第一話 同じ空
第3話に入れました。ここが1番新しいです。
やっと定期テストが終わりまして、これからもっと頑張って書こうと思います!あと、Twitterやってます。それ経由でYouTubeもやってますー良かったら見て下さい!
https://mobile.twitter.com/jAaPZFhMrRf9DH4
セリンはイルが言った衝撃的なニュースに少し考え込んでから、こう言った。
「太陽系って…地球似の星もあるのか?」
するとイルは、興味を持ってくれたのがよほど嬉しかったのか満面の笑みを浮かべて肩を竦めた。
「そりゃ、あるよ。もちろん。」とイル。
イルの言葉に、セリンは考える。
ある事件のせいで、最近ーー1000年前ほど前からーーめっぽう生命が誕生する星が見つからなかった。
そんな中、地球に瓜二つの惑星が見つかったのなら大事件だ。公表されたらきっと、世界的な大ニュースになる。
「それを知ってるのは?」
セリンはベットを降りて立ち上がりながら聞く。
「この国の政府のロボットの発見だからね、官僚達しか知らないよ。…今んとこね」とイル。
「まぁ、そうか…そうだよな…」
セリンはそう言いながら目を閉じる。
すると、みるみるうちに柔らかな部屋着がビシッとした紺色のローブになり、耳にある小さなピアスは大きなーー拳ほどもある青い宝石になり、どこからか金の小さなネックレスが首に現れた。ローブの中はこれ以上無いくらい真っ白なシャツで、エリには紅い色の長いリボンが巻かれている。
これが現在、4900年代の正装である。
服が変わるなんて、魔法のように思えるが、しかしれっきとした化学であった。どうやってやっているかと言うとーーーおっと、ここから先はまだ誰にも言ってはいけない。
セリンは目を開けるといそいそとイルが入ってきた扉の前に行き、口をへの字に曲げながらイルに手招きした。
「さぁほら、行くぞ?今日はその議題もやるんだろ」
「僕が教えてあげたんだよ?この馬鹿セリン」と言うイル。頬を膨らませて不貞腐れながらも素直にとことことセリンの元へ歩く。
扉の先は真っ白でツルツルした壁と大理石の床に、紅いカーペットが敷いてある廊下だった。セリンはその壁に自分の顔がうっすら映っているのを見た。
焦茶色の髪は少しウェーブが付いていて、目は大きいが美しい。鮮やかな群青で、その奥にみえる虹色の光は美しいが深く真っ直ぐで、しかしどこか探るような光を持っている。驚く程長く綺麗なまつ毛はどこか哀しさを感じさせて、鼻は程よく高く、陶器のようにすべすべの肌を持っている。ただただ美しく、スタイルもとてもいい。
しかしセリンはこの人形のように美しく作られた顔が大嫌いだった。虫酸が走るとでも言うように、ぶるっと震えると顔を顰めてすぐに自分の顔が映る壁から目を背けた。そして彼は何事もなかったかのようにこの大統領官邸の入り口に向かう。
そんな彼を、イルは横目でじっと見ていた。
◇◇◇
2人が真っ白な官邸を出ると朝の都市が現れた。朝の空を天井のガラス越しに見上げて、セリンは夢でみたあの空を思い出した。その空は雲ひとつない晴天だがしかし、何故だろう。どこか機械的な雰囲気を感じさせる。
「やっぱり、夢の方がいいな」
セリンがボソッと呟くと、イルが少し首を傾げてこう言った。
「そりゃ、そうだろ。夢は無限大だ。夢の中じゃ僕らはどこよりも美しい空をみれるんだから」
「…まあ、ね。でも、イル。夢の空もここの空も、どっちも人間が人工的に作ったものだけどな。」
そう言うとセリンはニヤッと少しだけ笑って、また歩き出す。
そういえばここには、地球時代と違って、様々な形のビルがある。
向こうのビルには大きな穴が空いているし、こっちのビルは沿っているが、あっちのビルは形がグネグネと動いている。至る所に広告の電気が光り、オシャレに、不気味なほど綺麗な形をした生木と生花が並んでいて、ちらほらと、目で追えない程の速さで飛ぶ車が見える。
ルミナリアの首都であるこの星は地球の5分の1ほどの小さい惑星だが、ルミナリアの中心的なモノは殆どここにあった。
さて、2人が居る官邸の入り口は丸いテラスーー巨大なーーのようになっていて、官邸ビルの中腹にあった。雪のように真っ白なそこはドーム状のガラス張りの屋根がついていて、テラスの端っこに等間隔に建った白い柱がそれを支えている。そして、その屋根の真ん中に虹色に輝く人口クリスタルの大きなシャンデリアが1つ、ぶら下がっていた。
そのテラスを2人が出てきた官僚の入り口から一直線に横切ると、その先には少しだけ柵がない場所があった。柵の下の地面はは目が回るほど遠く、人が落ちたら間違いなく即死だろう。一見、とても危ない様に見えるが、セリンとイルは当然のようにそこに歩いて行く。
すると2人が端に着く前に、柵がない空中に黒い艶があるオープンカーの様な乗り物が飛んで来た。
「少し急ごう」とセリン。
イルがこくんと頷くと、慣れきっている2人は、スっとそれに乗り込む。
すると操作もしていないのに、その乗り物は驚くべきスピードで音もなく走り出したのだ。
その様子を1匹のカラスがビルの上からじっと見ていた。
◇◇◇
ファイル・ルル・プレ
ルミナリア共和国の兵士ロボットで、球体の火炎放射ロボット。セリンが夢で見た物の一つ。
飛行機型で、とても早いが小回りが効かない。同じく球体の火炎放射ロボット、ファイル・ルル・ヘリというヘリコプター型のロボットの方が小回りが効く。
炎が出る仕組みはーーーーーーーーーーーーーーーーー。
最後まで読んでくださりありがとうございます!
良かったら★★★★★押してってください!
ブックマークもよろしくお願いします!
誤字脱字、不自然な所がありましたら報告頂けると助かります!