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仰げば尊シ


 さぁーて、いよいよこれからとある魔法高校に通うこの俺、神川かんがわ 飛電ひでんの学校生活をつづった物語が始まるぜぇ!!


 記念すべき今日は、俺の入学式でもある。


 俺・席に座ってぇ? 名前を呼ばれるぅ。

 俺・立ち上がりぃ? そのままスルゥー。


 ただ離着席を繰り返して入学式が終わって、今度はいよいよ記念すべきクラス発表の時間が始まるのさ!


 お、可愛い子ちゃん発見。俺と同じ教室だな? しかも俺の隣の席じゃないかあ! 

 決まりだ。こいつはこの俺の青春のメインヒロインに決定だ!


俺「名前は?」

?「あ、はい・・。〇〇 〇〇といいます。よろしくお願いします。」


 ん~? 名前がイマイチだなぁ。まあいい、この3年間で何が何でもお前の心・・・落としてやるぜ!


 そう言いつつ、しばらく経った後、あることが決定した。


俺「おお!?」


 キターッ!! 学級委員長が決定したんだ。それも隣の子とは別の可愛い子ちゃんだコレ!


?「今日から、この教室の学級委員長を務めます、△△ △△△です。よろしくお願いします。」


 うおお、クールビューティー来たこれ! 名前が中二臭いが、サブヒロインに決定だ! みんなの知らないところでコッソリ告白、不意を突かれて二人は恋に落ち、挙句の果てにはこの教室を委員長権限で俺の意のままに操ることになるのさ! グヒヒヒ。

 ・・・まあ、さすがにそこまでの野心はないがな。


 さあ、舞台は整った。これから俺の輝かしい学校生活がいよいよ始まるのだ!


 ここからはダイジェストで行くぜっ!!


 まず一年目。俺はこの学校で一番メジャーな部活、ウィンドライダー部に入部し下級生ながらそこそこの実力を発揮し、存分に風を浴びて快感を得る一年を送った。同時に半年もかかったが、俺はなんとか隣の可愛い子を彼女にすることに成功! 俺の学校生活は順風満帆な日々を送る。この時、外の世界では大きな戦争が起こった気がしたが、俺には関係なかった。


 二年目。俺の学業の成績は良いほうだったがトップレベルほどではなかった。そのうち俺は、部活動の陰で男連中とともに開発した謎の笑臭ガス、「ハラヘリウム」に没頭することになり、俺はこの一年間、仲間と一緒に陰でゲラゲラ笑いながら過ごすという、発狂した一年間を過ごすこととなった。

 あと、学級委員長ちゃんのガードが予想以上に固すぎる! 別にもうすでに彼女持ちだった俺だから嫌ったというわけでもなく、この3年間は男は作らないつもりという心構えだったのだ。委員長ちゃん、恐ろしい子・・・! ちなみにこの時、この国の王様がどういう理由かで暗殺されたらしいが、俺はハラヘリウムによるゲラ爆笑の影響で国葬からお葬式まで笑いながら過ごすことになった。


 三年目、ウィンドライダーの全国大会に出場! 結果は惜しくも4位だったが、勝負事の悔しさやこれまでに練習してきたことを考えれば、俺の得たものは遥かに広大なものだったのだ! もう悔いはない。隣の席の彼女とも今のところ良好だ。委員長ちゃんも俺が4位を取ってきたぜという報告した際、わずかに見せたその微笑みを俺は見逃さなかったぜ!

 俺の進路も決まった、王国一の魔導騎士団に「正騎士」として入隊し、この国の安全を担う名誉ある仕事をすることになった。一見かっこいい仕事だが、この時また大きな戦争が始まろうとしていたらしい。新米の俺は後方援護から任されるらしいが、一生平和のまま終わるよりはマシかなと思うくらいだった。それに俺は彼女だっているし、間抜けなところは見せられないってもんだ!


 そんな充実した俺の三年間は、今日この日で終わりを告げることになる。何もかも幸せな高校生活だった。隣の子や委員長ちゃんだけじゃない、俺には同じ教室の仲間だって、ウインドライダー部の仲間だっていたんだ。これからの世の中なんて、もう負ける気がしなかった。別に今日の卒業式で終わるわけじゃない、これからはみんなで世の中を戦い抜く、スタートラインに立つ日なんだ。俺のこの3年間は絶対に忘れない。俺たちの本当の青春は、これからなんだ!

 卒業式ソングが流れる中、俺は騎士団から届いた入団書を片手に、彼女と共に正門前に立った。彼女がきょとんとする中、俺はすぐ様一気に坂を駆け下り、俺は心の中で叫ぶんだった!


