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7) 異世界美少女!

 テツくんは膨れたまま「焚き木拾ってくる!」って行っちゃた。かわいい。


 残ったのはおっさん…… ジローさんだ。

「いやお金持ってきてくれてありがとう、助かったでござる。転協も最近では財政難で家賃の払いにも困る始末でしてな、はっはっは」

 ジッと私の顔を見ながら変な笑いで言われた。


「てんきょう?」

「転生者協会、略して転協でござる」

 なんだろ、想像してたのと違う気がする。

「協会、というと他にも日本から?」

「……うん、いた」

「いた?」

 なぜに過去形。


「俺がこっちへ来たのは六年前。その時は俺も含めて二十人ほど日本人がいた。けどみんな死んじゃったでござる」

 愕然とした。全部死んだ? どういうことよ。


「なんで…… 死んだの?」

「病気、事故、ほとんどは魔王軍との戦いかなぁ」

 ……あり得ない、とは言わない。

 この世界は現実でござるってか。魔法もあれば空想上の動物なんかがいたりもするけど。

女神様が言ってたじゃないか。


優しい世界じゃない。


「今の転協は君を入れて三人でござる」


 えらい所へ来てしまった。


「この世界の平均寿命は三十そこそこでござるゆえ」

「テツくんはそういうの知って……」

「言ってない。子供にはまだ早い」

「……」


「いやあ俺もボンキュッボンの女神様に騙されて来てしまったでござるよ。モテモテハーレム作れますよってね。ところが! 来たら野郎ばっかりで女の人はおばあちゃんしかいないし。こっちの女の子にはなぜかもてないし! でござるよ」

「サイテー。女の子相手に何言ってんの、このおっさん」

「あはははは……」


 ボンキュボンの女神様ねぇ…… 私の会った女神様と違う?


「うん、でも久し振りに連絡貰って、……片方はアレだけどこんな可愛い女の子が来てくれて嬉しいなあ!」

「可愛い? 何言ってるのよ」

「可愛いでござるよ、マリ」

「キリッとした顔で呼び捨てにしないで、それにお世辞言い過ぎです」


 驚いた感じのジローさん、ちょっと考えて目の前の空間から何やら…… 手鏡を取り出した。

「ほい」


 渡された鏡を覗き込んで、絶句した。


 誰やあんた。


 キツめの目は確かに私だ。

でも…… 青っぽい銀髪のショートカット、色白で鼻筋すっきり。

ほぼ別人二十八号、美少女と言っていい。


 そうか。そうですか…… 女神様ありがとう。


『サービスしますから』


 大サービスだよありがとうこんちくしょう。



「ふふふ、運が回って来たでござる。ぜひ拙者とお付き合いしてください「お断りします」」

 おっさん鼻がスピスピ言ってるし。


「……」

「……」


「そうでござるかこれが噂に名高いツンデレという「違う」」

 あり得ない、何考えてるん。


「……」

「……」


 なんか、さっきもこんなやり取り聞いたな。


「ぜひお願いするでござる!」


 言うや否や私の手を取った! ちょセクハラか!!


「ぎゃあああ!!」

 とっさに腕を振り払い女の子パンチ!



 めきっ



 ばん! どかばきっ! みたいな音を立ててジローさん回転して吹っ飛んでいったよ!! え?




 えっ!? 殺ってしもた?

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