Part7:勇者ちゃんと魔王と美魔女
仕方ない! 仕方ないよっ!! 神ちゃんだってね、身体があるんだから攣ったり捩れたりすんのっ。痛いから目を離す事もあるのっ。分かるよね!?
はいっ、という事で今の魔王城の状況ですが~。
幼女形態だった魔王ちゃんが変身を、多分2回変身した後だね。今は最終形態です。もう見た目は幼女じゃなくて妖艶な女性です。超セクシーです。木の着ぐるみではなく普通に自分の足で立っていますね。ただね、背中から木の枝とか幹とかがぶわって出てウネウネしてますけどね。
勇者ちゃんが果敢に攻めた結果かな、焦茶色のローブだった物が必要最低限しかその豊満な身体を隠せてないね。お子様は見ちゃダメだよっ! 見てもいいけど見たって言っちゃダメだよっ!!(違)
「なおも抵抗するか勇ましき者よ。我と共に、世界と共に終焉へと落ちるのを抗うか」
おおう、二重音声でお送り致しております。冷たい声色と妖艶な声色が重なって聞こえてきますね。この魔王ちゃん、なかなか魅せ方を分かってらっしゃる。映えだね映え。
「ふざけるな! 俺はこの世界をお前の魔の手から守り、平和な時代を次代に引き継いでやるんだ!!」
おぉ、ラップバトルかな? フリースタイル? もう少し韻を踏んだ方が良いですね。
「片腹痛いわ小僧。次代に引き継ぐどころか自身の子息も持たぬ童貞ではないか」
「ぐぅっ!?」
酷いっ、あまりにも酷い魔王最終形態の攻撃! 勇者ちゃんは膝を付き肩で息をしています!!
つい先日寝取られたばっかなんだよっ、やめたげてよっ!www
「このまま独り、性的接触を知らぬまま朽ち果てるのは寂しかろう。どうだ、我の胸に来るが良い。そなたに生まれた喜びを教えてやろうではないか」
魔王がくねっと腰をしならせ、胸を両手で抱いています。横目で勇者ちゃんを見やり、流し目で誘っていますね。くぅ~、セクシーですねぇ、ギルティですねぇ。誘いに乗ったら瞬殺されるんでしょうねwww
それを分かっているでしょうが勇者ちゃん、身動きが取れませんねw 何でかなぁ? 何となく股の位置を気にしているような気がしますけどwww
「ゼノ君、騙されちゃダメよ! 近付いたら最後、殺されてしまうわ!!」
お~っとこの声は若返った老婦人! 最後の村で一時期勇者ちゃんと同棲状態だった老婦人(未亡人)(見た目は30代前半)の登場です!!
何故ここにいるのか!? 勇者ちゃんの足で2週間も掛かったこの魔王城玉座の間に何故若返ったとは言え一般人である老婦人が辿り着けたのでしょうか!!?
不思議な事もあるもんですねぇ~(棒読み)
「お、おばあさん!?」
「ヴェドアよっ! あなたのヴェドアがここにいるわ!! 魔王の誘惑なんかに負けちゃダメよ、生きて帰りましょう。
あなたには帰る場所があるの、独りじゃないわ!!!」
何でしょうか、とっても良い場面なんですが、勇者ちゃんの顔色が白くなったり青くなったりしてるんですけど彼、大丈夫でしょうか。
「ふははははっ、笑わせる。いずれ全ての命が死へと収束するのだ。それが早いか遅いかの違いだけだ。
良かろう、今こそ全てに死をもたらす時。終わりのその向こう側へ連れて行ってやろう、勇者よ」
見た目はね、魔王も老婦人も美女なんですよ。ただね、前は2千年は生きているであろう大樹で、後ろは66歳の未亡人なのね。その2人がまるで勇者ちゃんを取り合っているかのような、そんな修羅場をお送り致しておりまっす。
魔王を倒せないと世界が滅ぶし、魔王を倒して生きて帰ると老婦人ルート、さぁ勇者ちゃんどうするのかな? かなっ??
「うぐっ……、~~~~、~~~~、~~~~」 ぺらりら♪ ぺらりら♪ ぺらりら♪
ほうほうほうっ! この呪文は自身の攻撃力を高める補助魔法ですね。重ね掛けする事でさらに効果を高める事が出来るのですが、使い過ぎると人体に影響が出てしまいます。
すごい力が出せるのですが、その力に身体が耐えきれないのですね。
具体的に言うと筋肉や靱帯が破れたり、骨が折れたりします。また血管が切れて内臓にダメージを与える事も考えられますね。もっと言うと肉体が四散する可能性まであります。
もしやもしや、これは勇者ちゃん魔王を倒して自分も死ぬつもりかぁ!? その肉体を武器にして、自身を諸刃の剣として魔王に斬りかかるつもりなのかぁ!!?