表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
暖かな恋  作者: 佑紀
19/20

Episode19:春斗&瑞穂〜想いの果てに〜


「俺、瑞穂のことが好きだ」


とうとう伝えた。俺の瑞穂に対する素直な想い。たった今気付いたばかりだけど、俺はきっと瑞穂にずっと恋をしていた。ずっとずっと小さな頃から。


「えっと、その・・・」


瑞穂は突然の告白で頭が混乱しているようだ。今まで幼馴染と思ってた男に告白されたらそうなるのかもしれないなと思った。


「瑞穂、落ち着いて」


そう言いながら俺は自分自身に驚いていた。どうしてこんなに冷静で居られるのか不思議でしょうがないのだ。


「春斗・・・あのね」


瑞穂がゆっくり口を開く。できればこの先の言葉は聞きたくない。だって瑞穂はさっき好きな人がいると曖昧ながらも肯定していた。それなら俺が振られるのは目に見えている。今更になって俺は告白した事を後悔していた。幼馴染としての関係も壊れてしまうのではないかと怖くなったのだ。


「私もね・・・春斗のこと好きだよ」


今何といったのだろう。聞き間違いでなければ好きだと言ってくれた。瑞穂が俺を。


「本当に?」


俺は震えた声でそう尋ねた。


「うん。小さい時からずっと春斗の事が好きだった。それに気付いたはの私もついさっきだったんだけどね」


瑞穂の顔を見ると赤くなっていた。俺にはそれがとても愛しく思えた。


「嬉しいよ。両想いだったなんて」


「私もよ」


瑞穂はそう言って笑った。照れくささが混じった可愛らしい笑顔だった。


「じゃあ帰ろうか」


俺は何を言っていいか分からずそう提案した。瑞穂といて緊張する日がくるなんて思ってもいなかった。


「うん」


瑞穂はそう言ってから俺の手を握ってきた。それは小さくて暖かい手だった。


「なんか恥ずかしいな」


「でも、私たち恋人同士でしょ」


「それはそうだけど」


「ならいいじゃない」


「そうだな」


俺達は手を繋ぎながら歩き出した。家までの道のりは何故かいつもより少しだけ遠く感じた。

それは多分、俺たちがお互いにいつまでも手を握っていたいと思いゆっくり歩いたからなのかもしれない。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