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ヒロインを虐めて階段から突き落としたという罪により悪役令嬢と言われ、婚約破棄の上、辺境送りだそうです。私は無実です。目撃者が多数おり、どうして? もしかして双子の弟のあいつですかあ!なにやってますのよ

作者: ゆいな

「マグリット・アルファ、マリアを虐めて、階段から突き落として殺そうとした罪により婚約を破棄し、断罪する。辺境の修道院送りとする!」


 私は目の前にいる婚約者とマリアさんを見て呆然としておりました。いきなり王宮で宣言されたのです。


「私はそんなことはしていません!」


「証人も多数いるのだ、間違いはない!」


「どうして私を虐めて、階段から突き落とそうとしたのですのマグリット様」


 目に涙を浮かべるマリアさん、しかし口が笑ってます。

 私は無実です。しかし30人以上証人がいて、教師もいました。

 

「マグリット、辺境の修道院で反省することだ」


「レオン様!」


「連れていけ!」


 私は衛兵に引っ立てられて、牢屋に連れていかれました。

 私は考えました。もしかして双子の弟アルフレッドじゃないかとマリアさんの事可愛いとかいってましたもの。

 私は最後に家族に会いたいと泣き落として、館に一時だけ帰れました。弟をとっちめて白状させたのですわ。


「うわーんごめんよ姉上、だって未婚の男女が二人で会っていたら噂されるってマリアちゃんがいうから、だから!」


「アル、あなた私に女装して、あの子と逢引きしてましたのね!」


「そうだよお、ごめんよお」


 あの子にそんなことを言われ、カツラとドレスで私に化けて会っているのを人に見られて、いじめていると誤解されたようです。


「でも僕虐めてないし、階段から突き落としてないよ。マリアちゃんが落ちそうになったから手を伸ばして助けようとしたんだ!」


「あなた騙されましたのよ」


「え?」


「私が階段からあの子を突き落として殺そうとしたってことになってますわ、あの子わざと落ちたのですわ」


「でもマリアちゃんどうしてそんなこと!」


 アルは頭が悪いのですわ。女の子大好きのこの子は女の怖さを知らないのです。


「私がマリアさんを虐めたという目撃者を作るためですわよ。他何かやりました?」


「中庭で、マリアちゃんの髪が木の枝にひっかかったから取ってあげたり」


「無理やり引っ張りませんでした?」


「髪はちょっとだけ抜けてたけど」


「アルあなたねえ!」


 罪状の数々を照らし合わせると間違いなくアルでした。アルに証言させようとしてもこれは身内ですから証拠にはなりませんわ。


「アル、まだカツラとドレスはあります?」


「あるよ」


「なら、私に化けて辺境にいきなさい!」


「ええなんで!」


「もとはといえばあなたのせいですわ! でも長くはいさせませんからほら行きなさい!」


 アルのお尻を蹴り飛ばし、私の代わりをさせることにしました。私は反対に男装して、アルとなり王宮に向かったのですわ。



「マリアちゃん、僕きちゃった」


「どうしてアル様、こんなところにまで、お姉さまが大変なのに!」


 非難するようにこちらを見るマリアさん、それはそうですわよね。でもアルはめげませんきっとこんな時。


「え、でも僕たち恋人同士だよね?」


「……」


「せっかく姉上に化けて、君と会ってたけど、姉上が辺境行ったからもうあの手は使えないし、僕が姉上に変装して君に会う……」


「し、だれかに聞かれたらどうするのよ!」


 無理やり口をふさがれましたわ。マリアさんの手を外し、でも僕は姉上に化けて君に会っていたよね。と繰り返します。


「もうわかりました。そうです。もう茶番はおしまい、あんたも連座できっと罰があるわ。遊びはおしまい、私はレオン様と婚約するの早く帰って!」


 金切り声をあげて顔を真っ赤にして怒るマリアさん、私はそれを聞いてにやりと笑いました。


「レオン様、陛下、皆さん、ほらこれが証拠ですわ。私は無実ですわ」


「……そのようだな」


 王宮の中庭で隠れていた皆さんが出てきます。マリアさんは口をあんぐり開けて驚いてますわ。

 だって最初から、私は陛下に申し上げてマリアさんの本性を見せるって一芝居打ったのですわ。


「マリア、君がそんなひどいことをしていたなんて」


「マグリット嬢に無実の罪を着せたということだな、マリアとやらお前の罪は重いぞ」


 陛下がきつい目でマリアさんをにらむと、マリアさんがへにゃっとなり泣き出しました。陛下にすり寄ろうとしてレオン様に止められてますわ。


「私、そんなことはしてませんわ!」


「証拠は先ほどのあなたの言葉です。こちらにいる皆さんが証人です!」


 隠れていた皆さんがうんうんと頷きます。他にも王妃様、魔法学院の教師、宰相様や大臣もいます。

 マリアさんがウソ泣きをしながら、衛兵に引っ立てられていきます。ざまあみさらせですわ。


「レオンがひどいことをして申し訳なかった。辺境送りになったアルフレッド君はすぐ連れ戻すようにする。婚約は元通り……」


「いえ陛下、もう破棄のままで結構ですわ。レオン様はでも女性の嘘に簡単に騙されるようですので、王太子としては少し……」


「ああそうだな」


「父上、それは!」


「レオン、お前はしばらく部屋で謹慎を申し付ける。処遇は追って沙汰する」


「父上!」


 レオン様が泣きながら陛下に縋り、思い切り蹴り飛ばされましたわ。いい気味ですわよ。

 私はみなに謝罪され、そして私はカツラをとって、いい気味ですわと笑ったのでした。


 レオン様は廃嫡され、マリアさんは辺境の修道院送りになりました。

 私は双子の弟、アルとまだ魔法学園に通っています。

 将来、あのような人と結婚しないですむように勉学に励み、独り立ちできるように頑張りますわ。

お読みくださりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 話の流れもテンポも好きです(^-^) 双子の弟が利用されるなんて考えたことなかった設定で新鮮な気持ちで読めました(^-^)v [気になる点] 陛下や宰相が簡単に時間をとってくれるのかな? …
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