プロローグ.1
初めての投稿です。
宜しくお願いします。
「……何だよ、これ……?」
連れてこられた格納庫に入った瞬間、ナオが口にするのも無理はない。
ハンガーに固定されているモノは全頭25mでブースターパックにあるモノまで含めれば30mはある。
「ロボット……?」
「アーマード・ロイドだ」
ナオ自身、お台場に展示されたソレを見た事があるが、それ以上に重量感が見て取れた。
「どうしろ、ていうんだ……?」
「お前にはコイツに乗って貰う。妙な真似はするなよ。常に銃口は向けている」
警備兵がわざと背中を銃口で突付いたのは警告なのであろう。
「あの人達は……?」
ナオも格納庫の隅に居させられている数人に目を向けた。
「言ったろう、妙な真似はするな、て。お前がおかしな事をしたらあの連中を殺す」
「そんな馬鹿な……。どれだけ暴力的なんだ。あの人達は関係ないのに」
未だ現状把握も出来ていないが、彼等とは一切の面識もないのもまた事実。
故にナオが暴力的だと言うのは間違っていないのだ。
「お前が無責任な行動をすれば関係の無い人間を殺す。ヘンな真似はするなよ」
意味が判らない、という表情をするのは人として当然であり、それはある意味で自暴自棄としか思えない行動。
理不尽な思いは昇降用の簡易エレベーターに乗せられて、コックピット近くまで来た。
オイルダンパーが動く音と共にハッチが開き、リフトアップでせり上がってきたコックピットシートに促されるまま座った。
「!」
ナオが驚愕したのは座っただけで、つまりシート・オン機能で前面HUDモニターや計器パネルに灯が点ったのだ。
幸いな事に、銃口を向けている彼の位置から、それが見えていないようだ。
(動く? 動かし方が……判る。判るぞ、これ!)
思惑が確信になった時、衝撃が走った。
正確には、衝撃に基地内が揺れたのだ。