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 再びスラムへ

「久々だな」

俺はベルファストと共に、俺たち二人が出会ったスラム街へ来ていた。

前にも来て思ったが、やはり歩いて進んでいると、そこかしこから俺たちは獲物として見られていた。

今回は、ベルファストが威圧し牽制けんせいしてくれいるため、俺はただただ歩いているだけでいい。

いやー、ベルファストがいると本当に負担が減るな。マジで最高の相棒だよ。まったく。

「ん? あれは──」

目線の先には、手にはファイティングナイフを持ち、腰まで伸ばした髪はまるでルビーのように赤い少女。もう一人の少女は腰まで伸ばした髪がエメラルドのように緑色に輝きを放っていた。

そして、少女の二人は大勢の男たちと対峙たいじしていた。


 ◇   ◆   ◇   ◆   ◇   ◆


「うちらさあ、今、暇してんだわ。少し付き合ってくれよ」

赤髪の少女はナイフを回しながら言う。

「あぁ、イイゼ! 俺たちのことをその体で気持ち良くしてくれるなら大・大・大歓迎だ!!」

男は二人の体を舐めるようにして見る。

「うぇ、気持ち悪っ。お前、1回死んだ方が良いんじゃない? それか、今ここで殺すか」

緑髪の少女はそんな毒舌を吐く。

「良くそんなことが言えたもんだな〜。俺たちは、お前らに仲間を殺されてんだわ。この借りは返さないと気が済まねぇからよぅ〜」

男がそう言うと、周りの仲間たちも不敵の笑みを浮かべる。

「どうせお前たちの体は既にボスにけがされてるんだからよ〜、減るもんじゃないだろ?」

男はニタニタと気持ちが悪い笑みを浮かべる。

「クソ野郎共、今から皆殺しにしてやんよ」

赤髪の少女は怒りながら男たちを見下し、左目がメラメラと燃え始める。

「姉さんが行くなら、私も!」

緑髪の少女はナイフを構え、右目がメラメラと緑色で燃え始める。

「お前ら! あれを準備しろ!」

男たちは、ポケットから何かを取り出す。

「あれは、火耐性の魔道具か?」

試しに赤髪の少女はファイヤーボールを飛ばす。

炎が男を包み込む……が男は無傷で立っていた。

「そのようですね。姉さん」

「ガハハッ! これでお前らは俺たちに指一本触れることは出来なくなった。野郎共、行くぞー!!」

周りの取り巻きたちも声を上げ、こちらに向かってくる。

「「「オオォォォォーー!!」」」

「相手は女二人だ!」

「ヤッホー!」

「オレが最初だー!」


「姉さん!」

「あぁ、やってやんよ! どこからでも、かかってきやがれ。片っ端からひねり潰してやんよ!」

二人はナイフを構え、魔法陣を展開し走り出した。

「行くよ!」

「うん!」

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