俺「青春! フォーエバァアアアアアアアア!!!」




 フッ




俺「ァァァァァ・・・ん?」


 気が付くと、俺は見知らぬ世界にいた。あたり一面、赤と黄色が混じった、よくわからんところに寝そべっているのだが・・・」


俺「あ、あれ? どこだここ?」

?「気が付いたか、お前。」


 俺は真上を見上げた。そこにあったのは・・・


 かわいらしい金玉だった。


 ゴンッ


?「ぎゃあああああああ」


 俺の頭上にいた男は股間を抑えて、ブタのように転げまわった。


俺「誰だよお前!」

?「ふざけんな! 何だよ! 初対面で男の急所殴るやつがあるか!」


 のたうち回る男は涙目で起き上がった。


俺「あれ?」

?「・・・・・・んもう!」


 そこにいたのは、俺が今まで見た中で一番かわいらしい美少女だった。ピンク色の髪に、子供のようにぐずった顔、これが3年前なら間違いなくメインヒロインにした女の子だ。


 ・・・いや、違う! こいつは・・・!


?「ったく、ようやく出会えたっていうのに、今更ボケっとしたみたいな顔してますね。ハッキリ言いますけど、自分は男ですよ、男!」


 恐ろしいことだ、これが男のおとこのこというものか! 初めて見た・・・てか、声も美少女だ。


?「第一、自分はちゃんとズボンをはいてるのに、一発で男だと見破るって色々おかしいですよ。」

俺「いや、見えてたよ? ズボンの隙間から。」

?「え? マジで? てか、そんなことどうでもいいです!」


 男の娘は立ち上がった。


?「あのです。今の貴方に、何が起こったかわかってますか?」

俺「えっ? いや、気づいたらこんなところに、てかここに来たのが一分くらい前のことだけど?」

?「フムフム。じゃあ質問します。ここに来る前はどこで何をしてましたか?」

俺「えっ? 俺、卒業式終わって、青春フォーエバーって叫んで・・・」

?「・・・で?」

俺「気づいたらここに。」

?「なるほど、よくわかりました。」


 すると、男の娘は言った。


?「じゃあ、ここがどこなのか教えます。」

俺「はぁ。」

?「でもせっかくなので結論から先に言います。」

俺「なんだよ。」


 そいつは俺の鼻に人差し指を充てる。


?「あなたは、死にました!」




 ・・・えっ?




?「しかも、その青春フォーエバーって叫んだ瞬間です!」




 ・・・はっ?


 俺が・・・死んだ?


?「間違いなくご臨終です。記念すべき第一回目のご臨終です。南無。」

俺「ちょ、ちょっと待て! 俺が死んだ? 何が!? いつ!? どこで死んだ!?」

?「いやいや、仰げば尊死とはよく言ったものです。広大な世界に旅立ってそのまま昇天してしまうとは・・・」

俺「人の話を聞け!!」

?「ん?」


 俺は怒りに身を任せて男の娘に詰め寄った。


俺「俺はいつどこでどうやって死んだんだって聞いてんだよぉ!!」

?「教えません。」

俺「はぁ?」

?「教えてはいけないんです。っていうか、自分で覚えてないんですか?」

 

 いや、青春フォーエバーくらいしか・・・てか感動のあまり意識とか集中してなかったし。


?「ダメですよ。これから自分がどういう死に方をしたのか、しっかり記憶してないとこの先、生きていけませんよ?」

俺「は?」

?「何しろ、これは君に課せられたある種の試練なのですから。理解しないと先に進みませんよ?」

俺「試練? 何を言ってるんだお前は!?」

?「つまりあなたは特別な存在なのです。」


 男の娘はくるりと回る。


?「では、話を元に戻しましょう。一体ここがどういう場所なのか。」

俺「・・・なんだよ?」

?「内緒です。」


 ガンッ!


 俺は無性に腹がったたのでこいつを殴ってみた。


俺「ヒャッハァー!!! 口うるさいバカぶん殴るのは最高だぜ!!!」

?「メモリアルルームです。」

俺「あ?」

?「メモリアルルーム! 死んだらここに戻ってくる空間です。周り見てください? 辺り一面雲だらけのまるで天国みたいな空間でしょう?」


 こいつ、傷一つ付かずに立ち直りやがった!


俺「ってことは、要は天国ってことか?」

?「いいえ違います。」

俺「いいや天国だ、間違いない。この俺が天国だと直感したから間違いなく天国だここは。」

?「ここはメモリアルルームです。天国でも地獄でもありません。天国に限りなく近い空間です。」

俺「じゃあ天国でいいじゃねぇか。」

?「天国だったら本当に死んでしまうじゃないですか。」

俺「死んだんじゃねーのかよ! お前が言ったんだろうが!」

?「本当に普通に死んだんなら、再び生き返る事なんてできません。」

俺「は?」


 何? 生き返るって言ったか?


?「ともかく、今から僕の言うことを真面目に聞いてください! 殴らずに!」

俺「・・・ああ、わかった。話くらい聞いてやらぁ。」


 やっぱ殴ったこと気にしてたのかよ。


?「単刀直入に言うと、あなたはこれから生き返る事ができます。」

俺「ほう。」

?「ただし、生き返る事ができるのは、あなたが死ぬ以前の時間だけに限ります。」

俺「ふーん。」

?「それも現在から3年以内。あなたが魔法高校に入学する直前から死ぬまでの間です。それ以前か死後は無理です。」

俺「ほむ。」

?「以上です。」

俺「・・・・・・」


 へっ・・・?


