第7話 合成・昇華
結構短いですが切りが良かったので許してください。
さて、次は合成何だが、相性の良いアイテムを少し揃える必要がある。
合成には相性があり、無理矢理合成すると失敗してしまうのだ。良い例で言えば金属と植物は相性が悪く、植物と植物は相性がとても良い。
こんな風に、相性の良し悪しがある訳だが、今持っているアイテムで相性が良いのは特にない。ストレージに入っているゲーム時代のアイテムを使えば良いのだが、何分貴重なアイテム多いので出来れば使いたくない。
直ぐに補完できる、そこら辺のモノで代用したい。幸いにも、薬草と相性の良いアイテムは直ぐそこにある。
それは木だ。この木、鑑定してみると『キュアウッド』という名前のアイテムで、軽度の解毒効果があるようなのだ。
薬草と合成するには、これ以上ない程に合ったアイテムである。
早速ストレージから斧を取り出し、近くの木を切り着ける。
ドォオオン!!
木に斧を叩き付けると、森全体に爆音が響き渡った。目の前の木は、メキメキと音を立てながら倒れていく。
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《伐採》スキルを獲得
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どうやら、なまじSTR値が高い分、木を一撃で斬り倒してしまったようだ。お陰で、スキルまで手に入れてしまっている。
自分の体に呆れつつも、他の数本も斬り倒してく。
数十本程集まった所で、本題の合成をするために例の場所まで戻った。
必要数も十分揃ったので、早速実験を開始する。
まずは木材の加工からだ。いくら何でもこのままは、木が紙に収まり切らないので、細かくカットする。と言っても、この作業は簡単で、ストレージの解体機能を使えば楽々に分ける事が出来る。
次は合成だ。だがこれも、抽出と似たようなモノで、紙の魔方陣に魔力を注ぐだけだ。
薬草と木を板状にカットされたものを紙の上に置き、魔力を注ぎ込む。ざっと40程注ぎ込むと、薬草と板は光に包まれ混ざりあっていった。
光が収まると、そこには緑色の木の板があった。一応鑑定しておく。
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癒しの木材
この木材を使った杖は、回復属性魔法に補正がつく。補正の効果は制作者による。
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結構良いものが出来たな。オレは余り杖を使わないのだが、一応予備で良いだろう。それにしても制作者によって補正の効果が変わると言うことは、スキルレベルを高めで作ればその分補正の効果も良いものになるのだろう。
後で従者逹に、ここも回収させなくては。
合成を続けて十数回繰り返して、切りが良いところで止めておく。昇華もやっておかなくてはいけないからな。
昇華だが、今回は先程合成した癒しの木材を使っていく。一定数集める必要があるのだが、実験には10個で足りるので問題ない。
早速昇華の魔方陣の紙を広げて、その上に10個の癒しの木材を置き、魔力を注いでいく。100程注ぐと、先程までと同じような光に包まれた。
光が収まった紙の上には、未だ輝きが収まることのない翡翠色の木材があった。効果は以下のようになっている。
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治癒の木材
この木材に触れると、ゆっくりとだが治癒の効果を受けることが出来る。杖に加工すれば回復属性魔法を持たない者でも治癒を使用可能。
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思っていたより良いものが出来たな。外に出て売ったら高値で買われそうだ。確か従者の中に錬金術師もいた筈だ。後で配置しておこう。
これで錬金術は一段落だな。生産はここを出てからでも問題ないだろう。従者逹にアイテム回収だけさせて、オレは攻略に集中するか。
オレはそう思うと、早速攻略を始める為に結界石を回収しだした。
さーて、攻略何処まで進めようか?