第一話 哀れな人生
カチッカチッ
秒針が鳴り響く暗いオフィスでただ一人
「…………っふがっっ」
っぶねぇ…危うく寝落ちするところだった…
…今何時だ…?
時刻は0時を上回っていた
今日で220連勤
「おぉ…(笑)」
思わず笑ってしまった
自分でもおかしい事ぐらい分かっている。
ずっと会社に搾取されるだけの日々。
でも退職届を出そうもんなら
「オイ!!昴!退職なんて認めねぇぞ!ただでさえ人手足んねぇのにどんだけ俺らを困らせたいんだ!?」
考えるだけで課長の怒号が聞こえる
冷汗が止まらない
「コーヒー買ってくるか…」
いつもの自販機のでいつものコーヒーを買う
「あれ…」
俺疲れてんのかな……
「なんか…暗く……」
バタっ
俺は死んだらしい
当たり前だ
あんな生活を220日連続でなんて…
逆にすごいわ!褒め称えたいわ!
はぁ…母さんと父さんになんにも親孝行できなかった
悔しい……
「また1から人生やり直したい…」
???「やり直しますか?」
っ?!
「俺死んだんじゃ…?」
???「はい。めちゃめちゃ死にました」
「えっじゃあなんで人の声が…」
???「私は女神です」
「めっ、女神?!」
突然の出来事に頭が追いつかない
女神「あなた死んだんだから女神以外話せる相手いないでしょう?」
「そ、それ以前に女神って居たんだ…
てっきり架空上の存在かと……」
女神「まぁ…私とは死なないと話せませんからね」
「はぁ…」
女神「それよりもあなたの人生酷すぎます!」
「へ?」
唐突な言葉に間抜けな声が出てしまった
女神「何ですか!220連勤した果に過労死って!」
「は、はぁ…」
女神「これまで色々な生物の死を見てきましたが一番酷いです!」
「えぇ!?俺、そこらの動物よりひどいの!?」
流石に心折れるわ……死んでるけど
女神「ですので…チャンスを与えます」
「チャンス?」
女神「はい。今からあなたには異世界転生をしてもらいます」
「はぁ〜!?」
女神「一回まともな人生を送って来て下さい」
「俺そんなに酷いんですか…」
女神「異世界で魔王を倒してきたら現代に蘇らせて揚げます」
「まじぃ〜!?」
女神「はい」
「え、やり直せるならいつでも俺はOKですよ!」
女神 (なんだコイツ)
女神「じゃあ…行きますよ…」
「よっしゃあこい!」
女神「あ、言い忘れてましたけど転生の際には大きな痛みを伴いますよ」
「えっ」
ぎゃあああああああ