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大東亜連邦の成立  作者: あまもえもも
第一章(二・二六事件~治安維持法廃止)
3/5

第三話 残響の処理

本作は架空の歴史改変を扱うフィクションです。

史実の人物・組織名が登場しますが、描写・行動・関係性は物語上の再構成・仮想設定です。

政治・治安・軍事に関する専門用語や制度は、

読者向けの読みやすさを優先して簡略化・再解釈しています。

 一九三六年三月十三日。

 東京駅。


 季節はもう雪を引きずっていない。

 人の流れが、駅という巨大な器を満たしていた。


 制服の警官が、通路の端を固めている。

 訓練された硬さの中に、どこか疲労が残っている。


 岡田首相はホームへ向かって歩いていた。

 周囲の動線は整えられていた。

 整えられているということは、そこに“穴”ができるということでもある。


 霧雨特務課長は、少し離れた位置にいた。

 警視庁と中央情報局の連絡線が、今日はここに集約されている。

 官邸でも議会でもない。

 “生活の顔をした戦場”。


(駅は嫌いだ)

 魔理沙は心の中でだけ呟いた。

(人が多すぎて、敵が薄まる)


 その瞬間、

 音が先に来た。


 乾いた銃声。

 一発ではなかった。


 群衆の声が遅れて割れる。

 誰かの荷物が床に落ち、ガラスが鳴った。


 岡田首相の身体が、わずかに傾く。


 魔理沙は走った。

 走るより早く、現場の結論が脳内で形成される。


 ――撃ったのは外からじゃない。


 制服の位置。

 射角。

 距離。


 守る側の銃が、首相を撃った。


 そこから先は、

 “事件”ではなく“処理”だった。


 魔理沙が怒鳴る。

 誰かが担架を呼ぶ。

 誰かが線を切る。

 誰かが線を繋ぎ直す。


 東京駅の天井は高く、

 銃声はそこに一度吸われてから、ゆっくりと落ちてきた。


 博麗補佐官の耳に、第一報が届いたのは数分後だった。

 霞ヶ関の執務机。

 紙の上の法案。

 机の上の電話。


 受話器の向こうの声は、必要な情報だけを吐いた。


 岡田啓介、東京駅で襲撃。

 犯人は特高警察官。

 動機不明。

 軍部が議会へ圧力。


 霊夢は、受話器を置いた。


 窓の外は晴れていた。

 雪はない。

 だからこそ、隠せないものがある。


「……雪解けの空白、か」


 誰に向けた言葉でもなく、

 それは自分の手順の確認だった。


 “暴力で政治を変えない”

 その原則を掲げた翌週に、

 政治は、暴力の汚れを新しく上塗りされた。


 霊夢は、白紙をもう一枚引き寄せる。


 題名を書く。


 『治安維持機構の一元化に関する特別法案(草)』


 鉛筆の音は、さっきより少し強かった。


 雪解けは、春の合図じゃない。

 戦場の地面が見え始める合図だ。




 * * *




 一九三六年三月十四日。

 東京市麹町区霞ヶ関一丁目。


 中央情報局の地下指揮室は、前夜とは別の忙しさに満ちていた。

 ベルの音は少ない。

 その代わり、書類の束が増えている。


 『岡田首相襲撃事件・初動報告』

 『警視庁内部連絡網の再点検』

 『軍部の反応推定』

 『帝国議会発言メモ(臨時代理向け)』


 紙の背表紙が増えるほど、血の匂いは薄くなる。

 昔からこの国は、そういうやり方が得意だった。


 霊夢は、報告書の一番上に赤鉛筆で線を引いた。


 ――犯人は、特高警察。

 ――現場は、東京駅。

 ――動機不明。

 ――軍部、議会へ圧力。


(動機不明、というのは便利な言葉だ)


