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読みきり短篇集  作者: 霜三矢 夜新
恋する生徒会議録
97/153

告白の方法を教えるとか照れちまう

 気を取り直した香魅音会長が仕切り直そうとした。

「それじゃ次にやってくれる奴は……」

 近くにいた千歳を指名する会長。

「んんっ」

 何を思ったのか千歳が指差された人差し指をつつき返した。

「え?」

 わかってなさそうなので会長が強めに言い直す。


「え? じゃねーよ!」

 本気でビックリしたように千歳が聞き返した。

「うえぇ……僕もやるんですか!?」

「当たり前だろ!!」

 スタイルの良い方の千歳だが、意外な事にそういう情報にうとく更にはそうした気持ちに覚えがないという。

「いや~……僕はそういうのって……はっ……初恋の覚えもなくて……えっと……女の子と話す事自体なかなかハードル高くて……」


 千歳の口からそんな言葉を耳にするとは思わなかった。香魅音会長を始めとして、飛騨副会長や美紀に加良など生徒会メンバー全員の考えている事は一致していそうだった。

(ええーっ、こいつがダークホースって)

 それでは無理強い出来ないなとばかりに千歳を下がらせて加良会計を呼ぶ。

「最後は加良、貴様だな!!」

 絶対お鉢がまわってくるだろうと思っていた加良が大人しく前に出てきた。

「はい…………」


「よし! 俺が女役をやってやるとするか!」

 やる気があるという事をアピールしている会長へ加良が遠慮がちに手で制する。

「やんなくて良いっス」

 加良が照れくさそうに逡巡している。

「……あー、え~~と」

 どこかオーディションっぽいようなと思いながらも加良が演じ始めた。


「何ていうかよ、突然でアレっていうか。まぁその……オレも自分の考えがさ、てえかどう思われているかもわかんねえんだけど。オレはお前にホレた」

 聞いている会長達がしばらく静寂に包まれた。余韻に浸っているかのようなそんな感じで。

「はっ……えっ?」

 何も言わないので戸惑うのも当然だ。かと思っていたら褒めちぎられてそれはそれで恥ずかしさの方がまさる。

「俺のハートまで奪いかねねえとか! アブね~!」

「オレもだぞ!!」

「ドキンってなっちゃいましたよ」



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