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寒空の下で食べる飯は美味い

作者: RK
掲載日:2015/11/13

深夜。

もうスウェットでは外を出歩くにはキツイ季節。

ふと、小腹が空いて眠れない。

そんな時にはふらりと家を出る。

人が寝静まった夜。

時折聞こえる車のエンジンの音と帰宅途中のサラリーマンの疲れた足音をBGMにする。


「うー、寒い寒い」


二の腕を摩りながら目指した先はコンビニ。

煌々と輝きを放つ店内は夜だと言うのに昼間のような明るさだ。

自動扉が開くと、プライヤーを洗いながら店員が元気良く「いらっしゃいませー」と声をあげる。

何にしようか。悩む時間は楽しい。

お握りにしようか、それともパンか、いやいやラーメンも捨てがたいぞ、弁当も美味そうだ。

小腹が空いていたのに、いつの間にか本格的に食えそうだ。

最近のコンビニの弁当は美味い。

見た目も良くなっているし、量もそこそこだ。

最近ではレンジで温めるとゼラチン状態のスープが溶けて熱々の麺類が食べられるものもある。

悩み抜いた末に炒飯お握りとシーフードヌードルを買う。

帰り際にお湯をいれて行くのも忘れない。

コポコポと乾麺がお湯を吸って行く様は、乾いた大地が恵みの雨を受けているような神秘的な光景に見えないだろうか。

恐らく、腹が減っている胃袋が見せた幻影だろうが。

コンビニを後にして向かう先は近場の公園だ。

公園に着く頃合いにはカップ麺も丁度いい頃合いだ。

時間にして五分。パッケージには三分と書いてあるが俺は五分待つ。

これは人によるだろうが、俺は伸びたカップ麺が好きなのだ。食ってる最中に伸びると思うかも知れないが、最初の一口こそ一番美味い状態で食いたいと思うのは人の性だろう。

割り箸がパキンと音を立てて不揃いに割れる。歩いている最中に蓋の上に乗せて温めていた炒飯お握りをどけ、手早く麺をかき混ぜる。

ふわりと立ち上るジャンクな匂いが鼻腔を擽る。堪らずかっ込む。


「はふっはふっ!」


口内と大気の温度差に舌が悲鳴をあげる。

ハフハフとしながらも咀嚼。そして飲み込む。

やはり美味い。

そして、折角温めていたお握りが冷めぬ間にお握りにかぶりつく。

少し酸味の聞いた味がこれまたいい味をだしている。

炒飯お握りの酸味は何処から来ているのだろうか。炒飯お握りには酢が使われている気がする。だが、美味い事には変わりない。

ラーメンと炒飯のシナジーがより一層美味さを引き立てている。

寒空で冷えた体を温めるラーメンの安心感も素晴らしい。

ズルズルとラーメンをすする音と、時折すする鼻の音だけが夜の公園に響く。

身体が火照る。食べ終わってもその余韻が心地いい。

空を見上げるとなんだが寂寥感がある。

また、やろう。

口の中に残るラーメンの匂いがそう思わせてくれる。

寒空の風が早く帰れと急かす。

急かされるまま家路につくのだ。

食ってるものは変わらないのに何故か深夜の、それも寒空の下で食べる飯は美味い。

嘘だと思うならやってみて欲しい。

癖になるような体験に何度も足を運びたくなるだろうから。

ラーメンじゃなくて、弁当でも美味いです。

レンジでチンしてもしなくても、肉まんとかメチャクチャうまく感じます。

是非やって見てください。

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― 新着の感想 ―
[一言]  拝読しました。  忘れられない……学生時代に罰ゲームでやらされた一人鍋パーティー……寒空の下、路上にブルーシートとコタツとカセットコンロを用意し、お一人様用アルミの鍋セットをつついたあの…
[良い点] 主人公の気持ちがリアルで、自分が体験してるようでした! [一言] この時間に、これはかなりの飯テロですねー。
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