 その一語で、“今はまだ語らない”が許される。


 机の端の電話が鳴った。


「博麗です」


『町田です』


 首相臨時代理、町田忠治。

 低い声だが、疲労が乾ききっていない。


『議会が騒いでいる。

 いや、議会より軍だ。

 “軍を排除するいかなる試みにも武力で対抗する”という文言が、

 すでに机の上に出回っている』


「想定内です」


『想定内で済ませられる状況かね』


 町田の声が少し硬くなる。


「済ませられません。

 だから順番を整理します」


 霊夢は、紙を一枚引き出した。

 新しい白紙だ。


「第一に、警視庁の全指揮系統を今夜中に再固定します。

 第二に、憲兵と特高の連絡線を“中央情報局の窓口”へ寄せます。

 第三に、総理臨時代理の声明文を、

 “警察の自浄”と“軍への牽制”に二層構造で用意します」


『二層構造?』


「国内向けは誠実に。

 軍向けは解釈の余地を残したまま強く。」


 町田が短く鼻で笑った。


『君らしい。

 宮中には私から連絡する。

 陛下のご意思が再び必要になるかもしれん』


「必要になるなら、その時は“効く場所”をこちらで用意します。」


 通話が切れた。


 霊夢は、時計を見た。

 午後四時。


 “事件”は数分で終わる。

 “処理”は数年かかる。


 霊夢は紙を引き寄せ、表題を書いた。


 『警視庁再編及び非常時統合運用規程(草)』


 文字が乾く前に、

 この国は次の火種へ進む。




 * * *




 同日


 内務省旧館・小会議室。


 部屋の空気は乾燥していた。

 雨が降る前の大気に似ている。

 湿り気のない焦りが、いちばん燃えやすい。


 テーブルの片側に、

 内務官僚、法制局、警視庁、そして中央情報局の代表が並ぶ。


 反対側には陸軍省法務局の将校が一人。

 肩章の光沢が、余計に目立つ席だ。


 議題は東京駅襲撃事件の処理。


 内務次官が口を開いた。


「特攻警察が総理を撃った。

 この一点だけで、

 治安機構の信用は“軍の都合のいい物語”に吸われかねん。

 今夜中に処分の方向性を示す必要がある」


 警視総監が沈痛に続ける。


「犯人は特高警察所属。

 組織としての責任は免れない」


 陸軍将校が静かに言う。


「軍内では、

 警察が軍を狙っているという疑念が広がりつつある」


 霊夢は、資料を揃える。


「疑念は消せません。

 消そうとすれば、

 その努力が“裏付け”に見える」


 内務次官が眉を寄せた。


「では、どうする」


「警察の自浄を演出しません」


 室内が一瞬だけ止まる。


「必要なのは演出ではなく、

 国の枠組の再固定です。

 軍にも警察にも刃が届く文脈で、

 “派閥抗争による暴力は陛下の望むところにあらず”

