ネクストラウンドへの備え
「クッ」
私たちは、立ち上がり再度ナイフを構える。
「あの一つのお聞きしてもよろしいでしょうか?」
ベルファストは私たちにそう言ってきた。
「何だ?」っと姉さんが答える。
「ルイス様はどこに居られますか?」
姉さんはベルファストにそう聞かれたので──
「殺したよ。私たちの手でな」
ベルファストに対して姉さんは言う。
しかし、ベルファストは顔色一つ変えずに
「はて、何を言っておられるのですか?」
そうベルファストは何故か首を傾げた。
「だから、お前の主を私たちが倒したんだよ」
姉さんは、主が死んだことが理解出来ていないベルファストに対して再度言うと、
「失礼ながら言わせていただきますが──」
少し間を開けてその言葉を口にする。
「いつ、《《俺》》がっー! お前らごときの雑魚にやられたのかぁっ! 言ってみやがれええぇぇぇぇっ!!」
ベルファストの声色が変わると同時に魔力の質と流れが変わった。
「「──ッ!! ま、まさか!?」」
「うおおぉぉぉおぉぉぉーーっ!!」
ベルファストの周囲の魔力が大気を震わせ、スラム街の建物にヒビが入り崩壊する。
「キャアーっ!!」
私は、ベルファストが発する魔力で発生した風の勢いで飛ばされた。
「エメラ!」
私の腕を姉さんが掴み、私たちは飛ばされないように何とか踏ん張る。
「はあああァァァアァァァーーッ!!」
ベルファストはさらに魔力を高める。
すると、髪の色や体格などが男の体つきに変化し始めた。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「ふぅっ」
俺は目の前にいる姉妹を一瞥する。
「よぅ」
姉妹に対して俺は話しかける。
「お前、死んだはずじゃ」
「あ〜、それは俺が作ったデコイだ。よく出来ているだろう?」
俺は笑いながら言う。
「あ?」
二人はナイフを構え直して言う。
「「何度でもお前をぶっ殺して地獄に落としてやるよ」」
闘志はまだ残っているのか。なら、まだ楽しめるか。
「さぁ〜て、第二ラウンド始めよっか! 地獄の地獄のな」
俺は悪魔的笑みを二人に向けるのだった。