俺「いやいや、ちょっと待て!」

?「はい?」

俺「漠然としすぎだろ! 第一生き返るって、その言い方だとまるで好きなタイミングで生き返ることができるみたいな・・・」

?「その通りです。」

俺「なんかリスクとかあるんじゃねーか? 例えば、遡る期間が長ければ、その分寿命が縮むとか?」

?「ありません。」

俺「あ、そうか。生き返れるのはこの1回限りか。ならリスクがないのも納得・・・」

?「いいえ、無限です。」

俺「・・・・・・」


 ・・・おいおいおい。


俺「冗談だろ? 高校3年間の好きな時に生き返る事ができて、死んでも無限にやり直せて、ノーリスク?」

?「そうです。」

俺「・・・・・・」


 いやいやいやいやいや・・・


 次の瞬間、俺はコイツの両肩を鷲掴みにした。


俺「ウソつけこの野郎! 絶対なんか裏があるだろ! 第一無限にノーリスクで生き返るってのがどう考えてもおかしいだろうが、あきらかに生き返ってもすぐ死ぬような言い方じゃねーか!」 

?「・・・・・・」


 男の娘は言った。


?「やっぱり、見かけ並みには賢いようですね。」

俺「なんだよ、見かけ並みって。」

?「そうですね。さっきの説明に加えて、あなたのやるべき最終目標を教えましょう。」


 まるで小悪魔のような笑い方しやがるよ。男のくせに。


?「生きてください、がんばって。少なくとも、あなたが卒業式を迎える3月1日を過ぎるまでは。」

俺「ふむ。」


 なるほど、ようやく全貌を理解できたぜ!


俺「わかったぞ! 要は俺がどうあがいても3月1日に死ぬわけだな? それで高校3年間を何度もやり直して、俺が死ぬのを何としても阻止しなければならない。そういうことだな?」

?「クスクス、さすが賢いです。」

俺「ふん、俺だって伊達に高校3年間過ごしてきたわけじゃない。」

?「果たして本当にそうでしょうか? クスクス。」

俺「は?」


 ・・・ひでぇ言い方だな! 目標が違うってんなら”そうじゃない”って普通に言えよ!


?「ま、最低限やることは大体あってるので早速生き返ってみましょうか。」

俺「おうよ、いつでもいいぜ。」

?「で、いつにします?」

俺「決まってんだろ? 俺が死ぬ1分くらい前だ。」

?「あれれー? 3年前じゃないんですね?」

俺「フフン。俺はこの青春で満足しているし、別に今更戻りたいとも思ってない。そもそも、もっといい青春を経験できたとして、3年後におっ死んじまったら元も子もないだろう?」

?「いいですねー。じゃっ、やってみましょう。1分前にレッツゴー!」



 ポンッ!



俺「え? もう生き返ったの?」


 気が付くと俺は学校の校門前。隣の席の子が俺の隣にべったりくっついている。


〇〇「どうしたの?」

俺「いや、何でもない。」


 しまった、もうスタートしてるんだ!


俺「悪い! 学校に忘れ物した! 戻るわ!」

〇〇「え?」


 俺は急いで学校に向かう。


俺「よし、運命め、殺せるものなら殺・・」


 ドッカアアアアアアアアアアアアアン!!




ーGAME OVERー



俺「What the fuck!?」

?「ダッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャ! 30秒しか持ってないですよ! 見事無惨! 2回目おめでとう!」


 ・・・・・・


俺「・・・ちょっと待て、冷静に一つ質問させてくれ。」

?「はい、何でしょう。」

俺「今、何が起きた?」

?「知りません。」

俺「は?」

?「言いましたよね? 自分の死に際ぐらい覚えておけって。」


 こいつ後で八つ裂きにしてやる。


?「気になるんだったら、もう一度生き返って自分の目で確認するのはどうでしょう?」

俺「何故そうなるのか。」

?「どうします? 2回目の挑戦してみます?」

俺「やってやるよ。なんかここ居心地悪いし。」

?「りょーかい。時間はどうします?」

俺「同じ。1分前で頼む。」

?「ほいほーい。」



 ポン!



 気が付くと俺は隣の席の子と以下略。


俺「あ、そうだ。」

〇〇「?」

俺「少しここで待っててくれるか?」


 俺は前後左右確認を取る作戦に出た。


 まず前を見る。校門の下は坂、そこには何もいない。人一人もいない。


 次に俺は後ろを見る。学校だ、卒業式を終えた仲間たちが屯している。


俺「・・・・・・」


 何も起こらない。


誰か「〇〇ちゃーん!」

〇〇「あ、飛電君、ちょっとまってて!」

俺「お、おう。」


 隣の子は女性との呼びかけに応じ・・


 ドシュッ!



