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#009 一時的に金を持った者の末路 --2006年

タイで複数の女性と関わり起こった20年間の出来事の実話です。

呪い,除霊,探偵,暗殺,薬物などを振り返りながら綴って行きます。

Ariの家をめぐる一連の騒動がようやく落ち着き、私たちの生活は再び単調なリズムを取り戻していた。


ある日、彼女は何でもないことのように「車を買いたい」と言い出した。


同じコンドミニアムに住む、店の先輩が乗っているシビックを譲ってくれるのだという。


私はその車をよく知っていた。

駐車場で何度も見かけていたし、目に入るたびに「やめておけ」と思わせる要素が揃っていた。


ローダウンされた車体。

年式は古く、外見だけを繕った中身のない車。

程度は決して良くない。


それでも「先輩から後輩だから安くする」という言葉は、Ariにとって十分な理由だった。


タイでは一時的に金を持つと、人は必ず狙われる。

特に自分で稼いだ実感のない金を手にしている者は、最も扱いやすい標的になる。


Ariは疑いようもなくその立場にいた。


私は車を買うこと自体を否定しなかった。

ただし条件を出した。


買うなら新車、経済的なJAZZ (日本でいうフィット) を提案した。

長期的に考えれば余計な費用は発生せず安く済む。


それは感情ではなく、計算の話だった。


だがAriは、私の助言を選ばなかった。

彼女は自己資金で、その中古のシビックを16万バーツで購入した。


結果は私の予想通りだった。

数か月後には車は不調を訴え始め、修理費用が重み、やがて動かなくなった。


私は一切関与しなかった。

無駄な修理費を出すつもりもなかった。


最終的にその車は廃車になった。


Ariは「先輩に騙された」と怒っていたが私には違って見えた。


騙されたのではない、忠告を無視しただけだ。

それは支払うべき授業料だった。


私は彼女に言った。

状態の悪い中古車に金を払うのは捨て金だ。


経験の浅い自己判断だけで下された選択に私は金を出さない。


その後、私たちは改めて話し合った。

感情ではなく、条件を整理するための会話だった。


そして、新車でシビックを購入することに決めた。

頭金として30万バーツは私が出す。

残りの60万バーツのローンは、Ariが毎月支払う。


その後、私と別れたあとも、彼女は7年間ローンを支払い続ける。


2004年にタイに訪れてから“最近”に至るまでの20年間の多事多難を綴ります。

全て実話で、私が経験した出来事です。


常識では考えられない事が、まるで示し合わせたかのように次々と起こりますのでご期待ください。


これは成功譚ではありません。

そして恋愛小説とも言い切れない。

本能のまま生き、何度も間違え、遠回りを重ねた男の記録です。


登場する女性の名前はプライバシー保護のため、すべて実名ではありません。

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