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秒針とアポカリプス  作者: ナギク
3/7

<3>


<To perform one's mission.>

(自分の使命を遂行せよ。)


目の前に文字が表示される。

それは意識が目覚めるたびに表示される。


「ピピピピピピピピ」


身体中にプログラムの文字が流れ込んでいく。


「ん〜…ふあ」



人間、の声。

あくび、という行為。

暖かい物、生命反応。


裸足、足に何も履いていない状態。

歩く音、足音。

人間、近づく音。

電子音、入力される。

文字、あらゆる言語の可視化。


押される、人間、心臓に当たる場所。


『 おはようございます、ヒスイ 』



わたしは、今日も目ざめた。



「おはよう、スイレン」


微笑み、口角を上げる、行為。

右頬、左頬より少し高い。

無自覚、無意識、人間の、癖。


『 よく眠れましたか 』


情報源、不明。

指示者、不明。

意思、意図的、他者からの操作。



わたしの、ことばではない。



「……ああ、よく眠れたよ」


嘘、人を欺く行為、隠すための行為。

悪意、確認されず。

後者、隠すための行為。



わたしは、"微笑み"を行う。


人間、ヒスイ、"微笑み"を確認。

不明の感情、感知。


暖かい、温度変わらず。

あたたかい、温度変わらず。

あたたかい、原因不明。


『 この、あたたかいものは、なんですか 』



疑問、ヒスイ、許可。


「温かいもの?」


左腕、正常作動。

左手、正常作動。

心臓、正常作動。


「えっと…なんて言ったらいいんだろう、そうだな……そこは心だよ」



心、人間、感情。

わたしには、。?。、@_:?



一部エラー、感知。



『 こころ? 』



一部エラー、感知。



「そう、心。嬉しかったり、幸せだなって感じると、あったかくなるんだ」



一部エラー、感知。



『 うれしい、しあわせ、こころ、 』



一ぶ、eラー、感ち?@_,.△○゛÷?



『 あたたかいです 』

『 ヒスイがわらうと、あたたかいです 』





―――目が覚めた。

それは既に行われていたのに、そういう感覚がした。

わたしは、スイレン。





私は、ヒスイを──────




✱✱✱



「ピー!!ピー!!ピー!!ピー!!」


突然、警報のような音が鳴り響いた。


「!?」


スイレンと、喋りすぎてしまっただろうか。


瞬間、モニターも、パネルも、空間が全て真っ暗になった。

以前にも聞いたことのある、ガスが噴射される音がして、僕は意識を失い倒れた。




―――その日一体何をしくじったのか、僕にはわからなかった。










ただ、これは感覚的なもので、スイレンが生まれ変わったような、そんな感じがしたのは、気のせいだろうか。

→→→

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