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小説部

 再会を果たした一幕の後…


 「えっと… 小鳥遊さんは小説部に入るのか?」


 自己紹介の後、疑問に思ったことを聞く。


 「は、はい そ、そのつもりです」

 「なら同じ部活になるわけだ、よろしく」


  友好の証に右手を出すが、小鳥遊は固まってその手を眺めている。


 「握手でもしない?」


  そう付け加えると小鳥遊は目を輝かせて手を握り返してくる。

  なんか変わった子だな。


 「どうして小説部に入ろうと思ったんだ?」

 「やっぱり小説読むのが好きだから?」

 「それともとりあえず入る部活探してるとか?」

 「好きな小説とかある?」


 そんな事を矢継ぎ早に話しかけるが応答がない。

 直立不動で口をパクパクされながらキョロキョロしている。

  なるほど、これは俺が悪い。ひとつずつ聞いていくか。


  そう、和田は曲がりなりにも運動部に所属していた上、友人関係も良好であった。そのため比較的コミュニケーション能力は高い。

  一方で小鳥遊の方はまともに人と会話することがなかったため、いきなり質問攻めに会いフリーズしてしまっていた。


  「ごめん 一気に聞きすぎた」

  「なんでこの部活に入ろうとしたの?」


  「え、えと、 わ、私 小説 す、好きで… 書きたくて」

 「あ、あと、同じ趣味の友達とか…欲しいなって思って…」


  これは随分と典型的なオタクだな。


 「なら友達にならない?これから同じ部活の仲間になるんだし」


  「と、ととと、友達!?な、なります! 是非なります!」


  そんなに喜ぶことか?なんて野暮なことは言わない。


 「じゃあ、これからよろしくね」

  「堅苦しい敬語もやめよう、もし良ければだけど」


 「は、はい 頑張ります!」


  別に頑張るような事でもない気が… まあいいや。


 「小説好きって言ってたよね、どんなの読むの?」


 なんて軽い雑談のつもりで聞いてみると、彼女は目を輝かせて語り始めた。


 「わ、わたし最近は恋愛小説ばっか読んでて!ついさっきもこの部屋にあった小説を読んでて!」

 「あっ!内容はエリートなんだけど社会生活に疲れてる主人公とーーー」


 …マシンガントークが始まってしまった。オタクに語らせると長くなるのだ。

  それを割と真剣に聞いていると、「ワーッハッハッハッハッ!」とかいうアニメでしか聞かない笑い方をしながら一人の女学生が部屋に入ってきた。

  続いて「失礼しまーす!」「失礼します」と男女2人が入ってくる。


 「どうもこんにちは お邪魔しています」

 

 最初に入ってきた女学生に挨拶する。

 とても小柄で黒髪、メガネを掛けている傍から見れば完璧な文学少女だ。

 だが、その見た目とは裏腹に派手なパーティ帽子を被って仮装眼鏡を付け、派手なタスキまでかけている。

  そしてタスキにはデカデカと『小説部 ぶちょー!』と書かれている。


 「ここで待ってるってことは、入部希望の子らだよねえ」

 「いやー、待たせて済まない。新入生を勧誘する為にちょいと部屋を留守にしていたのだ」


なるほど…勧誘に行っていたのか。


 「いやー、君たちが来てくれて本当に助かるよ」


  ん? たすかる?


 「何が助かるんですか?」


そう尋ねると自信満々に答える。


 「フッフッフッ、何を隠そう部員が私一人しかいないのだ!」

 「このままでは余裕で廃部だったからねえ!」


  なるほど…だからあんなバカみたいな格好してたのか。


 「てことは、後ろの2人も?」


 「そう! 私たちも入部希望なんだ~!私の名前は楠木(くすのき) 胡桃(くるみ)!1年B組だよ〜。好きな食べ物はオムライス!好きなことは歌を歌うこと!よろしくね〜!それでこっちはー」


