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【混沌事件調査】  作者: 石田ヨネ


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13/39

13 なお、SM女王でもある

 それはさておき、

「ふぅ……。まあ、いい……、とりあえず場所を変えて、さっさと本題の話をしてもらおうか」

 と、綾羅木定祐が本題を持ちかけようとした。

 その時、


「――!?」


 と、綾羅木定祐はまたしても、何かの気配を背後に気づく。

 そして、刹那、

「うっ――!? あっ、ふんッ――!?」

 と、綾羅木定祐は膝裏に何かを感じるとともに、二段階で気色の悪い奇声をあげつつ、脱力して崩れ落ちた。

 先ほどの戦闘で崩れぬように耐えたのが、油断して、ここで無に帰したわけである。

 そんな、綾羅木定祐を崩れ落とした、膝裏からの“ナニカ”――

 すなわち、古典的なイタズラでもある、膝カックンだった。

「うぐぐ……」

 脱力から、起き上がろうとする綾羅木定祐。

 後ろから、


「――はい、私の勝ちー♪」 


 と、女の声がした。

「あ、ん?」

 振り向いて見るに、餅月三平太と同じく協力者の、桜田みおんぬだった。

 なお、SM女王でもある。

「油断してた? 綾羅木さん?」

「ああ……。まったく、変なことしてくんなっちゅうの、お前も」

 桜田みおんぬに、綾羅木定祐が顔をしかめて答える。

 また、そこへ、

「あれ? そう言えば、上市さんは?」

 と、餅月三平太が気がついた。

「ああ……? たし、蟹――」 

 綾羅木定祐も蟹イントネーションで、先ほどの戦闘によって、すっかり忘れていたことに気がつく。

 これが、相手が餅月たちだからよかったものの、もし本当の刺客に襲われていたらどうするという話だ。

 そんなところへ、


 ――トッ、トコ……、トコ……


 と、足音をさせながら、上市理可が戻ってきた。

 その手には、某17の円柱状のアイスを持ちながら、ペロペロと舐めており、

「あっ、綾羅木氏。アイスが食べたくなったから、買ってきたのだ! 枇杷ヨーグルト味、美味しいのだ!」

「おい!! ふざけてんじゃねぇぞ!! てめ、このハ〇太郎!!」

「「〇ム太郎――!?」」

 と、ハ〇太郎呼ばわりしてキレる綾羅木定祐に、餅月三平太と桜田みおんぬの二人は驚愕した。



          ***



 ――場所を移動して。

 ポーカーのチップの、子気味のよい音のカシャカシャ聞こえる、ポーカー・バーのラウンジスペースにて。


「――というわけ、なのだ……、いや……、というわけです。はい」


 と、ハ〇太郎もとい上市理可が、餅月三平太と桜田みおんぬの二人に、“混沌事件”とその調査のあらましについて説明した。

「いま、このくそハ〇太郎野郎の話した内容、お前たちも知っているよな?」

「おいコラ、綾羅木氏」 

 直ちにつっこみが入りながらも、スルーして綾羅木定祐が餅月たちに聞く。

「もちろん、あらかたは……、知ってますよ、旦那」

 餅月三平太が、そう断りながら答える。

 綾羅木定祐が、モスコミュールに口をつけつつ、

「そうか……。“お前たちの界隈”では、どうなんだ? この事件? “裏の人間”と、何か関係あるものなのか? 粛清とか、報復とかの類の――」

 と、聞いた。

 ここに来る前から気になっていた点であり、この餅月たちに聞きたいことの核心だった。


「ええ……、それなんですが……、まさに、我々も、気になってまして、――」

 餅月三平太も、何かカクテルを飲みながら、

「確かに、ですね……、いわゆる仁義に外れたことをした連中を、粛清したり――、まあ、そこまでしなくても、ふざけた連中を絞めたりするくらいならあります」

 と、答えた。

“粛清”だの、“絞めた”りだの、物騒な言葉が出つつ。

 さらに、餅月三平太は続けて、

「今日も、痴漢をでっち上げて、動画を撮っていた連中を絞めてきましたし」

「あっ? それ、聞きたい」

 と、ストロベリーに、翼の生えるエナジードリンクのカクテルを手にした上市理可が、興味を示した。

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