ーGAME OVERー



?「クスクスクス。」

俺「だから何が起こったんだよ!」


 男の娘は笑いをこらえている。


?「3回目ですねー。どうでしたか?」

俺「どーもこーもねーよ! アイツが離れた瞬間このザマだ!」

?「それは仕方ないですねー。」

俺「てか、絶対お前どうやって俺が死んだか知ってるだろ! 教えろ!」

?「ダメです。それはルールですから。」

俺「ルールってなんだよ! お前絶対楽しんでるだろ!」


 俺はここでふと思った。


俺「待てよ? 今俺、いつ死んだ?」

?「お?」

俺「時間は教えてくれるよな?」


 男の娘は更にニヤリと笑う。


?「いいところをついてきましたね。」

俺「!」

?「そうですね。今回は43秒でした。」


 ってことは。


俺「お前は確か、2回目の時は30秒も持たなかったって言ってたな。だけど俺がさっき学校を見たときは、何も起きなかった。」

?「ウンウン。」

俺「ってことはつまり・・・」


 ・・・・・・


俺「どういうことなんだ?」

?「どういうことでしょう?」

俺「んー、でももう少しでわかりそうな気がするぞ。」

?「マジですか! じゃあ4回目いっとく?」

俺「ああ、今回は意表をついてやるぜ。」



 ポン!



 生き返った俺は、すぐに走り出す。


〇〇「ちょっと、どこ行くの!?」

俺「ウインドライダー部の部室だ! ここがダメなら上空に逃げ・・」


 ボォン!



ーGAME OVERー



俺「ふざけんな!! 何でだよ!?」

?「すごいですよ! 5秒です、5秒。」

俺「もう一回だ!」



 ポン!



俺「なあ、〇〇。」

〇〇「え?」

俺「俺はお前のことが好きだ。」



 ズドン!



ーGAME OVERー



俺「・・・・・・」

?「残念でしたね。」

俺「黙れ。」



 ポン!



俺「〇〇! そこをどけ!」

〇〇「えっ!?」

俺「上がダメなら下をブチ抜いてやる!」


 ズゴゴゴゴゴゴゴ!


〇〇「な、なにしてるの!?」


 俺は破壊魔法で地面に穴を掘り始める。



俺「緊急避難だ! どっかに隠れて・・」


 ボコッ。


俺「えっ?」


 俺は足元が浮いた。いや違う、穴を掘っていたら5メートルで巨大な空洞にぶち当たったのだ。


俺「なんでえええええええ!?」


 ズシャア!



ーGAME OVERー



俺「ぎゃああああああ!痛いいいいいいいい!」

?「どうしました?」

俺「落下死だ! 純粋な落下死だ! めっちゃ痛え! 全身が痛い!」

?「それはお気の毒に。でも大丈夫。ここならすぐに回復して生き返れますよ!」



 ポン!



俺「・・・・・・」


 ブォン!


〇〇「え? どうしたの?」


 俺は全身に防御魔法を張った。


俺「最初からこうすりゃよかった。」

〇〇「え?」

俺「嫌な予感がするんだ。今日はこうやって帰る。」


 俺は歩き出した。


誰か「おーい!〇〇ちゃーん!」

〇〇「あ!」


 隣の子は呼びかけた友人を見た。


 フッ


〇〇「ちょっと待って。ってあれ・・・?」


 彼女が校門の外を見たとき、俺はすでにこの世から去っていた。



ーGAME OVERー



俺「・・・・・・」

?「おかえりです。今回はどうやって死にました?」

俺「わからない。さっきの落下死以外は何も覚えてない・・・」

?「それにしても綺麗な死に方でしたねー。」

俺「お前やっぱ知ってんじゃねーか!」

?「防御魔法はどうでした?」

俺「貫通された。なんか知らんがそんな気がする。」

?「ふーん、貫通ですか。どうします? もう一回行きます?」

俺「いや、やめる。今度は余裕をもって1日前に行く。」

?「おっ、少し余裕持ちましたね。」

俺「理由は知らんが本当にどうあがいても死ぬ気がする。」

?「いいですねー。じゃあ早速1日前へと行きますか!」

俺「待ってくれ、少し休んでからだ。」


 俺はこの謎の空間で大きく息をついた。


俺「・・・ちょっと待った。」

?「はい?」

俺「これって、1日前に戻っても今までの記憶が維持されてるのか?」

?「まあ、そうですね。」

俺「・・・気が変わったぞ! 今度は1日前じゃなく、MAXの3年前に戻してくれ!」

?「え? なんで?」

俺「いいから、いいから!」



 ポンッ!



 こうして俺は3年前に蘇った。気づけば現在は入学式の直前。俺は何のためらいもなく、この高校の校門を通過するところだった。


〇〇「いや! やめてください!」


 だがその時、後ろで聞き覚えのある声が俺の耳に入った。


??「おいおい、いいじゃねーかよ。これから同じ高校なんだしさぁ?」


 俺はすぐ校門の外を覗いた。そこにいたのは紛れもなく隣の子。朝一番で不良の先輩に絡まれていたのだ!


