UMAは信じるのに……!?
駐在の仕事が終わった後に、俺は自称宇宙人を朝まで無視しておくわけにもいかないのでとりあえず俺の使っている家に連れて帰った。
「何もない部屋だな」
部屋に来たことのある人が言うのはほぼそれなので俺は決まり文句のようにこう答える。
「うん、良く言われる」
(……とはいえ、コイツも男。ベッドの下には面白いものが…)
自称宇宙人が咎められないことをいいことに、ベッドの下を物色し始めた。
ベッドの下からツチノコ特集の雑誌が出てきたので自称宇宙人は何でこんな雑誌がと思う。
「何だかすごく裏切られた気分だ」
「うん、良く言われる」
俺は昔にも数名くらいの男友達に言われたことを思い出した。
「っていうかお前、宇宙人は否定してツチノコ信じんのか!?納得いか
ねぇ」
興奮のあまり、自称宇宙人はツチノコ特集掲載の雑誌を丸めた。
「いや信じるも何も……俺の雑誌……」
ツチノコ特集雑誌を丸めた自称宇宙人を俺は咎める。それ以前
に――
「ツチノコはいるに決まってんだろ」
俺はそれについては自信満々に聞き返したかった。
「宇宙人は?」
「いない」
俺は自称宇宙人の質問をすぐ否定した。しかし、ツチノコのことを聞かれたら話は別である。
「ツチノコは?」
「いる」
ツチノコのような未確認生物の存在を認めておいてUMAの宇宙人を信じないのは腑に落ちない。
「お前とは一度じっくり話しあう必要があるな……」
必要とあらば拳で語るのもありという雰囲気の自称宇宙人に俺は応じた。
「望むところだ」
「ちくしょうバーカバーカ。暴力警官」
殴りかかられたので反射的に殴り返した。自称宇宙人が痛みでべそをかいている。
「弱いな、お前」
俺は自称宇宙人にツチノコを知った時の嬉しさを話し始めた。
「お前には悪いが、俺は本当にツチノコが好きなんだ。小さな頃から何度も探してて……」
自称宇宙人がタダシの話に興味を持つ。
「だからお前を見つけたとき……正直がっかりした」
俺はいてもいなくてもどうでもいい感じで自称宇宙人を見る。
「これからも興味を持てる気が全くしない」
「オブラートに包むって知ってるか?」
自称宇宙人が傷ついたようだった。




