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 人気娼婦

「 実はルイスさんは恩人なんです。私が娼館の前で他の娼婦たちと呼び込みをしている時に、貴族の男に身請けをしつこく迫られていたんです。そこを通りすがったルイスさんが助けてくれたんです」


「オイ、その女から手を離せ」

「あ゛ん? 何だ貴様ッ! オメェには関係無いだろ! ペッ!」

「あぁっ……」

「ふむ、関係ないか……」

ルイスは顔にかけられた唾を指で拭き取る。

「残念だが、俺はここの関係者だ」

ルイスは貴族の男の肩に手を置いた。

「この俺に触れるんじゃ──あ、イタタタタタッ!!」

「ここは俺の店だ。オーナーだ。──常識が欠如しているフシダラなお客様にはお引き取り願おうか」

「分かった、分かったから!」

「次からは止めるんだな」

ルイスは肩から手を離す。

「チクショー、覚えてろよ!」


「へ〜、そんなことがあったんかー、やるじゃねぇか兄ちゃんっ! ……ってあんたオーナーだったんかいっ!」

「マジですか。俺たちオーナーに仕事を頼まれてたんすね」

「か弱き女性を助けるのは男なら当然のことだろ?」

「流石っすね」

「ところで、ルイスさん。今日はどんなご用ですか? 身体を重ね合わせたいのでしたら──サービスしますよ?」

ミラはドレスをわざとらしくズラして、男を誘惑するほどの豊満に育った胸を俺にチラチラと見せてきた。

「「おぉっ!!」」

坊主頭とモヒカンはミラの胸に釘付けの様だ。

ハァ、仕方ないこういう時は……

「えっ? あの……ルイスさん?」

俺はミラの近くまで行き、思い切り壁ドンした。

「誘ってるなら今ここで食べてやろうか、ミラ? 人がたくさんいるこの場で──」

続いて俺は顔をミラに近づけて顎クイをする。

「はっ、ハァっ」

ミラは頬をりんごのように赤らめる。

「なんて、なっ」

俺は顔をほころばせてミラからそっと離れる。

「あっ……」

ミラは名残惜しそうな表情で俺を見つめてくる。まさか今の発情した……ワケではないか。きっと俺の思い過ごしだろう。

「俺は用事があるからここら辺で失礼するよ。ミラ、コイツら二人の相手をしてくれ」

「は、はい! あの……ルイスさん……」

「何だ? 何か困ったことがあればオーナー代理に──」

「いえ、そいうことではなく……」

ミラは何故か言いたそうに体をモジモジさせていた。これホントにミラ、発情してね? いやちょっと待てよ。よくよく考えたら、娼婦なんて男を相手にしているから常時発情していてもおかしくは……ない。なら、このミラの様子は──そう平常運転。つまり、何も問題ない。あー、俺はなんてバカなんだ! もっと精進しなければ。


『ルイス、お前は一回病院に行ってこい!』っと心の天使が叫んでいたが悪魔に押し潰されたようだ。

全世界の娼婦に謝れ!


「ま、また来てくれますか?」

「ミラ、当たり前だろ。何せここのオーナーは俺なんだから」

「はあっ! はいっ!」


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