王子も今は無言で植物を見ている。
気遣いの出来ない男はモテないぞという視線を送るが、視線さえも全く合わない。

お母様…気軽に話せるのは夢のまた夢のようです。


「あのさ」
「!な、何ですの?ハルト様?」
「いつまで僕の腕に掴まってんだよ。いい加減、邪魔だから離してくれない?
ベタベタする女とか僕、大嫌いなんだけど」
「?!?!」


急に本性出たーーーーーーー!!
こんな急に毒舌きます?!待ってまだ何か把握しきれてない!!

というか、腕だって別に好きで掴まったんじゃないし。
王子から言ってきたんじゃん何ソレ理不尽。
離すタイミングが分かんなかっただけで、別にベタベタしようと思ってませんよ、えぇ。


「…ベタベタするつもりなんて私には一切無かったですわ。ですが、ハルト様が不快に思われたのであれば謝ります」
「はっ…どうだか。お前、ここ数ヶ月は良い話が上がっているが、五ヶ月前のお前は随分とふざけた女だったそうじゃないか」
「改心したのですわ。今の私は、以前の私ではありません」


私は大人、大人なのよ、と心の中で唱えて冷静に返答する。

王子は訝しげな目で私の全身をジロジロと見回した。
こんのガキ…ちょっと失礼すぎないか。
イライラするのを抑えて、無理矢理口角を上げて微笑む。

もしここで、傍にいても何の特もなくて面白みもない女だと印象付けたら婚約者候補から外されるかもしれない可能性もあるのだ。

そしたら万々歳ではないか!さぁ、王子よ!
興味を無くして!そして、早く帰って下さいお願いします!

王子は観察し終わったのか鼻で笑うと腕を組みながら後ろの木に寄り掛かった。
そのまま倒れてしまえ、なんて思ってないよ決して。思ってない。


「見た目はマシな様だな。無駄に香水臭くもない。だが、馬鹿そうだなお前」
「は?………あ、え?何て言いまして?今?」
「馬鹿と言った。薬だってお前が作っているのか疑わしいしな。
何より、あんな腑抜けた両親に甘やかされて育ったただの女がそんなこと出来るわけがない」
「…………」


プチンと脳の血管が三つ程、切れる音がした。
あんまり印象に残る様な行動はせずに、王子が飽きて帰るのを待とうと努力したけど…流石に今の発言はスルー出来ないわ。

私はにっこりとなるべく優しく微笑んだ。
そうすると、王子は眉間にシワを寄せて怪しむ様な表情をした。

ゆっくりと王子の寄り掛かる木に近付いて、そして…


「おい、近寄る……?!?!?!」


ガンッッとおもいっきり足を木に叩き付けた。

今の状況は所謂「足ドン」ですね。
まさか現実で自分がやるとは思わなかった。

王子は多少は驚いたのか目を見開いたけれど、すぐにまたあの自信に満ちた笑みを浮かべ鼻で笑った。


「何だ?それで脅したつもりかひゅ」
「黙らっしゃい。このあんぽんたん王子が。
黙って聞いていれば、邪魔だの馬鹿だのおっしゃって…私は貴方なんかに毛穴程興味もありませわ!
私の大切な両親を腑抜けと馬鹿になさる婚約者なんてこっちから願い下げです!この自意識過剰馬鹿王子!!」
「……、」
「良いですこと?今度、私の大切な人達を馬鹿にしてごらんなさい。容赦無くぶん殴りますから、ご覚悟なさっていて下さいませ!」


話そうとした王子の顔を片手で挟み、タコ顔にさせ黙らせた。
タコ顔でも美形ってどういうことなん?


確かにお父様は、体型が少しぽちゃってて、普段の性格はぽわんとしてるけど、本当に尊敬出来る人物だと私は思っている。

仕事でちゃんと成果も出して、部下にだって慕われている。
仕事が忙しいのに家族のことだっていつも気にかけてくれて、凄い人なんだ。

お母様だって忙しいお父様を支えて、家の仕切りを全てやっている。

お料理は壊滅的だけど、お母様の動作は一つひとつが綺麗で、お母様が私の目指す淑女そのものなのだ。

今の世界の私の自慢の両親だ。

手と足を王子から離して、腰に手を当てて仁王立ちで王子を睨み付ける。


「何か他に言うことはありますかしら?」
「………っ」
「何ですの?聞こえませんわ」
「っ、あははははははははっっ!あり得ねぇ!
公爵令嬢がぶん殴るとか初めて聞いたわ!
あはははっ!は、腹痛ぇ!!」
「………」


お腹を押さえながら、爆笑する王子を見て感想を一言だけ言わせて貰うとするならば。


(ヤバい…やっちまった…。)


である。後悔先に立たずとはまさにこのこと。

一国の王子に色々と言っちゃった。
いや、言っちゃったレベルじゃないよねもう。

未だに爆笑してる王子を冷や汗を大量に流しながら、ただただ見つめる。
どうしましょ…死亡エンドを早めたかこれ。


「はーはー…あー、すっげぇ笑ったわ。つか、初めてこんな笑ったわ…あー、疲れた」
「………」
「おい。何で黙るんだよ。何か言えよ女」
「私にはちゃんと名前があるんですの。女、なんて名前じゃありませんわ」
「お前…凄い突っ掛かるな」
「………」
「んで、また黙るのかよ」


面白れーなんてケラケラ笑っている王子を正面に私は肩を落とすしかなかった。

怒ってはないけど、かなりの印象を与えてしまったのは間違い無しだ。
ただのモブでいたかったのに…うぅ。


「なぁ、お前って本当に僕に興味無いわけ?」
「…………知ってますかハルト様。そういう発言はナルシストと認定されて残念がられますわよ」
「?こう言うと大抵の女は群がってくる」
「左様でございますか」


本気で不思議そうな顔をしている王子の反応を見て溜め息を出さずにはいられない。

一体、この世界の令嬢達の目には王子に対して何枚素敵フィルターがかかっちゃってるんだ。


(リリィとハヤテとレインに早く癒されたい…。)


目立つ三人は今日は私の部屋でお留守番をしている。
今、物凄く彼らに会いたい。
これ以上、王子と一緒にいたらもっとボロが出そうだし。

そろそろ広間に戻ろうと言おうとした時、グイッと手を引かれ私が言う前にさっさと入り口へ歩き出した王子。
本当、動きが急なんですけどこの方。
毒舌やら爆笑やら急すぎてついていけてないからね私。


「決めた。お前、面白いから僕の婚約者する」
「あぁ…そうですの。……って、はい?!な、何でそうなるんですの?!」
「僕が決めたからそうなった」
「話のキャッチボールをして下さいませ!」


そのまま、私は王子によってズルズルと広間に連れていかれましたとさ。
おかしいな。目から何か水が出てきたぞ。
更新を今日中とか言ってて、結局、日付過ぎちゃいましたm(_ _)m!!すみません!
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