ドキドキ!恋のキューピット作戦!、作戦会議! その1
夏樹との作戦会議の作戦会議からしばらくして…
俺は以前部活動会議を行ったファミレスへと赴いていた。
理由はもちろん湊の恋を成就させるための作戦会議が行われる予定であるからだ。
あの日以来シュミレーションにシュミレーションを重ね、完璧なプランを組んできたわけだ。
今は店の前で待っている。 湊は俺よりも先に来ていて合流したのだが、小鳥遊のやつがまだ来ていない。
まあ、少しぐらい遅れたって許してやるか…なんて考えていると、ゼェゼェいいながら走ってきた。
「そんなに焦らんでもいいのに、まだ集合時間過ぎてないだろ?」
「はぁっ、はぁっ、だ、だって、ふ、ふたりが待ってるのが見えて…」
だからってそんなに全力で走らんでも…
「僕たちが早すぎただけだよ、気にしないで」
「さあ、入ろうか」
「そうだな、中で少し落ち着きな」
「う、うん、そ、そうする…」
こうして三人は店へと入店し、席へと案内された。
「早速だが、各々考えてきたプランの発表と行こうじゃないか」
そう、作戦会議ということで事前に告白プランを練ってくることになっていた。
俺はそのために夏樹に相談してアドバイスをもらったのだ。
「まずは俺から発表でいいか? 今回のプランは中々に自信があるんだ」
「わ、和田の自信があるには、な、なんの信頼性もないけどな」
「おい、何を言ってらっしゃる?」
「だ、だって、あ、あんな小説を自信満々に持ってくるし…」
それを言われるとぐうの音も出ない。
だが、今回のはひと味違う。
「今回は大丈夫だ、なぜなら百戦錬磨の恋愛マスターに相談に乗ってもらったからな!」
「恋愛マスター? まさか他の誰かに話したのか?」
おっと、説明せねば。
「恋愛マスターってのは俺の弟だよ、安心してくれ、そっから情報が漏れる心配はないよ」
「ならいい、それで肝心のプランを教えてくれないか?」
「いいぜ、俺の案を聴いて震えな」
それから俺は考えに考え抜いたプランを説明し始めた。
「まず大事なのはギャップを意識することだ。普段は見せないかっこいい姿に魅力を感じるもんだと教えていただいた」
「それを踏まえて俺の案だ。湊は今回の体育祭でバスケを選べ」
「バスケ? それはまたなんでだ?」
「それはだな、まずバスケには身長がかなり関係している。湊はクラスの中でも割と高めだからそこでアドバンテージがある」
「それに体育祭では運動部が自分の部活と同じ競技に出れる数に制限がある。だから複数人が出る競技なら素人が相手にいる場合が多い。その中なら十分輝ける。逆にテニスとかは経験者と当たるとまず勝てない」
「それにバスケはコートが比較的狭い、そうなるとボールが回ってきやすくなる。そこで決めれば格好もつくってもんだ」
そう、サッカーを勧めなかったのにはそれがある。
本当は教えられるサッカーが良かったのだが、どうしてもポジションによって地味な場合が生まれてしまう。それでは良いところは見せられないと判断した。
「そして点を決め試合に勝ったら叫ぶんだ!「楠木!愛してるぞー!」って」
「そしたら湊のギャップにやられた楠木はイチコロってもんよ」
「どうだ?最高のプランだろ?」
語り終わって二人を見る。
…小鳥遊のやつ、また微妙な顔しやがって
「…なんだよ、文句でもあるのか?」
「ギ、ギャップ萌えを狙うのは良い、で、でもなんで大声で愛を叫ぶんだ?そ、そんなの恥ずかしいだろ、ア、アニメじゃないんだし」
恥ずかしいだと?こいつは何も分かっていない。
「お前なあ、告白に恥もクソもあるか。自分の気持ちを一番ストレートに伝えるのが良いに決まってる」
「そ、それはそうだけど…」
「一つ質問いいか?」
「ん?どした?」
湊が問いかけてくる。
「僕はバスケというものが非常に苦手なんだ、というより球技全般苦手だ。それでも行けるのだろうか?」
「? まあ、ボールもらってゴールにシュートするだけだし、行けるだろ」
「お、おい、う、運動出来るやつの基準で話すな」
「いやいや待てよ小鳥遊、そりゃ経験者だらけの中ならきついかもだけど、大体周りも素人だしフリーで決めれること多いと思うぞ」
「…そもそも普通にシュートしても入らない場合でも?」
ん?今なんて言ったんだ? フリーでシュートが入らない?
「そんなことあるのか?」
「あ、当たり前だろ、ま、周りにいなかったのか?」
「俺の絡んでたヤツらはみんなポンポン決める奴らばっかだったから…」
「こ、これだから運動部出身は」
「…もしかして小鳥遊もだったりする?」
「と、当然入るわけない、パ、パスすら怪しい」
間違いなくドヤることではないぞ。
しかし、俺はもっと広い視野を持つべきだな、全部俺基準で話すことは本当に改めた方が良さそうだ。
「それはすまん、湊は球技全般ダメなのか…それならどんなスポーツなら得意なんだ?」
「強いてあげるなら水泳かな、小さい頃にスイミングスクール似通っていたおかげで少しは泳げる」
「水泳か…」
本校の体育祭には水泳という競技は存在しない。そうなると何がいいのか、と思考をめぐらせていると…
「つ、次は私の案を聞け」と小鳥遊は言うのであった。




