あわわな状況 2
学校見学をさせてくれている時にふらついた夢魔ちゃんを支えてあげる私。どことなく元気のなくなった夢魔ちゃん、どうしたんだろう?
「あっ、わっわあ。大丈夫?」
支えてあげた時にバランスを崩して座った姿勢になったバラー。
「ん………あのね。ちょっとごめんね」
いきなり制服の胸元を広げてくる夢魔ちゃん。バラーはなすすべなく、されるがままだ。
「ええっ 何で!? どしたの~!?」
抵抗はしたのだが、強い力で抑えつけられて抜け出すことが出来ない。夢魔ちゃんに触られていると、何だか危険が迫っている感じが強くなった。
「ふー、落ち着いた」
疲れですぐに立てないバラー、夢魔ちゃんはとてもスッキリした表情をしている。
「ごめーん、バラーちゃんの夢を悪夢に変えちゃった」
何だかボーっとしている頭で何とか理解しようとするバラー。とんでもないことを言われた気がするけど考えがまとまらない。
「夢……じゃなくて悪…………夢!?」
話を合わせようと夢魔ちゃんの言う通りにする私、少しずつ考えがまとまってきた。
「な、なんだあ。私、勘違いしていたんだ。てへへ…………」
照れ笑いでごまかす私。
「もー、何されると思ったのー?」
やっと全てを理解出来たバラーは少しの悲しみと怒りで興奮のあまり爪を掌に食い込ませて血をにじませる。
「だって~~。夢は私の糧だし」
夢魔ちゃんはどうやら名前通りサキュバスらしく、夢を悪夢に変化させてしまう特性があるようであった。
「あれ? もしかして何も知らないでこの星に来たの?」
夢魔ちゃんが意外だという表情をしている。私は教えてもらうために彼女へ質問を投げかける。
「それってどういう?」
別に隠すことじゃないとばかりに夢魔ちゃんがこの星について話してくれた。
「この星に住むと空気のせいかな? 体質が変わるの。生活していく内にどんどん身体が変化していって人間じゃなくなるの。そのせいで成長が止まる人もいるわね」
それって一大事だよね!? 衝撃の真実を前にバラーは立ちすくむ。
「そんな……」
女の子としてはゆずれない思いを叫ばずにはいられなかった。思わず顔を覆って現実から目を背けたくもなる。
「第二次性徴も始まっていないうちから成長ストップしたらどうしようっ」
説明が面倒くさくて眠くなったのか、夢魔ちゃんがかったるそうにアクビしながら緊張感がないことを言う。
「私もー、もうちょっとムネ欲しい」
見た目は完全な女の子とはいえ、夢魔ちゃんは男の子だ。私は呆れたように彼女に事実を突きつけずに入られない。
「あんた、男だろっ!」
夢魔ちゃんに説明を受けて改めて学校の生徒達を見たバラー
(たしかに……よく見るとみんな少し変……)
黒い羽が生えていたり、下半身が魚だったり透けてる!? って人(?)もいる。
「あー、転校生ちゃんだ夢魔ちゃんと遊んでるの?」
バラーの視線に気づいたのか透けている女の子が声をかけてきた。
「夢魔ちゃんと一緒にいたら悪夢でうなされちゃうかもだから気を付けてね」
せっかく忠告してくれたのだが、手遅れでしたと力なく教えるしかない。
「もっと早く知りたかったです」
私が遠い目で呟いているのを気にしていなさそうに夢魔ちゃんがその時のことを思い出してうっとりしている感じになっていた。
「すっきりした!」
それを聞いた幽霊ちゃんが物騒なことを提案してくる。
「わー、じゃあ私はとりついてもいい? あなたに」
私の意見は無視されている気がする。
「私ってこの星では遊び道具ですか?」
一人、まだ人間のバラー。夢魔ちゃんや幽霊ちゃんにされかけていることを考えると疑問を感じずにはいられなかった。




