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ちっちゃいクモと大きな雲

作者: 小畠愛子

 ちっちゃいクモが、お空を見あげています。


「大きな雲だなぁ。…じいちゃんの言ってたこと、本当かな?」


 ちっちゃいクモのおじいちゃんは、クモたちに伝わる昔話を教えてくれました。


「わしらクモは、死ぬとあの大きな雲になるんじゃよ」


 ちっちゃいクモは、お空を見あげて思います。


「じいちゃん、無事に雲になれたかなぁ? …会いたいな、じいちゃんに」


 ちっちゃいクモは、カサカサと八本の足を一生懸命に動かして、木をのぼっていきました。

 ちっちゃいクモにとって、木にのぼるのは大冒険です。天敵もたくさんいますし、風がふけば飛ばされて、落ちてしまうかもしれません。


「じいちゃんなら、おいらのこと、すぐわかるはず」


 鳥に見つかりそうになり、カサカサと身をかくしながら、ちっちゃいクモは木をのぼっていきます。

 風にふかれたときは、八本の足で必死に木のみきにしがみつき、ちっちゃいクモは木をのぼっていきます。


 そして、とうとう…。


「やったぁ、てっぺんだ!」


 ついに、木のてっぺんまでたどり着いたのです。ちっちゃいクモは、急いで空を見あげました。


「…じいちゃん」


 大きな雲が、笑っているように見えました。おじいちゃんの胴体のように、大きくてまんまるです。ちっちゃいクモは、いつまでも、いつまでも、大きな雲を見あげているのでした。

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― 新着の感想 ―
おじいちゃんに会えたかな(*^^*)
2024/12/18 16:41 退会済み
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無事にてっぺんまでたどりつき、おじいさんを見ることができましたね。 ちなみに網を張る蜘蛛には視力がほとんどないので、これはハエトリグモの一種かも。
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