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暖かな恋  作者: 佑紀
8/20

Episode8:春斗&お泊り

家につくと俺はすぐにトイレへ駆け込んだ。そして、30分ほどトイレにこもったままはき続けた。口から出てくるものは茶色だったので下から出るべきものが上から出てる気がして更に吐き気を催した。


「ったくジャムなんか入れやがって」


吐き終わってそう言いながらトイレを出てくる。そのまま自分の部屋に入りベッドの上に倒れこむ。


「お風呂にも入る気しねぇ。明日、入ろうかな。でも気持ち悪いしな」


俺はそう呟きながら考えを巡らせる。そして、少し考えてから眠ろうと目を閉じると、まるでそれを遮るように携帯が鳴り出した。


「誰だよ、こんな時間に電話をかける馬鹿は」


そう言いながら携帯の画面を見ると、そこには瑞穂とあった。


「あの野郎、人をさんざん吐かせときながら今度は嫌がらせか?」


俺はぶつぶついいながら携帯に出る。


「もしもし、瑞穂どうしたんだ?」


俺は不機嫌を露にした声で電話に向かってそう言った。


「恐い・・・」


瑞穂から帰ってきたのはその言葉だけだった。


「はぁ、何が恐いんだよ?」


「だって家に私しかいないんだもん・・・」


「いやお前、仮にも高校生だろ?恐いはないだろ?」


「そんな事言っても恐い・・・」


「はぁ・・・。それで俺にどうしれっていうんだよ」


「泊まって・・・」


「はぁ。お前の家にか?」


「うん」


「我慢しろよ。1人で大丈夫だろ?」


「無理」


駄目だ。こりゃ諦めるしかないな。


「分かった。風呂入ってからそっちに行ってやるから、待っとけ」


「え・・・」


「どうしたんだ?」


「今すぐきてよ。お風呂は家の貸すから」


「・・・・・・・・」


呆れて何も言えない。高校生にまでなって1人が恐いと言うとは・・・


「分かった。すぐ行くよ」


「うん」


瑞穂の返事を聞いてから俺はすぐに電話を切り。着替えなどの準備をする。それらを5分で済ませ家を出て瑞穂の家へと向かう。我ながらこんなに急いで行動するなんて優しすぎだな。そんな馬鹿な考えをしながら俺は瑞穂の家へと向かった。





「ピンポーン」


瑞穂の家のインターホンを押す。5秒もかからない速さで瑞穂がドアを開け顔を出す。


「遅いよ、春斗」


少しだけ目に涙を浮かべながら瑞穂がそう言った。俺は早く来たつもりなんだけどな。


「悪かったよ。ってかお前泣いてたの?」


「違うわよ。少し眠くて欠伸してたの」


だったら寝とけよ。俺をこんな大変な目に合わせやがって。


「はぁ。とりあえず上がっていいか」


「うん」


俺は瑞穂の返事を聞いてから玄関に入りそのまま家にあがる。


「とりあえず、お風呂借りていいか?」


俺は家にあがってからそう聞いた。


「うん。タオルは準備しておいとくね」


「あぁ、よろしく」


俺はそう言ってから風呂場へと向かう。昔から慣れ親しんだ家だから風呂場とかの場所もばっちり頭に入っていて迷わずについた。





30分ほどお風呂に入ってから上がるとリビングで瑞穂がテレビを見ていた。


「それ面白い?」


特に面白そうに見ているわけでもない瑞穂に対してそう聞いてみた。


「全然、暇だから見てるだけ」


「それならもう眠らないか?俺、とっても眠たいんだけど」


「うん」


「で、俺はどこで寝ればいいの?まさかリビングのソファ?」


「別にどこでもいいよ」


一番そういうのが困るんだよな。人の家でそう言われるのって。


「できれば指定してほしいんだけど?」


「・・・・・・」


俺が何か悪いことを言ったのか瑞穂は顔を赤くしている。一体どうしたんだろう。


「私の部屋で寝る?」


顔を赤くしたまま瑞穂は突然そう言った。


「はぁ?お前の部屋ベッド1つしかないじゃん」


「布団敷けば床に眠れるよ」


「いや、そりゃあそうだけどさ」


「じゃあいいじゃない」


何がいいのか俺には分からぬまま、瑞穂は1人納得しながら自分の部屋へと向かった。






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