 という線を先に打つ」


 陸軍将校の目が細くなる。


「つまり、大命を使うと」


「使うのではありません。

 必要な形に“着地させる”だけです」


 霊夢は淡々と続ける。


「処分は個人に。

 監督責任は制度に。

 そして政治の正統性は、

 大命で“軍と警察の上”に置く」


 内務次官が短く息を吐いた。


「“事件を止める”のではなく

 “物語を潰す”、か。」


「はい。

 正義の回復者にも、殉教の組織にもさせません。」


 警視総監が呟いた。

「そこで、”警視庁再編及び非常時統合運用”だな」

「中央情報局の権限整理も、その枠に入れるということか」


「入れます」


「ただし、制度の自制も合わせて追加します。」

 霊夢は紙を一枚追加した。


「公の組織であるならば、

 情報機関は拡張より先に監視の形を持つべきです。

 権限が大きいほど、監督の制度導入は前提条件。

 監察官を置きます。

 予算は内務と議会の二重鍵。

 そして人員は“固定しない”」


「固定しない?」


「長く居座る部署ほど、

 情報は忠誠ではなく財産になります。

 だから定期の入れ替えと、

 非常時権限の期限条項を入れます。」


 霊夢は淡々と呟く。


「私は必ずしも情報が権力になるとは思いません。

 情報が権力になるのは、

 管理の仕組みがないときだけです。」



 陸軍の将校が、冷たく笑った。


「理屈は立派だ。

 だが軍の不満は理屈で溶けん」


「溶ける必要はありません」


 霊夢は、すぐ返した。


「不満は存在していい。

 ただし、銃がそれを代弁しない仕組みにだけしておけばいい。」


 空気が、少しだけ硬くなる。


 内務次官が咳払いをして話題を戻した。




 * * *




 同日

 魔理沙は、警視庁の廊下で、

 普段より遅い足音を聞いていた。


 組織が揺れると、

 人間は歩き方を忘れる。


 事件の翌日から、

 庁内の空気は二種類に割れていた。

 怒りと、怯え。

 そしてその間に、

 言葉にできない温度が沈む。


 魔理沙は、

 仮設の聴取室に入った。


 机の向こうに、

 若い巡査部長が座っている。

 目の下に、徹夜の影。


「君に聞く。

 犯人の様子に前兆はあったか」


「……分かりません」


「……そうか。」


 魔理沙は声を荒げない。

 荒げると、

 この組織が守るべきものまで壊れる。


「彼は“何に忠誠を誓っていた”」


 巡査部長は答えられなかった。

 答えられない沈黙が、

 いちばん怖い種類の情報だった。


 魔理沙は椅子を引き、

 紙に短くメモを取る。


 ――動機不明、ではない。

 ――動機が複数あり、整理されていない。


 満州の匪賊も、

 上海の路地も、

 理由のない暴力はなかった。


 理由が多すぎる暴力があるだけだ。


 整理されない動機は、

 いつか“正義”の形で整列する。




 * * *




 同日

 陛下の声明の草案が、

 官邸に運び込まれた。

 

 暴力を強く非難し、

 議会政治の正統を再確認する文言。

 “派閥抗争による暴力”という言い回しが、

 軍にも警察にも刃が届くよう、

 慎重に研がれている。


 町田臨時代理は

 草案の骨子を受け取った上で、

 推敲の席を内務と中央情報局に委ねていた


 霊夢は、

 文章の語尾を一つだけ直した。


 威圧を、

 威圧として読ませるための小さな修正だ。


 内務次官が呟く。


「この言葉で、軍は黙るだろうか」


「黙らないでしょう」


 霊夢は、

 否定ではなく確認の口調で言った。


「でも“黙らない形”が露出します。

 それで十分です」


 魔理沙が、

 窓の外を見ながら言う。


「患部が露出したなら、次は止血だ」


「止血の前に、

 出血箇所を間違えないこと」


 霊夢は、

 机から一枚の紙を差し出した。


 警視庁拡張計画の進捗。

 幹部の入れ替え。

 非常時の統合運用規程。


 “警察が増える”という話ではない。

 “警察が変わる”という話だ。


 魔理沙は言った。


「軍はこれを“挑発”と呼ぶ」


「呼ばせてください。

 呼べば、論点が固定されます」

 

 固定された論点は、

 後に崩せる。

 固定されなければ、無限に正義の理由が生まれる。




 * * *




 一九三六年三月十五日。

 中央情報局・対外連絡室。


 地図の上では、

 太平洋は静かな青だった。

 だが静かな海でも、

 火がつくと広い。


 霊夢は、

 机の上の短い電文を読んでいた。


 “東京駅事件は内政の亀裂であり、

 対外戦争の前兆ではない”