ついでに紹介されそうになっているのを遮って話し始める。


 「僕は新田(にった) (みなと)、同じく1年B組だ。楠木とは小中と同じなのだが、まさかの高校まで同じになるとは…」


 「もー! 私がついでに紹介しようとしてたのに!どうして遮るかなあ!?」


 楠木が遮られたのに対しイチャモンをつけると、新田はやれやれといった感じで反論する。

 

 「わざわざ紹介しなくていい。お前は僕の母親かなんかか? 」


 「クラスでの自己紹介の時はあんなに緊張してたのに〜笑」


 「お前だって盛大に噛んでだろうが」


 「あー!そんなこといっちゃう!? ほんとにデリカシーないんだから〜」

 

どうやら二人は相当に仲が良いらしい。

片方がなにか言えば、必ず反論する。いわゆる夫婦漫才というものだろう。

そんなやり取りを眺めていると、部長がパンッ!と手を叩いて話し始める。

 

 「ラブラブするのもほどほどにねえ〜」


 「「ラブラブなんてしてません!」」


  あ、被った。


 「ならそこまでにしてもらって、私の方も自己紹介をさせてもらうよ。」

 「私の名前は三宅(みやけ) 陽向(ひなた)。学年は2年。唯一の小説部員であり部長でもある!趣味は人間観察と人の恋愛に勝手に首を突っ込むことだ!」


  なかなかにいい趣味をしてらっしゃる。


 「みんなこれからよろしくたのむよ!」 

  「して、そちらの二人は?」


 そういえば自己紹介がまだだったな。


「俺の名前は和田 悠。1年C組で趣味は小説を書くことと絵を描くこと、それに料理にもはまっている。どうぞよろしく。」

 

 そこまで言うと急に服の裾をつかまれる。

 そしていまにも消え入るような声で「わ、わわ私の名前は小鳥遊 藍です… よ、よろしく、お、お願いします…」なんて言っている。これではまともに聞こえない。 

 

  仕方がない、助け舟でも出すか。

 

 「それでこちらは小鳥遊 藍さんだ、よろしくって言ってる。彼女は小説が書きたいのと友達が欲しくて部活に来たらしいからぜひ仲良くしてやってくれ。」

 「これでいいか?」と小声で問いかけると、小鳥遊はコクコクと首を振った。

 

 「よおし、これで全員自己紹介が終わったな!これから部活が始まっていくわけだがみんなよろしく頼むよ!」

 

 そんなこんなで部活の顔合わせは終わり、皆が部室から出ていき俺と小鳥遊の二人きりになる。

 俺も帰ろうと荷物をまとめているとまたもや服の裾をつかまれる。

 

 「どうした?」

 

 振り返ると小鳥遊は掴んでいた手を放し、窓際に移動する。

 

 「あ、あの! き、今日はありがと… おかげでと、友達もできたし 自己紹介もできた」

 

 できてたか?という言葉は飲み込む。

 

 「だ、だから! こ、これからもよろしく!」

 

 窓から差し込む夕焼けに照らされたその表情は笑顔で。

 満面の笑みで語りかけてくる彼女はとても神秘的で可愛らしかった。

 

 「こちらこそ よろしくな」

 

 そんな彼女を直視できず、目をそらしながらありきたりなセリフを述べる。

 俺の顔も自然と笑顔になっているなんて気が付きもせずに…

 

 

今回からキャラが少し増えました。ここらで見た目の整理を。

悠は明るくてなんでもそこそこできるタイプ。身長170、茶髪。

藍はオタクで引っ込み思案、コミュ障。身長145、赤髪でアホ毛持ち、オッドアイです。

胡桃は活発でコミュ強、身長は160 見た目は金髪ツインテです。

湊は大人締めではありますが、しっかりと自分自身を持っている感じ。身長は173、見た目は眼鏡に黒髪で少しだけロン毛です。

陽向ははきはきとしゃべるタイプで少し頭がおかしい感じ。身長は142、見た目は黒髪のロング。

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