俺「おい、何してんだてめーら。」

??「あ? 誰だお前?」


 すぐにケンカになった。だが相手はせいぜい高校2年生、俺は高校3年分の知識と経験を得た高校1年生だ。負けるはずがない。 


??「つ、つえええ! 何だコイツ!?」

俺「今度手だしたら本気出すからな。覚えとけよ!」


 何とか勝てたぞ。


〇〇「あ、ありがとうございます!」

俺「いやいや、また会おうな。」


 そして間もなくして俺たち二人は出会うことになる。


 1年生になり、今回は早くも隣の子と彼女になった。勉学はトップクラスで、何となく入ったウインドライダー部に入部した途端レギュラーになった。

 2年生、またしてもハラヘリウムガスにハマる。途中で運悪く、笑いが止まらないままテストと大会がブッキングしてしまう事態が発生。テストは笑いながら100点を取り、大会は笑いながら優勝した。そうして俺は、周りの人から爆笑神と呼ばれるようになる。

 3年生、俺は最後まで成績がトップだった。悔しそうに見つめる委員長ちゃんを横目に見ながら、俺は魔術師としても一間置かれるようになった。

 そして卒業式を迎える。


俺「フッ、どうだ!俺の3年間は。」


 ドガン!



ーGAME OVERー



俺「えええええええ・・・・」

?「お疲れ様でしたー。どうでした? 何かつかめ・・・」

俺「もう一回だ!」

?「え?」

俺「もう一回3年前だ!」



 ポン!



 今度は1年目、不良をあざ笑うかのようにぶっ飛ばし、無事入学。そのまま暴れながら隣の子を彼女にしようとした際、予想外のことが起こった。

 あまりにぶっ飛ばし過ぎたせいで、王国の官僚に目をつけられ、俺は更に上級のエリート魔法高校に転校させられる羽目になった。これで隣の子や委員長ちゃんとはもう会うことができなくなってしまった・・・

 2年目、俺があっちで吸引していたハラヘリウムガスをエリート高校中に流行らせ、教官から俺がぶん殴られる事件が発生した。退学は避けたが、3か月の停学を食らう羽目になった。これだからお堅い連中は好きじゃないんだよ。

 3年目、やっぱりエリート高校の授業はきつい。中々ついていけなかったが何とかギリギリ卒業出来た。何となく最初の頃より勉学向きになってきたのか、最近では本を読み始めるようになった。

 そして卒業式。


□□「おいおい、一人でどこ行くんだ?」

俺「図書室。少し本を読んでからいくさ。もう読めなくなるからな。」


 ゴゴゴゴゴゴゴ


 その時、隣にあった本棚が突然俺のほうに倒れてきた。ちなみにここの図書室は国中の学術書が壁のように納められ、俺に倒れてきた本棚の重量、

 総量500㎏程だった。



ーGAME OVERー 



?「おかえりー、何か掴めた?」

俺「もう一回だ。」

?「は?」

俺「3年前、早くしろ。」



 ポンッ



 俺はエリート高校でもトップクラスに立つようになった。2人目には笑臭ガスをさらに強化、3年目には首席で卒業するに至った。



俺「おっと、やべ。今日卒業式じゃねーか。」


 ダダダダダダ。


俺「ん? 誰だお前。」


 ズドン。


 有名になりつつあった俺は、どっかの国の殺し屋にあっけなく命を奪われたとさ。



ーGAME OVERー



?「おかえり。今回は何してたんです?」

俺「もう一度3年前、早くしろ。」

?「良いですけど、何か時間をかけてやりたい事でも出来たんですか?」

俺「早くしろ。」

?「・・・・・・」



 ポンッ



 この日、俺は入学式に出なかった。学校で勉強するより、もっといろんな世界を歩いて独学で勉強してみたい。俺はそう思い始めた。

 エリート高校の本では足りない。もっと広い世界へ、もっと未知なるものへ、歩みを進めたくなってきた。


 ポンッ


 3年後には確実に死ぬ。どれだけ対策を考えても不慮の事故や暗殺やら正体不明の死に方やら何やらで、ほぼ確実に死んでいく。ならばそれすら変える力、運命そのものの力を手に入れるまで、俺はひたすら知り続けようと決心したのである。


 ポンッ


 気が付けば、とうとう俺のループ年数は100年を超えていった。


 1年目。


〇〇「いや! やめてください!」

??「おいおい、いいじゃねーかよ。これから同じ高校なんだしさぁ?」


 どこかで見た二人。


??「あ? 何だテメェ?」

俺「・・・汝、所業、オロカナリ。」


 ピカーン!


??「う゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」


 俺の人差し指から放たれた高出力レーザーで、不良の肉体を灰と化し、家50軒、山3つ程吹き飛ばした。


〇〇「ぎゃああああ! 人殺しいいいいいい!!」


 彼女はすさまじく叫んだ。すると、1分足らずで魔法馬に乗ってきた魔法騎士団が到着した。


団長「今の魔法撃ったのテメーか? あん?」

俺「弱者、滅セヨ。」


 ボシュ!


