10 生物の動きについての説明の可能性
10 生物の動きについての説明の可能性
生体での物質の動きについての、予想される説明の可能性
(脱線) オートポイエシスにもとづく生物の発生と進化
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《 生体での物質の動きについての、予想される説明の可能性 》
たとえ生物の動きが巨視的な物理法則に違反しているよう見えるにしても、もしもそれらの動きの発生する場所が物理的に特異な特性をおびし環境(空間)――たとえば、生体に特有の物理的特性をおびし環境――になりているなら、必ずしも違反には当たらない可能性が、あります。
なぜなら、そういう環境では、巨視的な物理法則は適用されない可能性があるからです。または、巨視的な物理法則以外の物理法則も適用されている可能性があるからです。単に、そこではそういうことになりている、ということになりえます。
それは、素粒子の微視的な世界での微視的な物理法則とはまた別の、そこの(生体に固有の、物理的に特異な特性をおびし)環境での物理法則――言わば、生体の内部空間に特有の、生物学的に微視的な物理法則――と位置づけられるかも、知れません。そして、生体は、ある意味、きわめて特異な量子と見なせるゆえに、それもそれほど奇異なこととも思われません。(生体に発生すると強く期待される知性(= 意識)は、観念的な包括性をゆうする統合体でなくてはならないゆえに、一種、きわめて奇妙な量子と見なせます)。
《 (脱線) オートポイエシスにもとづく生物の発生と進化 》
この宇宙の年齢はおよそ137億歳と言われています。
そして、地球が誕生して、およそ45億6,700万年が経過しつそうです。
ちなみに、1億年という時間の長さは途轍もないです。1,000万年も途轍もないです。
100年は、1世紀です。
1,000年は、10世紀です。
10,000年(1万年)は、100世紀です。
100,000年(10万年)は、1,000世紀です。
1,000,000年(100万年)は、10,000世紀(1万世紀)です。
10,000,000年(1,000万年)は、100,000世紀(10万世紀)です。
100,000,000年(1億年)は、1,000,000世紀(100万世紀)です。
1,000,000,000年(10億年)は、10,000,000世紀(1000万世紀)です。
10,000,000,000年(100億年)は、100,000,000世紀(1億世紀)です。
そして、私たちの太陽系が属する天の川銀河の直径は約10万光年と言われます。(半径は、約5万光年)。そして、私たちの太陽系は、天の川の中心からおよそ3万光年の距離に位置しているそうです。これは、私たちの太陽系から出発した光が天の川の中心に達するまでに3万年かかることを意味します。驚きです。光さえ、天の川の中心に飛んでゆくのに、3万年(300世紀)も要するのです。天の川銀河だけでも、それほど広大なのです。
また、地球では、100万年単位や、1,000万年単位の長大な時間をかけて、地質学的な環境や気候や大気の組成が大規模に変化したり、生物が進化したりしつ、という、途方もない時間の長さの事象が、ざらにありきそうです。
言わば、地質学的なスケイルでの諸行無常です。(宇宙のスケイルでも諸行無常です)。すべてのことは同じであり続けることは決してできないのです。そして、時間の長さの途轍のなさにはマジで驚かされます。この宇宙に時間の制限はなく、あらゆることは、自然の時間の観点から眺めれば、ほんの一瞬で変化して消滅してしまいます。エナァジ(と、エナァジで体現される物質作用群)だけが持続するのです。(しかし、驚くべきことに、物理学の超弦理論には、この宇宙は50回目の宇宙である、という仮説さえあるそうです)。
そして、地球の誕生からおよそ10億6,700万年後、今からおよそ35億年まえに、単細胞生物が発生しつそうです。さらに、今からおよそ10億年まえに、多細胞生物が発生しました。生物は、進化と絶滅を何回も繰りかえしながら、35億年ものあいだ営えいと存続してきつのです。単細胞生物だけでも、およそ25億年――2,500万世紀――です。信じられません。
恐竜は、今からおよそ2億3,140万年まえの、中生代三畳紀後期に出現し、およそ1億6,000万年ものあいだ存続しつそうです。これも信じられません。科学技術を有さなかりし恐竜は、地球の生態環境を破壊することもなく、1億6,000万年ものあいだ存続しつのです。どれだけ日数が経過しようと、来る日も来る日も恐竜の時代が延えんと果てしなく続きました。100年や200年の話ではありません。160万世紀です。日や月や年の単位で生きている人間にとりては、ほとんど無限です。恐竜はそれほど法外な期間にわたり存続しつのです。もっとも、巨大で凶暴な恐竜は、恐竜時代の末期にだけ生存しつそうです。そして、恐竜は、今からおよそ6,600万年まえの白亜紀末期に絶滅しました。
