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読みきり短篇集  作者: 霜三矢 夜新
リトルhigh!
89/153

わが娘、言っている意味わかってないな

「アズキを本気に、今日は寝かせないですよ」

「あっ……」

「やめさせろ保育士~~!!」

 驚きが大きいながらもオレは比較的冷静に若い保育士に訴えかけた。


オレに言われたからって訳じゃなさそうだが、保育士がルリとアズキちゃんに遊びを提案しに行っている。そうそう若いんだから積極的にルリ達と遊ぶのを見せてくれていいんだぜ。決めた遊びは定番だが、それをする事にルリ達は反対しないようだな。

「みんなー、かくれんぼでい~い? 遊ぼう」

「わーい!」

 まずはアズキちゃんが鬼に名乗りでたな。


 適当な理由をでっちあげて鬼になろうと。ルリも納得しかけているがそうはいかねえよ。

「しょうがないからアズキが鬼をやるです。ルリには似合わないですし」

「うっ……」

 ルリをてなづけるのはオレの方が上手い。娘の頭をなでてあげながらも自然に鬼の志願をする。


「いーや、オニの難しさは相当だぞ。オレがやるさ。ルリ~、パパで良いよなー?」

「ワ~~」

 アズキちゃん、君をルリを愛しているかのようだけどオレの方がルリが好きって気持ちが強いんだよ。負けたくないって強気な瞳、良いね。考えている事はわかるぞ、『あんたにはオニのおいしいところを譲る気ない』ってな。

「もういい~よー」


 苦肉の策なのか、保育士の先生が違う遊びを提案してきた。表情が物語っているように(何この状況)と思っていそうだが。

「これではオニが決まりそうにないのでルリちゃん大会なんてどうですか?」

 保育士の先生がまずアズキちゃんからお先にどうぞって感じだ。なになにちゃんごっこって何だよ、説明が足りねえだろ。やってみればわかるか。あの女のアズキちゃん、困っているな。


 よしよし、オレにチャンスが広がるな。

「それじゃあアズキちゃんから」

「ア、アズキからなの。え~どうしよ」

 おっ? ルリがアズキって子の元に。まぁ、良いか。大人の余裕ってやつで見守っていても問題ないだろ。

「あっちゃん、平気!? 合体しよ!」

 ルリ、それはどういう意味なんだ。アズキちゃんが何をするんだろうって困っている様子なのは当然だわな。



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