団長「う゛え゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」


 俺の開発した反重力魔法で、騎士団の生首が上空に推進しながら吹っ飛んでいった。


放送<緊急指令!緊急指令!領内に正体不明の敵が出現!全軍直ちに掃討せよ!繰り返す!…>


 すると数分で国中の全兵力と有力な魔法使いが集結した。


王「見たことがないな。何者だコイツは。」


 王も自ら出陣していた。


王「さっさとやってしまえ。」

ボディG1&G2「了解。」


 ボンッ! 


 その直後、ボディガード2名が白い炎に飲み込まれて消失した。


王「ほう、あの二人、いつの間に瞬間移動の魔法を覚えたようだな。」

俺「我ガ力ダ。」

王「・・・・・・?」


 俺は魔法剣に突き刺したボディーガード2名の首を差し出した。


王「うわあ、死ーんじゃったー♪ 死んじゃったー♪ ボーディガードが死んじゃったー♪」

俺「オロカナ王ヨ、兵ヲ下ゲヨ。」

王「黙れ、今歌っている最中だ。」


 その時だった。


伝令「大変です、王様! 隣国の魔軍が侵攻を開始!」

王「知らん。」

俺「古ノ力、コノ地ニ授ケ、祝福ヲ与エン。」


 ゴゴゴゴゴゴゴ・・・


 俺は土の精霊、木の精霊、火、水、氷、風、雷、その他諸々の精霊を生贄に捧げ、全長100㎞に及ぶ狂豪魔神ヴァルハーラを召還した。


 ーその頃ー


魔王「攻めよ! 攻めて聖軍の者共を皆殺しに…」


 ボシュ・・・


魔王「キ゛ャア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!」


 ヴァルハーラの口から放った破壊光線によって、魔軍はおろか魔軍領全ての地を消し飛ばし、この星上に大穴を開けてしまった。


?「・・・・・・」


 そばの物陰から、例の男の娘が俺のことを震えながら見ていた。


?「なんという化け物に成長してしまったんだ・・・途中から薄々気づいて悪ノリしてみたけど、本当にこんな事するとは思ってなかった! ひどすぎる!」



 俺は言った。


俺「己ガ運命ニ抗イシ者、我トトモニ世界ヲ変エシ者、トモニ戦オウゾ。」

王「?」


 こうして俺はこの国を支配し、1年でその他の小国もすべて支配した。2年目には世界征服も成し遂げ、3年目には全人類を乗せて宇宙航行する箱舟「ノア」を作り上げた。


 3月1日。


王「いよいよですな。皇帝陛下。」

魔王「すべて準備は整っております。皇帝陛下。」


 聖軍の王と、何故か生きていた魔王が俺に状況報告していた。


俺「下ガッテヨイ。」

王「はっ。」

魔王「はっ。」


 俺は二人を下がらせ、すでに宇宙に飛び立ったノアの甲板から、星々が光り輝く宇宙を見ながら言った。


俺「旅立ツノダ、ノア。遥カナル彼方ヘ、全人類ノ希望ヲソノ手ニ。」


 この時俺は知らなかった。下がらせたはずの魔王が今か今かと俺を暗殺するチャンスを伺っていた事に・・・


魔王「今だ・・・! やるなら今しかない!」


 その時だった。


俺「ム?」


 船の前方に何かが見えた。


俺「光・・・カ?」

魔王「?」


 魔王も手を止めた。なぜか前方にノアより遥かに大きい光の玉が見える。


俺「マ、マサカ・・・!」


 光の正体は、超特大級宇宙規模の巨大レーザーだったのだ!


俺「シールド展開!」


 バリイイイイイイイイイイイイイイイン!!!


 だが、超次元技術を応用した完全無欠のシールドを搭載したノアが、巨大レーザーには勝てず、一瞬で溶けてしまった。


魔王「うぎゃあああああああああああ!!!」

俺「ナ、ナゼダ・・・! ナゼナノダァ!! 

 ムグオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」


 キラーン!


 その超巨大レーザーはノアを宇宙のチリにして全人類を皆殺し、背後にあった地球をも破壊。さらに太陽にまで命中し、太陽爆発によって周囲の惑星まで消し飛ばしたとさ。



ーGAME OVERー



?「・・・・・・」


 男の娘が俺の顔面を見つめる。


俺「・・・・・・ワレ。」


 ゴン!


 男の娘が俺を殴る。


俺「汝」


 ゴン!


?「その喋り方、やめて下さい。気持ち悪い。」

俺「我ガ力遠キ及バズ・・・」


 ゴン!


?「やめろ、つってんだろうが。」

俺「我、輪廻転生ノ如シ、我ガ気ヲ風ト化シ、生ヲ運ビテ再ビ帰化セン・・・」


 ゴン!