 それは説明というより、

 相手に渡す安心の設計図だった。


 連絡担当官が言う。


「在日ルートの反応は悪くありません。

 米側は“海軍穏健派が残っているか”を見ています」


「見せるのは艦ではない」


 霊夢は即答した。


「意思決定の作法です。

 議会で決まり、

 内閣が責任を持ち、

 軍が従う。

 その順序が残っていることを示す」


 魔理沙が壁際で腕を組む。


「向こうは信用するのか」


「信用ではなく計算です」


 霊夢は淡々と言った。


「米国にとって、

 日本が内戦に向かうなら

 危険なのは“暴走した軍”ではなく

 “統制不能な国家”です」


 連絡担当官が頷き、

 別の紙を差し出す。


「現地協力者の提案です。

 情報の速度を保つために、

 数名の連絡員を置きたいと」


「置いてください」


 霊夢は迷わない。


「ただし“英雄の名刺”は作らない。

 必要なのは

 関係の継続であって、

 物語の主人公ではない。」




 * * *



 同日

 官邸会議室

 魔理沙は、

 補佐官の机の隅に置かれた地図を見た。


 関東一円。

 そこに赤鉛筆で線が引かれている。

 線の外側に、

 これから塗り替えるべき点が散っていた。


 瀬戸内。

 中部。

 北九州。

 東北。

 北海道。

 四国。


 魔理沙は、

 地図から目を上げずに言う。


「西を取りにいかないのか」


「近畿は密度が高すぎます」


 霊夢は即答した。

 感情のない速度。


「組織も、財界も、

 “誰が誰の味方か”が過密に絡んでいる。

 先に手を入れれば、

 こちらの配線が先に匂う」


「財界が割れている、と」


「ええ。

 味方にしたい人間が多い場所ほど、

 味方にできない人間も多い」


 魔理沙は、

 その冷たさに違和感を覚えない。

 現場にも同じ種類の冷たさがある。


「じゃあ、地図通りか」


「地図通りです。

 “取れる場所を、取れる形で”」


 魔理沙は頷いた。


 合理は、

 現場と机の上で

 同じ顔をしていることがある。




 * * *




 同日夜。


 官邸の廊下を二人は歩いていた。

 魔理沙は小声で呟く。


「警察が増えれば、

 軍は“治安の軍事化”を叫ぶ。

 警察が減れば、

 軍は“国家の空白”を叫ぶ」


「だから増やします」


 霊夢は立ち止まらない。


「正確には、

 “作法が統一された警察”を増やします。」


「作法?」

 

