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第43話 【精霊騎士】vs【勇者】

「おおおおおおおおっっっっ!!」

「はぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!」


 裂帛(れっぱく)の気合と共に【黒曜の精霊剣・プリズマノワール】と【聖剣】が――漆黒と白銀が激しく激しく、これでもかと打ち鳴らされる!


 キンキンキンキンキンキンキンキン――!


「まったく君はどこまでも目障りだ! せっかく【神託】を使ってまで追放したというのに、こうやってまた僕の前に現れ邪魔をする!」


「なに言ってやがる! 俺のいる【南部魔国】に勝手に乗り込んできたのはお前のほうだろうが!」


「戦場にまでしゃしゃり出てきたのは君の方だ!」


「俺の大切な魔王さまを、みすみす殺させるわけにはいかないんでな!」


 【第一位階】に属する究極の剣同士の頂上決戦はしかし、最初こそ互角だったものの、


「おらおら、さっきまでの威勢はどうした!」


 すぐに【勇者】が一方的に攻勢を強めはじめた。


「くぅ――っ!」

 俺が守勢に回る時間がどんどんと長くなっていく。


「【聖剣】は神が人間に与えたもうた対魔族の最強決戦兵器だ! だが魔族以外であってもその力は最強なんだよ! たかがレアジョブなだけの【精霊騎士】ごときが、【聖剣】を持った【勇者】に勝てると思うなよ!」


 くっ、同じように打ち合っている、むしろ剣技では俺が上回っているというのに、じりじりと押し込まれてゆく――!


「同じ【第一位階】でも基本スペックはやっぱ【聖剣】のほうが上か――!」


 ならば――!


 俺は切り結ぶ中でわずかな間隙(かんげき)を見つけると、すかさず【精霊詠唱】を開始した――!


「炎の魔神【イフリート】よ! その御力(みちから)を我が刃に宿したまえ――【ゲヘナの業炎剣(フレイム・ソード)】!」


 ――心得た――


 俺の力ある言葉(パワー・ワード)に【イフリート】が応え、神をも滅する精霊王の力を注ぎ込まれた【黒曜の精霊剣・プリズマノワール】の刀身が、燃えるような真紅に染まってゆく――!


「炎の最高位精霊【イフリート】の力を剣に付与(エンチャント)したのか――! まったくあれやこれやと器用にこなしやがって、本当に不愉快な存在だよ【精霊騎士】は! ハァッ!」


 【勇者】が【聖剣】を強烈に振り下ろした。

 しかし――、


 ガキンッ!


「なにぃ――っ!?」

 強烈なカウンターでもって、俺はそれを弾き返す!


「いける――!」

 【ゲヘナの業炎剣(フレイム・ソード)】は【聖剣】にも力負けしていない――!


「【イフリート】は時に神をも殺す最強の精霊王だ! これなら【聖剣】とも打ち合える――!」


 バランスを崩した【勇者】に俺は追撃を敢行する。


「今度は俺の番だ、行くぞ【勇者】! おおおおぉぉぉぉ――っっ!!」


()めるな!」


 真紅に染まった【黒曜の精霊剣・プリズマノワール】と【聖剣】が再び激しく打ち鳴らされた。


 キンキンキンキンキンキンキンキン――!


 しかしその打ち合いは、さっきまでとは全く違う様相を見せる。


「おおおおぉぉぉぉぉぉっっっっ!!」


 さっきとは正反対に、今度は俺が【勇者】を追い込んでゆく――!


「バカな、【聖剣】が押し負けるだと!? ふざけるなふざけるなふざけるな! 君はどこまで僕を虚仮(こけ)にすれば気が済むんだ――!」


 咆哮をあげて繰り出した【勇者】の渾身のカウンター一閃を、


「おっと、あぶねぇ――」


 俺は飛び退(すさ)って回避した。


「このまま押し込めるかもって思ったけど、【勇者】も【聖剣】もそこまで甘くはないか」


 性格こそやや難ありだが、最強の魔族と言われた【北の魔王】を討伐してみせた【勇者】の実力は、5年もパーティを組んだ俺は嫌と言うほど知っているからな。


「はぁはぁ……。くそっ、【勇者】である僕が【精霊騎士】ごときに後れを取るなどと! 許さん、断じて許さんぞハルト・カミカゼ! いいだろう、あの世で後悔させてやる――!」


 【勇者】はそう言い捨てると、【聖剣】を天に向かって高々と突き上げた。


 これは――!!


「天使顕現(けんげん)【セラフィム・コール】!」


 その言葉が発せられた瞬間、【聖剣】が激しく光り輝いたかと思うと【勇者】の身体が(きら)めく白銀のオーラをまといはじめた――!


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