?「ダメだこりゃ。アレを使うしかないですね。」


 ポワーン。




俺「・・・・・・」


 気づけば俺はここ、メモリアルルームにいた。


俺「あれ、いつの間に死んだのか・・・」

?「・・・・・・」

俺「どうした?」


 男の娘はムスッとしている。いつもの減らず口はどうした?


?「大体、7回位死んだ所かな?」

俺「ん? 何の話だ?」


 ゴン!


俺「痛ってぇ! なんだよ!」

?「黙って下さい! 今回は私が殴る番です!」


 10分後、男の娘は大体のことを説明した。


?「というわけです。」

俺「ひ、ひでぇな! 100年後の俺が世界征服して全人類引き連れて宇宙に飛び立つだなんて、一体誰が考えたんだ!?」

?「お前だよ!! ぶっちゃけ今も頭の中にそういう計画を立ててるんじゃないの?」

俺「エスパーかお前は!」

?「うっさいわ!」


 俺は一息つく。


俺「何でそんな事わかるんだよ?」

?「消したんですよ、記憶を。」

俺「え?」

?「あのですね、あまりにも目標から離れてしまった場合や、トラウマを抱えてしまうような事があれば、私が余分な記憶を消すことにしてます。」

俺「そんな事が出来るのか!」

?「当てにしないでくださいね。一応最終手段なんですから。」


 だけど・・・


俺「なあ、お前。」

?「はい?」

俺「何でそんな事までして、俺を助ける?」

?「・・・・・・」


 男の子は言った。


?「今は余計な事考えないほうがいいですよ。」

俺「なんだよ、何かお前にとって得する事でもあるのか?」

?「そ・・・・・・れも考えないほうがいいです。」


 今の間は何なんだよ!?


?「とにかく、あきらめるのはまだ早いです。」

俺「100年間も失敗してたんだろーが。」

?「いいからさっさと1分前に行ってこい!」

俺「えええええええええっ!?」



 ポンッ。



俺「・・・・・・」


 なんか知らんが、1分前に戻された。


 1分前といっても、俺が最初に死んだ時から1分前だ。俺は元の魔法学校の卒業式を終えて、彼女と一緒に歩いていた所だ。


○○「どうしたの? 飛電君。」

俺「え? ああ。」


 何だろう、どこか懐かしい。100年、いや90年位会ってなかった気がする。久しぶりに彼女の顔を見たぞ。

 ・・・何といっても落ち着く顔だ。何しろ、最初に一目惚れした顔だからな。


俺「なあ、もし俺がもうすぐ死ぬ。って言ったら、どうする?」

○○「え?」


 俺は彼女に聞いてみた。


○○「死ぬって・・・どういうこと?」

俺「え?」

○○「何かあったの?」


 あったよ? これでリスタート8回目なんだよ。


俺「いや、冗談冗談。久しぶりにお前にあった気がしてさ。死んでもいいかなって、思ってよ。」

○○「・・・・・・」

俺「卒業式なんだよな、今日。」


 俺は学校を見渡した。


俺「これからだよな、俺たちの人生って。」

○○「・・・・・・」


 その時、声が聞こえる。


誰か「おーい! ○○ちゃーん!」

俺「おっと、誰か呼んでるぞ。」

○○「・・・・・・」


 だけど、彼女は振り向かなかった。


○○「ねえ。」

俺「ん?」

○○「私達、幸せだよね。こうして卒業式を迎えるってことが。」

俺「!」


 彼女は笑顔を見せる。


○○「もしさ、神川君が死んだらさ、幽霊になってさ、私のことを守りに来てよ。」

俺「なんじゃそりゃ。」

○○「ふふ、冗談。」


誰か「おーい!! ○○ちゃんってば!」


 女友達の声も大きくなる。


○○「神川君。もしよかったら・・・」

俺「?」

○○「食べて・・・みない? 私の手料理・・・」


 ガシッ。


誰か「ほら!! ○○ちゃん、早くこっち!!!」

○○「きゃあ! な、な、な、何!?」


 女友達が強引に彼女の体を掴んで引っ張り始めた。


○○「痛い!痛い! 離して!! オェ・・・」

俺「おい! 首締まってるぞ!」


 この時、俺は知らなかった。最後に生き返ってから既に3分ほど経過していたのである。


俺「ちょっと待った、いいからおちけつ・・・」

誰か「いいから離れろ、つってんだろうが!!!」

○○「きゃあ!」


 突然、女友達がスカートを履いている筈の彼女の体を何の抵抗もなく持ち上げた。


 ピカッ!


俺「えっ!?」


 その瞬間、上空が光った。目が潰れんばかりの強い光。これは巨大レーザー・・・じゃなくて、閃光魔法?


 ドシュッ!


俺「うっ!」



ーGAME OVERー



?「・・・・・・」

俺「・・・・・・」


 俺は男の娘をみる。 


俺「なあ、お前。」

?「何か掴めました?」


 お前見てなかったのかよ! 


