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#003 確かな前進、一つの提案 --2004年

タイで複数の女性と関わり起こった20年間の出来事の実話です。

呪い,除霊,探偵,暗殺,薬物などを振り返りながら綴って行きます。

翌朝、私はGeeと見つけた取引先へ行きたいと考えていた。


だが、手元にあるのは取引先の名刺が一枚だけ。

土地勘もなく言葉も通じない中で、一人で向かうのは不安が大きかった。


そこで私はAriに連絡をした。


するとAriは迷うことなくすぐにホテルまで来てくれた。

Ariに案内してもらい取引先へ向かう。


取引先で具体的な話を進めていく中で、今後の交渉が少しずつ形になっていった。

帰国までの数日間のうちに、複数のサンプルを用意してもらう約束も取り付けることができた。


そのサンプルを受け取る日には、再びAriと来ることも決めた。


それは小さな一歩だったが、確かな前進だった。

この時はっきりとした手応えを感じていた。

これから先タイでビジネスが発展していくかもしれない、という感覚だ。


そして同時に、私は別の喜びも感じていた。

これで、定期的にタイを訪れる「理由」ができたということだった。


サンプルが出来上がるまでの数日、私は完全に舞い上がっていた。


事業が動き始めたという高揚感と、夜の街で自由に遊べる喜び。

その二つが重なり、頭の中はどこか現実感を失っていた。


Ariには取引先の件で手伝ってもらった恩がある。

そのため、毎晩小一時間飲みに行くようにしていた。


だが、その後の私の本当の目的は、Somの店に通うことだった。


正直に言えば、私はSomに惚れ込んでいた。


言葉はほとんど通じなかったが、不思議と一緒にいる時間は短く感じた。

彼女は大学生で、夜の店には出ているが会える時間には限りがある。


ただ、冷静な自分もいた。


彼女は魅力的だったが、ビジネスパートナーとして考えると現実的ではない。

感情と仕事を切り分ける必要があることは、分かっていた。


サンプルを受け取る日、私は再びAriに取引先まで連れて行ってもらった。

用意されたサンプルを一つひとつ確認し、私ははっきりと決意した。


この事業を、本格的に始めよう。


ーーーー


後日、私はAriの部屋に招待され身の上話を聞くことになった。


部屋はベットだけで埋まるほどの大きさで、荷物は扇風機と小さなリュックが一つだけだった。


Ariは数か月前に地方からバンコクへ出稼ぎに来たばかりだという。


リュック一つとわずかな現金だけを持ち、同郷の友人を頼りにこの街に来た。

日本語は店で覚えた簡単な単語を少し話せる程度だった。


実家は貧しく、いつか田舎に家を建てるのが夢だと彼女は静かに話した。


その話を聞いたとき、私は一つの提案をした。


「私の仕事を手伝わないか?」 私はこれから、毎月タイに来るつもりでいる。

条件は滞在期間は常に行動を共にすること。


金銭的な条件についても、きちんと話し合い双方が納得する形で合意した。


そして、もう一つ条件を出した。

三か月以内に日本語を覚えること。


もしそれができたら、田舎に家を建てるための資金を私が出すと約束した。


こうして、Ariと私の5年間が始まった。


当時の私はそれがどれほど長く、重い時間になるのかをまだ何も分かっていなかった。

2004年にタイに訪れてから“最近”に至るまでの20年間の多事多難を綴ります。

全て実話で、私が経験した出来事です。


常識では考えられない事が、まるで示し合わせたかのように次々と起こりますのでご期待ください。


登場する女性の名前はプライバシー保護のため、すべて実名ではありません。


これは成功譚ではありません。

そして恋愛小説とも言い切れない。

本能のまま生き、何度も間違え、遠回りを重ねた男の記録です。

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