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本屋での邂逅

 添削会が終わったあとの土曜、今日はあいにくの雨だが俺は町の本屋まで来ていた。もちろん小説を書くための資料集めだ。

 小鳥遊にバトルよりコメディ小説を書け、と言われてしまったので参考になりそうな小説を探している。


  …てか俺たちって小説部とかいう名前なら、芥川とか漱石とか読むべきなのでは?

 ふと疑問に思う。これではライトノベル部とかの方がしっくりくるのではないかと。


「まあ、ウェブ投稿とかするならライトノベル読んでるのも普通か、純文学とか書くのも読むのも難しいしな」


 そんなことをブツブツ言いながらライトノベルコーナーへと向かう。傍から見たら完全にヤバいやつではある。

 ライトノベルコーナーへと足を運ぶとそこには見知った顔が居た。


 身長は俺より少し高い眼鏡をかけた青年、 そう、湊だ。


「よう、湊じゃん」


「うん? ああ、悠か奇遇だな」


「湊は普通に本を買いに来たのか?」


「悠と同じだ」


「俺と同じ?俺がなんで来たのか分かるのか?」


「執筆に参考になりそうな小説でも探しに来たんだろう?」

「おお凄いな、当たりだ」


「あれだけ添削会で言われてたからな、気持ちは分かる」


 分かってくれるのか… ボロクソに言われたあとだからか心に染みる。


「でも湊はそんなに酷評じゃなかったろ?なんでわざわざ来たんだ?」


 確か、湊のやつは好評だったはずだ。俺とは違って…


「僕の小説についてではなくてね、楠木の為に何冊か買っていってやろうと思って」


「そういえば楠木のやつ、ほとんど本とか読まないんだっけ?」


「僕の知る限り興味すらないはずなんだが… なぜ急に小説部に入るなんて言い出したんだろうか」


「まあ、なんか心機一転って感じなんじゃないか? 少なくとも俺はそうだし」


「悠は中学では何を?」


「俺はサッカーをずっとやってたんだけど、自分で限界だって考えちゃって辞めちまった」


「そうなのか、てっきり美術部にでもいたのかと思っていたよ」


「なんでだ?」


「だってあの表紙描いたの湊なんだろう? あれは僕から見てもかなりの上手さだった」


 小鳥遊にも絵は褒められたな、俺はそんなにしっくり来てないんだが…


 それでも褒めて貰えるのは素直に嬉しい。


「それでなんだが…」


 続けて湊が話そうとすると、後ろから「ぴぎゃあ!」とかいう奇妙な声が聞こえた。


 嫌な予感がする…


 そのまま声のした方へと振り返ると、そこには予想通りの人物がいた。


「…小鳥遊、なにやってるんだ?」


 恐らく滑って転んだのだろう、尻もちをついている小鳥遊がそこに居る。


「仕方ねえなぁ」


 転んだ小鳥遊を抱き起こす。


「よいしょっと」


 すると小鳥遊は停止したままプルプルと震えだした。


「? どうし…!?」


 声をかけようとすると、


「バ、バカ!」


 暴言と共に腹パンされた。


 …意味がわからん、転んでいたから起こしただけだというのに。


「いきなりなんだよ、起こしてやったのに」


「う、うるさい」


「それにバカバカいうけどな、俺はそんなにバカじゃないぞ」


「な、なら阿呆だ阿呆」


 こいつ、ほんとにふざけやがって…

 と、二人で威嚇しあっていると湊が言う。


「まあまあ、そこまでにして僕の話を聞いてくれないか」


 そういえば、俺になにか言おうとしていたっけ。小鳥遊との事ですっかり忘れてた。


「…小鳥遊がいてもいい話なのか?」


 湊の傍に行き小声で問いかける。


「ああ、一人より二人の方が助かる。意見は多い方が良いからな」


 意見?どんな相談なんだろう。


 すると小鳥遊が寄ってくる。


「に、新田さん、ど、どうしたんだ? は、話って?」


「うん、単刀直入に言うとだな、僕は楠のことが好きなわけだ。それで告白したいんだ」


 …まあ、そうだろうな。

 部室などでの絡み方を見れば大体予想できる。

 あれだけ言い合える相手ってのは少ないだろうし、湊も自分から絡みに行ったりしていたしな。


 だけど、俺たちにそれを言うってことはもしや…


「もしかしてだけど、俺たちに手伝って欲しいとかか?」


「そうだ、うちの高校は6月末に体育祭があるだろう」


うちの高校は何故か体育祭が6月にある。普通なら9月とか10月にやることだと思うのだが、理由は分からない。個人的には秋にやるより暑くないと思うので嬉しいのだが、新入生は2ヶ月ちょいでチームを組まないといけないため大変だろうなという気持ちもある。


「そこで告白しようと思っている、その手伝いを頼みたいんだ」


「正直、僕だけでは上手くやれる自信が無い。ぜひ協力してはくれないだろうか」


 …俺も恋愛経験なんてないから大したアドバイスなんてできそうにもないが。

 頼られた以上最前は尽くそう、そう考えながら隣を見る。


 …こいつ目輝かせすぎだろ。


 小鳥遊は小声で「お、おおお! れ、恋愛相談! は、初めてされた…」とか言ってる。


「小鳥遊、恋愛経験とかあるのか?」


「お、おい、お、女の子にそんなこと聞くのは、デ、デリカシーが無さすぎるぞ」


 ジロっと睨まれる。


「それはすまん、それで経験あるのか?」


「な、ない…あるわけないだろ…」


 うん、不安だ、後で夏樹に相談するとするか。


「なにはともあれ、二人の協力が得られるなら百人力だ。よろしく頼む」


 多分二人足しても一人分にすらなるか怪しいがやれるだけやろう。


「なら今度この三人で集まって作戦会議をしよう」

「題して、ドキドキ!恋のキューピット作戦とかどうだ?」


「ぶ、ぶふっ!ダ、ダサすぎる、セ、センス0だな」


「うるせーよ」


「兎にも角にも、よろしく頼む2人とも」


体育祭が5月とか6月にある高校って存在するんですかね?文化祭なら見たことあるんですが…

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