 ・・・いや、からかってるだけか。


俺「俺、今回は掴めた気がするぜ。」

?「・・・何を掴みました?」

俺「・・・・・・」


 俺は言った。


俺「視界、あるいは距離だ。」

?「?」


 男の娘は首をかしげる。


?「どうしてそう思ったんです?」

俺「これまでの7回から8回までの死因のうち、共通していることが二つある。一つは、俺が○○からある程度離れた時。この場合俺は真っ先に死んだ。もう一つは○○が友達に呼ばれて振り向いた時だ。この場合は少し長引いて死んでいる。」

?「・・・・・・」

俺「だから俺は、○○との距離と視界が重要なポイントだと考えた。」


 男の娘が聞き返した。


?「おかしくないですか? 5回目の時、貴方は唐突に「好きだ」って言った瞬間死んだじゃないですか。離れても目を背けてもいませんよ?」

俺「ああ、だけど8回目も似たようなことをした。向こうからの告白みたいなもんだったけど死ななかった。今になって思えば、何故さっきは死んだのかは想像がつく。」

?「・・・・・・」

俺「あの瞬間、卒倒したんじゃないか?」


 男の娘は黙って聞く。


俺「あの時俺はやけくそに言った。だけど言われた側からしてみればびっくりするさ。卒倒までいかなくとも、頭が真っ白にはなるさ。その瞬間俺は死んだ。」

?「・・・・・・」

俺「だけど、8回目はそうはならなかった。○○は誰からの呼びかけにも応じず、ずっと俺と話していた。だからあの女が痺れを切らしたのさ。」


 俺は言った。


俺「あの女友達だ。奴が全てのキーパーソンだ! あの女は俺が彼女の視界から離れないから、強引に彼女を掴んで突き放した。そして閃光魔法で全ての視界を奪って俺を殺す! どうだ?」

?「・・・・・・」


 男の娘は表情を変えずに聞いていた。


?「8回目の時は、運がよかったのかもしれませんね。」


 もう知っているかと思うが、この俺の推理は思いっきり間違えている。エリート高校入学ルート2回目の時、俺は敵国の暗殺者に真正面から襲われて死んでいる。視界もクソもあったもんじゃない。もちろんそんな事は誰かが記憶を消してしまったせいで俺は覚えていない。


?「つまり貴方が死んだのは、あの女友達が仕組んだ計画殺人?」

俺「そういうことだ。」

?「・・・・・・・・・・・・」


 なんだその残念賞的な反応は。


?「じゃあ、次はどうします? 彼女を止めてみます?」

俺「当たり前だ!」

?「了解です。時間はどうしますか?」

俺「1分前で・・・」


 ここで俺はふと考えなおす。8回目の死ぬ直前、あの女友達は彼女を無理矢理引き込んで距離をとり、閃光魔法を浴びせて俺を殺した。だけど、あの女友達は彼女の体を締め上げていたから、魔法を使える状況ではなかった。

 あの閃光魔法は誰が撃った? 


俺「いや、やめる。」

?「どうしてです?」

俺「どうも俺の計画殺人に協力者がいる。そいつを先にとっちめねーとダメだ。1か月だ。1か月前で頼む。」

?「えぇ? 本当に1か月前でいいんですか?」

俺「十分だろ? 何か問題でもあるのか?」


 男の娘は不満そうな顔で言う。


?「そもそも、貴方の計画殺人を防ぐっていう目的があるんですから、今回は余裕をもって確実に遂行するべきだと思います。」

俺「必要か? あの女友達は同じ学校の生徒だぜ。どこにも逃げられねーよ。」

?「3年前でもいいじゃないですか。もしそこで女友達を止められたとしたら、残りの期間はフリーになりますが。」

俺「だから俺はあの3年間で十分満足してんだ! これ以上無駄なことして・・・」

?「女の子・・・。」


 男の娘がボソッと言った。


俺「え?」

?「女の子と・・・ウハウハですよ?」


 ここで一番俺の胸に響く言葉を聞いた。


?「いやですね、今では立派な彼女がいらっしゃるみたいですが? 本当にその人が本命の人だったんですか? 本当はもっと可愛い娘とか、気になるあの娘とか、今なら手にしたい放題ですよ?」

俺「・・・・・・そ」


 ゲホ、ゲホ、ゲホ、ゲホ、ウゥーーーーーーーェエッホエッホエッホエッホエッホ。


俺「そそそそそそんな事ある訳ないじゃないか。俺はアイツ一筋だだだし。」

?「いる! その顔は絶対いる!」

俺「い、い、い、い、い、いいんない、いないいない、絶対いない!」

?「いやあ、絶対3年前のほうが得しますね~。」


 男の娘は俺の両肩を掴んだ。


?「よし、では貴方を3年前によみがえらせますね。」

俺「お~い・・・」

?「だけど、迂闊に手出しすると痛い目見るかもしれませんね。では、いってらっしゃ~い。」


 ポンッ!


 こうして、俺の盛大な生き地獄が始まったのである。



                        ~つづく~

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