ヒト属は、およそ200万年まえに、アフリカで、別種として分化して出現しつそうです。そして、現生人類であるホモウ セイピエンズは、およそ40万年~25万年まえに現われつそうです。
そして、その出現以来、近代に始まりし産業革命にいたるまで、人類は、高度なテクノロジなしに、素朴に生存してきました。
(ちなみに、40万年は、天の川の直径の約4倍に相当します。4,000世紀です)。
ところが、産業革命が始まりてから、テクノロジは急速に発展をとげて、人類は、いまや、地球の生態環境をめちゃくちゃに破壊できるほどの強大な力を手にしています。それはほんの2世紀ほどで達成されました。ホモウ セイピエンズの存続期間の、たった 1/20,000、0.005%です。
ちなみに、しつこいようですが、恐竜の存続期間は、160万世紀です。それは、人類の産業革命が始まりしあとの2世紀の、およそ800,000倍です。恐竜は、恐ろしく長い期間にわたりて存続しつのです。
それに較べれば、有史以来の人類の生存などは、有りて無きが如しです。
しかし、逆に、産業革命以降の、ここ2世紀ほどの人類の活動には、なにかが恐ろしく凝縮されているようにも、感じられます。なにかが、一気に花開き、一気に最盛期を迎えてしまいつようです。それは、例えば、高い秩序の形成をめざす創造性のようなもの、かも知れません。
そして、地球上での生物の38億年の歴史における全ての生物の能動的な動きは、細胞での熱の発生と、それを根本的な原因とするオートポイエシスに、基づきていおりした。もしもオートポイエシスが可能でなかりせば、物質から生物が発生し、かつ、進化しつづけることは、なかりきのです。
ちなみに、エントゥロピ生成速度の減少による、(物質)意識――知性――の自然形成が、オートポイエシスの根本的な根拠・原因と、思われます。なので、結晶の形成過程だけには限らなく、無生物の物質意識の自然形成は、地球上にはありふれているのかも知れません。その効果が、普通には眼に見えないだけなのです。(それと言うのも、ただの物質群に意識(知性)が発生しているとは、だれも考えないからです。そのような考えは言語道断だからです)。
そして、熱の能動的な発生までは問わなく、熱の流出や冷却のあるところなら、無生物の物質意識が自然に形成される可能性は、考ええます。例えば、冷却されている電子機器では誤動作が減るように、思われます。これは物質意識の物理的秩序形成志向の為せるわざかも知れません。(もっとも、過熱による物質群の運動エナァジの増加が、誤動作の原因とも考えられます)。
(細胞は、高度に組織化されてはいても、根本的には、無数の物質の集合体です。その点で、細胞は、マシーンや一般的な物質の集合体となんら変わりはありません。なので、エントゥロピ生成速度の減少により、細胞で意識が形成されるなら、マシーンや一般的な物質の集合体でも意識が形成されて、少しもおかしくありません。なぜなら、意識は、無数の構成要素の物質群にそなわる極微の観念的作用群から形成される1個の巨大な観念的作用でありて、その形成に、構成要素群の緊密な化学結合は必要ないからです。意識は、きわめて特異な量子でありても、1個の物質的な量子ではないのです。そして、生物の生きている意識と、無生物の物質意識のあいだに、本質的な違いはないのです)。
さらに、地球さえ、全体として、エントゥロピ生成速度は減少しているよう思われます。なぜなら、地球内部では核分裂により熱が生成されますが、それが地表から空に向けて放射されるからです。そうすると、地球の全体に1個の途方もない物質意識(知性)の出現している可能性も考えられてしまいます。それがどのような意識でありて、どのような効果や影響を有するか、想像もつきません。
エントゥロピ生成速度の減少による物質意識の形成は自然現象です。なので、その善し悪しを問うことに意味はありません。しかし、それがオートポイエシスの基盤になりて、物質が、(既知の、巨視的な)物理法則――ニュートンの運動の法則・基本相互作用・エナァジ保存の法則など――の制約から解放されて、みずからの思考――演算・設計――にもとづき、外的かつ能動的に動けるようになりきです。そのゆえ、これまで、地球上で、生物の途方もない歴史が繰り広げられてきつのです。