「指揮系統も、報告も、統計もです。

 制服の正義が暴走しないように」


 魔理沙は笑わなかった。

 笑う話じゃない。


「紙の戦争だな。」


「紙の段階で止めないと、

 銃の段階で血が出ます」


 その言い方は、

 魔理沙の現場観と

 不思議なところで一致していた。


 ――敵は銃ではない。

 銃を正義に見せる手順だ。




 * * *





 一九三六年三月十九日。

 宮中。


 言葉が国家に戻ってくる日は、

 いつも静かだ。

 銃声のように聞こえるのは、

 読む側の心の方だった。


 大命の内容は簡潔だった。

 派閥抗争によって引き起こされる暴力を強く非難。

 議会政治と内閣責任の正統の再確認。

 そして、

 町田忠治を首相とする組閣要請。


 霊夢は

 草案を“自分の文章”として読まない。

 これは自分の勝利ではなく、

 この国がまだ制度で立てるという証明だ。


 内務次官が低く言った。


「軍はこれをどう受け取る」


「将官と中堅と現場で反応は割れます。」

「立場、出世、明日の命令。各々思惑がありますから。」

「しかし、これは受け取らせるための言葉ではありません」


 霊夢は答える。


「受け取れない側を可視化する言葉です。

 この大命に刃向かうなら、

 それは“国家の安全論”ではなく

 “国家の正統への反乱”に変わる」


 魔理沙が

 窓の外の明るさを見て言う。


「言葉で銃を止める気か」


 霊夢は淡々と答える。


「撃った瞬間に負ける形にする。

 撃つ側の物語を

 先に枯らしておくだけです」




 * * *





 軍の反応は、

 沈黙のあとに来た。

 沈黙は迷いではなく、

 計算の時間だった。


 昭和十一年三月二十七日。

 陸軍省と海軍省の名で、共同の声明が出された。

 文面は冷静だったが、内容は露骨だった。


 ――政府が軍の政治的影響に終止符を打つというなら、

 ――我々は政府が攻撃を受けても防衛しない。

 ――内閣と議会が軍を統制しようとする試みは、

 ――国家の安全を危険に晒す。


 国会で読まれた瞬間、

 これは“意見表明”ではなく“条件闘争”になった。

 軍は銃を抜かずに、治安と国防の椅子を揺らした。


 その日の夕方には、

 東京だけでなく各地の司令部・駐屯地に同趣旨が伝播した。

 追随の仕方は一様ではない。

 積極的に同調声明を出したところもあれば、

 簡潔な通達だけで済ませたところもある。

 だがもっと雄弁だったのは、

 電話の応答が遅くなり、連絡が曖昧になり、

 “協力しない空気”が組織の底に沈んでいくことだった。


 国の暴力装置が、

 国の統治装置に対してストライキを宣言する。

 それは、国家が国家を脅す構図だ。


 魔理沙は、

 提出された声明の写しを眺めて言った。


「中央が火をつけた。

 地方は“空気”で燃える」


 霊夢は否定しない。


「これが“軍の政治”の本体です。

 命令より先に、正当化の言葉が走る」


「言葉で国防を止めるのか」


「止める、のではありません。

 止められる“可能性”を見せるだけで十分です」


 次官が低く呟いた。


「民衆が動揺する」


「動揺は避けられません」


 霊夢は、

 紙を一枚めくり、答えた。


「ただし、この脅しは形がはっきりしている。

 形がはっきりしているなら、対処ができます」


 軍の声明は、

 “軍が政治の上に立つべきだ”とは書かなかった。

 だが行間はそれを要求していた。


 政治の正統性を巡る争いは、

 大衆の熱より先に、

 組織の手順から始まる。


 ウェーバーが言うところの

 国家の“正当な暴力の独占”は、

 独占の名を守るためにこそ

 制度で縛られなければならない。


 霊夢は、

 声明の最も刺さる一行に鉛筆で印をつけた。


 ――政府が攻撃を受けても、これを防衛しない。


「これは軍の本音ではなく、軍の賭けです」


 魔理沙が訊く。


「賭け?」


「政府が恐怖で折れるか、

 国会が軍の椅子の下に潜るか。

 その賭けです」


 魔理沙は、

 紙から目を離さない。


「折れなければ?」


「軍は次の言葉を探します。

 言葉が尽きた時に、

 ようやく部隊が動く」


 この国は、

 銃声の前に必ず文章を鳴らす。

 その順序だけは、

 まだ崩れていなかった。




 * * *




 四月の足音が、

 まだ姿を見せないうちに、

 東京はすでに次の季節へ移動していた。


 人は、

 事件を忘れるために日常を使う。

 権力は、

 事件を忘れさせないために制度を使う。


 霊夢の机には、

 次の見出しが並んでいた。


 反軍連合の結成。

 超党派の協力の確保。

 皇室平和主義者の支持獲得。

 海軍穏健派への揺さぶり。

 将軍への賄賂。

 軍事資金転用。

 

 そして 治安維持法廃止。


 言葉は、

 戦争の前に配線される。


 魔理沙は窓の外を眺めながら呟く。


「まだ春じゃないな」


「いつか春は来ます」


 霊夢は即答する。


「ただし、

 雪解けは祝祭ではありません」


 晴れた空の下で、

 その言葉だけが

 少し冷たく残った。



本作は史実を参照しつつ、ゲーム的ルートと作者独自の仮説を組み合わせたフィクションです。

実在の人物・組織に関する描写は史実の評価を目的としたものではなく、

物語上のテーマ(文民統制・国家の手順・正統性の競合)を表現するための構成です。

史実の詳細や学説的な整理は複数の見解があるため、

興味を持たれた方は公的資料や研究書等もあわせて参照ください。

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