雨を聞く
雨を聞く
追憶が降ってくる
白いふわりとした雲から
一粒ずつ過ぎた日々を数えていくように
心の深い泉から魂が目を覚ます
若葉が萌える
五月雨が天から洗礼を授け
新しい命が降臨すると
大地はひたすらに雨を聞く
若葉の香りが満ちる
一枚一枚の葉を打つ雨粒が
奏でる音に耳をすます
潤いがひたひたと心に満ちてくる
雨を聞く
空気は若緑に滲んで
青い香が懐かしくそして懐かしく
鼓動が静かに共鳴する
静かな時間が
雨を聞いている
癒された時間が
そっと落ちていく