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読みきり短篇集  作者: 霜三矢 夜新
株式会社木曜日
2/153

コメディ作品1本目 木曜日 1

――​―舞台は株式会社「木曜日」日本有数の大企業が多いビジネス街である。そこの管理課にて。


「​ぎゃ―――​―――​―――​―――​―――​―――​―――​―――​――!​!」

​ 

 いくら調べても重要書類がないので資料を探しまわっていたこの会社の課長が頭を抱える。


「​ないっ、極秘書類がないっ!! わが社のわが社の秘密が漏れる!!」​


 就​業時間中に関わらず、休憩時間ではないはずなのにこの会社のOL秘書木曜子(きよこ)がとんでもないことを暴露した。


「​大丈夫だよ。だって私ネットの掲示板に会社のコト書き込むときはちゃんとイニシャルで書いてるもの」


 ​何から怒るべきかわからないのでもう後で説教しようと課長は考える。


​「その話、関係ないからね。きよちゃん。それ、後でじっくり話そうか」


 ​状況が悪い時に新入社員の鷹上という人物が資料を借りるためにやってきた。


「​すみませーん、鷹上と申しますがー、ちょっと資料が必要なんで貸して頂きたいんですが……」

​「あー​、今それどころじゃないんだよぉ!」

​ 

 いつもなら課長はもう少しまともな来客対応をするのだが、大変な事実のせいで資料分けした棚を往復しているのでそんな暇はない。


「​じゃあ僕、自分で資料を探して良いですか?」

​ 

 その方が効率いいだろうと彼が提案したのだが、ここの管理課課長に却下されてしまった。


「​それはイカン!せっかく築きあげた聖域(片づいた書類の数数)を踏み荒らすような真似をしてはならん!!」​


 ​まるで図書館かのように、使う資料の内容ごとに整理された棚を課長が自慢気に語りだす。


「​ほら見てみろこの美しく整った書類!! もはや芸術だろう! ちなみにタイトルは≪歴史の午睡≫」

​ 

 やる気の感じられない木曜子がスナック菓子を食べているかと思っていたら、棚の上に座り出して書類または本を散らかした。


「​≪春を告げる雪どけ≫」

​ 

 管理課課長が駄目OL秘書木曜子のふざけた行動を怒りに詰め寄っていく。


「お前せっかく整理したモノに何してくれてんだぁ!!​」

 ​

 遠い目をしながら木曜子が課長の怒りを逆なでする言動をした。


「​チミさぁ、石を並べて水の流れを表現しちゃうような日本人のわびさびの心を忘れたのー?」​

「お前こそ礼節をわきまえる日本人の心はどうした!!」​


 入口で待っているしかなかった鷹上が課長に訴えかける。


「​あの……僕だって仕事でここに来ているんですけど」


 ​彼が悔しそうに散らかっている資料をまとめ直している課長に声をかけた。


「​そういえば課長さん、ちょっと気になったんですが」


​「くそー、なんだい鷹上くん」


​「きよさん……でしたっけ……あの……さっきからずいぶんと横柄な態度で仕事に臨んでいる印象ですけど……注意しないんですか?」

​ 

 今も木曜子が◯ッキーらしきお菓子を小動物かのようにちまちまとポリポリ食べている。課長は彼にだけ聞こえるかのような小声で扱いに困っていることを鷹上に伝えた。


「​いや……今イチつかめない子でさー、最近急にこの課についたんだ。あんなんで会社受かるんだからきっと社長の孫か何かじゃないかと思うと強く言えなくてさ……」

 木曜子は全く何もしないという訳ではなく、お菓子を咀嚼しながら片手間で探している(勤務態度としては何もしていないと大差ない働き方だが)

 ​管理課課長が失念しているようなので鷹上がそうした方が早いとばかりに木曜子に「あなたの父親の職業は?」と聞く。課長はどんな答えが返ってくるのかとドキドキものだ。


「​じゃあ聞いちゃいましょう。あの……きよさんのお父さんって何やってるんスか?」

質問に気づいた後、木曜子がお菓子を飲み込んでだるそうに答える。


「​マジシャン」

 ​

 管理課・課長と鷹上くんの時が一瞬止まった。



 楽しんでもらえる作品、軽く読もうと思える作品を目指します!



読んで頂いた方、ありがとうございましたm(__)m


小説家になろう勝手にランキングへの協力してもらえるかな、ドキドキ

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