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秒針とアポカリプス  作者: ナギク
7/7

<終>



ガスマスクを外し、思い切り息を吸う。

周囲は瓦礫の山で、人は一人もいない。


「ここら辺は空気がマシになったなぁ」



背の高い細身の男は、ぐんと伸びをした。


✱✱✱



────崩壊が始まったあの日から、10年が経った。


現在は地球の約半分が、廃墟と化している。

元々少なかった人口は、もう100人程度しか残っていないそうだ。



この崩壊は()()がもたらした、などとと言う者も居たが、この世界はどちらにせよ滅んでいたと、僕は思う。





「─────いつまでたそがれてるの?オジサンっ」



倒れた電柱の上に立つ、一人の少女。


「あれ……これ夢で見たな」


僕がつぶやくと、彼女が楽しそうに笑う。


「ははは、なにそれデジャヴってやつ?」


「デジャヴ……んー、違わないけど違うんだよ、ほんとに、夢で見た事あるんだ」


少女はからかうように笑ってから、ぴょんと飛び降りて着地する。


「ふうーん!ま、なんでもいいけどお腹すいたよ、戻ってなんか食べよう、アセビ!」



男の手を引いて、少女がその名を呼ぶ。



「分かったから引っ張るなって!」


「もう〜先行っちゃうからね!」


少女はふいっとそっぽを向いて、勢いよく駆け出す。


「あ、ちょっと、走ると危ないよ!」

「待って!──────スイレン!!」



少女を追いかけて、男がその名を呼ぶ。



「ここまでおいで〜おじいちゃんっ!」


スイレンは楽しそうにはしゃぎ、笑う。


「誰がおじいちゃんだ!!」



ヒスイは、アセビは、笑いながら走る。




✱✱✱



瓦礫の山の、倒れた電柱の上。

器用に置かれた翡翠色の、小さなガラス花瓶。












青く光る睡蓮の花が、静かに、美しく風に揺れていた。

ここまで読んで頂き、本当に有難うございます!


突然思い付き、6時間で書き上げた勢いの作品でしたが、読み返してみると自分でもちょっと好きだなと思えました。笑


さて、こちらは完結しましたが、連載中の

『波晴るる。』は完結までもうひと踏ん張り。


頑張って最後まで彼女たちの道を作ろうと思います。


どうかこれからもよろしくお願い致します。



秒針とアポカリプス、有難うございました!

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