20 某ウシ〇マくんの夏でもファーコートを着ている男並みか、それをはるかに上回るほどの戦闘力
「おい、カメラがあったぞ」
「ちょっと、交番、行きましょうか?」
Aたち、男四人はフードの男を拘束する形で、強引に引っ張ろうとする。
フードの男のほうは、抵抗しないのか、あるいは抵抗しようとしても、そんな力や体力は無さそうに見える。
その男を見て、
(さて? この素材を、どう料理してやろうか? ――ただ、いかんせん、あまり喋らないのが面白くいない。せめて、もう少し反論したりしないと、取れ高のある動画にならない、か――?)
と、Aは考える。
その時、
――ガ、バッ――!
と、何とあろうことか、フードの男が隙をついて逃げようとした。
「あっ!」
「おい! 待て、コラ!」
Aたちはとっさに追う。
同時に、
(よしっ! 再生数取れそうな展開きたッ!)
と、興奮が沸き起こる。
そうして、フードの男を追って、つかんだと同時、
「逃げるな、卑怯者!!」
と、メンバーの一人が怒鳴る。
まあ、まったくのでっち上げにもかかわらず、よく言ったものだというところだが。
男はそのまま、ひょろっとしているフードの男を、かじった格闘技の技をかけて制圧しようとした。
その時、
――ボ、キンッ――!!
と、少し鈍くも、何かが折れる音がした。
「――? へ……?」
メンバーの男が、キョトンとした。
同時に、強烈な痛みが襲ってきて、
「う”ッ!? うわ”ぁぁ”ぁ”!!!」
と、男は絶叫した。
フードの男をそのまま制圧しようと思ったところ、何とあろうことか、自分の腕が圧し折れていたのだ。
「ああ”ぁ”ぁ”ーッ!! う、腕がァァッ!! お、俺の腕がァァ!!」
痛みと、圧し折れてしまった腕に、男はパニックを起こす。
さらにそこへ、
――ヒュ、ッ――! ズ、ボッ――!
と、今度は抜き手のようにして伸びた手によって、一瞬で目を抜き取られる。
「ぎ、ぎゃぁ”ぁ”ッー!!!」
男が再び絶叫する。
ただ、それだけで終わらなかった。
こんどは口に、モゴッ――! と、何かがつっこまれるや
――ジュワァァッ……!!!
と、一瞬で焼けるようなナニカが、男の口内と喉を襲う。
「ごッ!? ごぇ”ぇ”ぇ”ッ――!!!」
恐らく硫酸を染みこませたものを口に詰められたのか、男は喉をおさえながら転がり、のたうちまわる。
「てッ!? てめぇ!!」
もうひとりのメンバーの男が、ヤケクソになりながら鉄パイプで殴りかかろうとするも
「うッ――!? うがぁ”ぁ”!!!」
と、一瞬で目を抜き取られ、ボコボコにされて撲殺されてしまう。
そんな凄惨な光景と、某ウシ〇マくんの夏でもファーコートを着ている男並みか、それをはるかに上回るほどの戦闘力を見たわけだから、
「わッ、私知らないッ!! 私知らないわ!!」
と、まずは、グルになっていた女が一目散に逃げ、
「ひッ!? ひぃぃッ!!」
「おッ、俺たちも逃げるぞッ!!」
と、Aともう一人残ったメンバーの男も、続けざまに逃げようする。
しかし、走ろうとした矢先、
「うぐッ――!?」
「ぐぇ”ぇ”ッー!!」
と、いつの間に後ろをとられたのか、フードの男は二人の首を後ろからつかみ、その怪力で以って絞め落としてしまった――
――それから、しばらくして。
場所はどこなのか、Aと仲間の男のふたりは目を覚ました。
ただ、
「……、う、ん……?」
と、まずAが気がついてのだが、何かが目に装着させられているのが分かった。
また、となりの仲間が、
「う、う……、な、何だ、こりゃ?」
と、目のまわり違和感に、思わず触ろうとするも、透明な何かが阻んで触れないことに気がつく。
そうである――
二人の目には、ゴーグルがつけられていた。
また、互いの“それ”をよく見るに、何かの器具からのびるチューブがゴーグルのレンズへとつながっているのがわかる。
「な、何だ……? これは……?」
と、Aの仲間が怯えた様子で言う。
どことなく、なにか不気味な感じのするガジェットであるから、そのような反応をするのも無理はない。
そんな、これからどうなるのかという底知れぬ不安の中、
――ヌ、タッ……、ヌ、タッ……
と、湿った感じの足音ともに、フードを被った男と思しき者が、姿を見せる。
また、そのフードの男は、Aたちのグルとして協力していた女を片手で持ち、引きずっていたが。
「――!」
「ひッ――!」
Aたち二人は驚き、恐怖する。
「目が、覚めたか……? 君、たち……?」
フードの男が、低くも、脳を揺らすような声で聴いてきた。
「なッ、何なんだよ、これは!!」
Aの仲間の男が、何とか恐怖を押し殺して叫ぶ。
「う、ん……? 君たちが、面白い動画を作ろうとするのと同じく、ね……? 私も、何か、面白い企画をしてみようと思ってね……」
「き、企画……、だと?」
答えるフードの男に、Aが怪訝な顔で聞く。
「ああ、そうだ……。ただ、その前に、確認したことがあって、ね……。君たちが、犯罪を撲滅したいのは……、再生数や収益のためでなく、本心からだ、な?」
「も、も、もちろんだッ……!」
と、Aが恐怖と緊張に震えながら答える。
また、Aの仲間の男も
「お、俺たちは……、じ、女性が痴漢や、盗撮の被害に、あ、合うのが……、ゆ、許せないんだッ……!」
と、補足する。
「うん……? そうだよ、な……。犯罪は、許せない……。撲滅しないと、いけない……」
フードの男が言うのを、
「……」
「……」
と、Aたちは、ただならぬ緊りつめた空気の中、聞く。
そうして、
「なら……、君たちは“この企画”をするのを……、喜んで受けてくれるはずだろうな……」
と、フードの男は、どこか嗤うように言った。
良かったら、良くなかってもブクマとかお願いするのだ!(ずんだもん風ボイスで)
※過去作の宣伝(むしろこっちを読んでほしいのだ)
『トランス島奇譚』:
洋上の謎の島、Xパラダイスに招待されたパク・ソユンとドン・ヨンファの二人は奇妙でグロテスクな体験をすることに……




