コミケのない年末
「今年は冬コミがありません!」
新型コロナウイルスが猛威を振いイベント毎が流れていく中、春に引き続き冬コミも中止が決定している。
「コミケ帰りに寄ってもらうことが難しいどころかそもそもコミケがないとは…… 年末はどのようにしてお客さんを呼び込みましょうか……」
戦場の疲労を癒してもらうべく年末最後の4日間で呼び込みを頑張っていたものの今年は万策尽きている状況だ。
「そもそも集まり過ぎても密だの何だのとなる可能性もありますしねぇ、ここは素直に諦めましょう!」
「いやぁそれはちょっと……」
すかさず番台が苦言を呈する。
「番台、とは言え昨今の社会情勢踏をまえた前提条件がかなり厳しいこともあって一朝一夕で解決出来る事案ではないですよ?」
「すごいそれっぽいこと言っているけどその頭の回転を改善策の方に向けてくれると嬉しいです」
年末年始はお休みになる人が多いので里の湯としても是非ご来店して頂きたい限りではあるのだが、とてもそうは言っていられない状況であるのも事実。
「普通に営業して、普通に年を越して、普通に元旦を過ごす、それで良いじゃないですか」
「まぁゆいちゃんが来るまでは確かにそうしていたけど」
「普通のありがたさをしかと噛み締めるべきですよ! 里の湯キャラ部門担当さんなんて大学生時代年末もバイトしていて帰りの電車で年越ししていたそうですよ!」
「それはまた大変だったようで……」
特別なことをせずに普段通りに過ごし穏やかに新年を迎える。
こんなに嬉しいことはない、と説得を続ける。
「また来年末頑張れば良いじゃないですか! 年始にはハンドクリーム配るのですし」
「うーん……」
諦める言い訳ばかり探すのは良くないぞゆいちゃん。
とは言え出来ることがかなり限られているのもまた事実。
「そもそも当初の計画ではコミケに同人コーナーで参加して地味に布教活動しつつなんて予定だったのが今やこんな状態ですから。 無理せずに来年に向けての体力を温存するべきです」
「まぁそれもあるけどね。 ただそういうこと言って来年も結局動かないみたいなことになりそうな気が……」
「大丈夫です、私はそんな怠惰な人間ではありません! やれば出来る子なのです! だから安心してください!」
「うわぁ、典型的なやらない人が言いがちの単語を並べている……」
認知度向上を目指して頑張れゆいちゃん!
「それでは皆様、よいお年を~」
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