23 甘い甘い、苺ショートなみに甘いね、綾羅木氏
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「――てな感じで、昨夜、調べていたわけだ」
と、言ったのは綾羅木定祐だった。
綾羅木定祐と上市理可の二人は、碇賀元と賽賀忍に会い、調査した内容をかくかくしかじかと、ひととおり伝えていた。
餅月たちからの話によって、一連の“混沌事件”に、裏社会の関与がなさそうなこと。
それから、妖具を用いて、ガイシャAの記憶を覗き見たことを。
「へぇ……」
気の抜けたような相槌をする碇賀元の横で、
「まさか、記憶を見れる妖具なんてね……」
と、賽賀忍が、感心した様子で言いつつ、
「まあ、“脳と直接情報をやりとりする技術”なんてのは、すでに研究されているみたいだしな。お前たちも、VR室なんてもんが作れるくらいだから、できるんじゃないのか?」
「そうねぇ……? もしかすると、もう、すでに作ろうとしているのかも――」
と、話の流れで聞いた綾羅木定祐に、意味深そうに答えた。
まあ、意味深そうに答えているだけで、本当にそのようなものを実用化しているから不明だが。 その流れで、
「というか? そのゴーグルかけたところ、見てみたいんだけど?」
と、賽賀忍が頼んできた。
「は? やだぞ? こんな、くそダサいゴーグル」
と、綾羅木定祐が顔をしかめるも、ゴーグルを手にして見せていた。
そんなものだから、
――カッ、クン……!
「あ、ぅんッ――!?」
と、不意打ち的に、背後から膝カックンを喰らうやいなや、アサシンかニンジャの手業のごとく――、スチャッ――! と、上市理可からゴーグルをかけさせられてしまう。
「「ブッ――!?」」
碇賀元と賽賀忍が同時に吹き出しつつ、
「うわッ!? くっそ、ダサッ!!」
と、碇賀元のほうが、堪えきれず声にする。
「ああ”? 誰がクソダサだ!! 舐めてんのか、てめぇら!!」
「い、いやッ! だ、だって、そんなッ――、ゆ、遊〇王のキャラみたいな、ご、ゴーグルッ……! わ、笑っちまいますって!」
「でしょ? たしか遊〇王に、こんなゴーグルしたキャラ、いたでしょ?」
と、某カードでデュエルするマンガのキャラが思い浮かぶ碇賀元に、上市理可が言いつつ、
「遊〇王じゃないが!! いい加減にしろ!!」
と、綾羅木定祐が二人にキレてみせる。
キレつつも、
「――てかッ、そんなこと言ってっと、理可ァ氏ィィッ!! おまいのッ!! 今朝パンツを選ぶときの記憶を視てやっからなッ!! ウェヒヒッ!!」
と、ゴーグルすがたの綾羅木定祐がハイテンションで豹変して、神速のインパルスで、上市理可の今朝の記憶を覗き見ようとするも、
「甘ぁいッ!! 綾羅木氏ィッ――!!」
と、上市理可が一喝する声と同時、
――ブ、スリッ――!!
「あっ、ひゅんッ――!?」
と、尻の穴に刺さった感触に、綾羅木定祐が嬌声をあげた。
すなわち、背後をとられた綾羅木定祐の尻に、上市理可の指カンチョーが刺さっていた。
「う、ぐぐッ……!!」
綾羅木定祐が、尻を押さえながら、膝をついて崩れる。
「甘い甘い、苺ショートなみに甘いね、綾羅木氏。こんな簡単に背後を取られるなんて、ドッグファイトする以前の問題の戦闘機よ」
「ドッグファイトじゃないがッ!! もう!! 人の尻に、カンチョーするもんじゃありま、せんッ!!」
涼しい顔でドヤ顔する上市理可に、綾羅木定祐が憤怒した。
その傍で、
「……」
「……」
と、碇賀元と賽賀忍の二人は、ジトッ……とした生暖かい目で見つつ、
((ほんと、何やってんだよ? こいつら……))
と、思うより他なかった。
そのようにしつつ、本題を再開する。
「――で、それで? 何者なんかねい? この、フードの……、男?」
と、まず、碇賀元が質問をした。
今回の、もっとも核心的かつ重要な質問だろう。
「さぁ? 知るかよ? それが問題で、お前たちにも聞いてんだろが、クソが」
綾羅木定祐が、ムダに毒舌で返しつつ、
「とりあえず、なかなかの戦闘力みたいね」
「そうだな、Aたちのグループを瞬殺したうえで捕らえ、『S〇W』にでも出てきそうなゴーグルをかけさせて、あのような惨いことをさせたわけだ」
と、賽賀忍に答えた。
その横から、
「何か、狂った、猟奇的な動機か? あるいは、強い怨恨――、かねい?」
と、少しシリアスなようすで、碇賀元が静かに言い、
「はたまた、その両方、か――」
と、綾羅木定祐が続けた。
「強い怨恨で犯行を行っているうちに、どんどん、狂気的にエスカレートしていった――。そんな感じかな」
と、上市理可も補足した。
良かったら、良くなかってもブクマとかお願いするのだ!(ずんだもん風ボイスで)
※過去作の宣伝(むしろこっちを読んでほしいのだ)
『トランス島奇譚』:
洋上の謎の島、Xパラダイスに招待されたパク・ソユンとドン・ヨンファの二人は奇妙でグロテスクな体験をすることに……
ーーー 作中引用 ーーー
また同時に、
――ジョビ、ジョバー!!
っと、ドン・ヨンファの下半身のほうから、液体がドバーッ! と流れだした。
「ん? アンタ? 漏らした? ちょっと、離れてくれない?」
「いッ、いやいやいや!? それどころじゃないって!!! ソユン!!!」
「は? 大きい方、漏らしたわけ? ウンコを?」
「ち、ちち、違うって!! いや、あっちを見なよ!!」
と、汚いものを見る顔で、なおかつのほほんと話すパク・ソユンに、ドン・ヨンファが必死で訴えながら指をさした。




