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【混沌事件調査】  作者: 石田ヨネ


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14/39

14 まあ、そもそも、Sに対するMの態度でないというね

「あ? 俺も、俺もー」

 綾羅木定祐も、便乗して、

「え? この話、聞きたいんですか? 旦那たち?」

「「うん」」

 と、確認するように聞く餅月三平太に、二人は呼吸を合わせたように答える。

「はぁ、」

 餅月三平太は、「やれやれ……」と言いたげな様子で、相槌しながら、

「――じゃあ、みおんぬ? 代わりに、話してくれよ?」

「は? 私が話すの? 今日、このあと女王様する、この私が?」

 と、頼まれた桜田みおんぬが、まさにSM女王の顔で苛立ち、威圧した。 

「ほら? 言って見なさい? 誰が、誰を調教するのか?」

「あっ……、ああ、」

 先ほどの、戦闘力の高い任侠男の餅月三平太は、その命令するあつにおされつつも、

「お、お前がッ、俺をッ、調教するんだよッ――!!」

「よろしい」

「おい、早く話せや! 殺すぞ、てめぇら!」

 と、綾羅木定祐が、意味不明のやりとりする二人にキレ気味につっこみした。

「まあ、そもそも、Sに対するMの態度でないというね……」

 また、上市理可が付け加える。

 そこへ、


「オールイン・コォールゥゥッ――!」


 と、ポーカー店らしく、ポーカーテーブルのほうから声が聞こえてきた。

 ポーカー知らない人も、どこかで聞いたことある単語――

 ポーカーにおいて、盛り上がる局面のひとつであり、

「おっ? オールインか? どれどれ?」

「ほうほう?」

 と、ポーカーをするほうの人間である綾羅木定祐と、いちおうは知っている程度の上市理可も、立ち上がってフラフラと見に行こうとする。

 人様に対して、「さっさと話せ」だの、「殺すぞ」だの言ったわりには、このザマである。


 そんな、とっとこ行ってしまった二人に、

「おい、アンタら……」

「ほんと、締まりの無い人たちね……。調教する必要が、あるわね」

「調教、て……」

 と、餅月三平太と桜田みおんぬの二人は、呆気に取られながら呆れる他なかった。

 ――そんなふうにして、話の腰が折れながらも、綾羅木定祐と上市理可の二人が戻ってきて、何とか話を進める。

 餅月三平太が、

「――えっと、そうですね……、そんな、大したことじゃないんですけど、こんなことがありましてね」

 と、切り出して、本題へと入る。

 その、振り返る内容は、こうである――



 ――今日の、昼のこと。

 満員に近い電車の、ドアの中央ほどに、立って乗っていると、

「――おい、ちょっと」

 と、いきなり、餅月三平太は声をかけられた。

 三色団子色のチェック柄のシャツをズボンにインしたクラッシックなオタク・スタイルに、髪も寝癖まじりのように無造作にクシャクシャにしていた。

 今の、インテリヤ〇ザ系の見た目とは打って変わって、暗そうで大人しそうな男に見えるかもしれない。

 そんな餅月三平太は、男三人組に囲まれていた。

 彼らは一見するとカタギの人間のように見えるが、少しいかつく、雰囲気が違うのが分かる。

 電車が、駅へと停まる。

「いま、触ってましたよね?」

「ちょっと、降りようか?」

 男たちから強引に引っ張られ、降車される。

 もちろん、触った覚えなどない。

「えっ? え?」

 餅月三平太は、少しオドオドしたように、困惑して見せる。


「証拠は、撮ってあるんだよ」

 三人組のひとりが、そう言ってスマホの画像を見せる。

 確かに、“それ”をみるに、餅月三平太の“手の甲”が、電車が揺れた時に少し伏せてしまったように見せる。

「あ、あの……」

「ああ”?」

 と、何か言おうとする餅月三平太を、男のひとりが威嚇する。

 餅月三平太は、

「そ、それは、触ったんじゃなくて……、たまたま、当たったんじゃ、ないですか? ポイント通過で、揺れた時の、」

 と、勇気を持った風に見せて主張するも、

「みんな、そう言うんですよ。痴漢をした人は」

 と、リーダー格の男が、ばっさりと否定して決めてかかる。

 同時に、

「いいから、駅員のとこへ行きますよ」

 と、強引に、餅月三平太を連れて行こうとした。

「ぼ、僕は、やってないです……!」

 餅月三平太が、逃げようとしようとする。

「おい、逃げるな!」

「逃げるなら、逮捕しますよ」

 男たちが、そう言って、より強引に餅月三平太へとかかる。

「た、逮捕って――、あ、あなた達にそんな権利、あるんですか!」

「ありますよ。現行犯のあなたを、私人逮捕する権利が」

 憤る餅月三平太に、リーダー格の男が言う。

 すると、


「そっかぁ……。――じゃあ、俺も、お前たちを私人逮捕しようかな?」


 と、餅月三平太が髪をかき上げ、その表情を一変させていた。

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