クロスバイクの整備①
10月になり涼しくなったある日の出来事。
「さて、久々に自転車でも乗りましょうかね!」
1月に購入していたクロスバイク。
何だかんだ自粛期間中も運動不足にならないように時々乗り続けていたゆいちゃんであった。
ガッー、ギシギシ、カコンカコン、ジャー
「あれ、何か異音が凄い……」
ガッー、ギシギシ、カコンカコン、ジャー
自転車を走らせるとものすごい嫌な音を立てる。
「大丈夫かなぁ? まだ一年経っていないのに…… あっ、ちょっとした登りだから変速を」
カチッ、カチッ
ガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラ、バコン
「えっ全然ギアが切り替わらないよぉ…… 調子かなり悪そうだしこれは自転車屋さんに持っていきますかぁ」
-自転車屋ゼノサイクル-
「これはシフトワイヤーが緩んでいるから変速が上手くいかないのと、チェーンのオイルが切れかけているからチェーンリングとカセットスプロケットと噛み合うときに上手く円滑しておらず走行中に異音がなっていると思われます」
「えっ? えっ?」
店員さんから原因について説明を受けるゆいちゃんであったが、何を言われているのか全くわからないのであった。
「もう少し、いやもっとかなりわかりやすく説明をお願いします~!!」
必死の懇願した成果もあって忙しい中店員さんが改めて説明してくれる。
スポーツバイクに乗る方必見の必要最低限の知識講座が始まるぞ。
「まずシフトワイヤー、これは自転車のギアを変速する時にこのワイヤーを引っ張ったり緩めることで変速機の位置を調整してギアを上げたり下げたりしています」
「ほうほう、何となくわかります」
「このワイヤーはだいたい乗り始めて1ヵ月あたりで初期伸びと言われる現象、つまり新品の状態からある程度使うことによってワイヤーそのものに馴染みが出てきて変化が生じます」
「つまり引っ張る・緩めるを繰り返すことによってワイヤーそのものが伸びてヘタってしまうのですね?」
「ワイヤーそのものが伸びるというよりかは、最初に設定したテンション、引っ張り具合からずれが生じて緩むというイメージです。 ですからワイヤー自体の長さが変わったりするわけではなく、引っ張り具合が緩むことに対して伸びという表現が使われています」
「へぇーそうなんですね。 じゃあ輪ゴム伸ばしまくってヘロヘロになるというイメージではないんですね」
ワイヤーは一応金属であるので、力を加えたところでそうそう輪ゴムのように伸びてヘタったりしないのです。
「話を戻しまして、納車してだいたい一ヵ月あたりでそのような初期伸びと言われる現象が起こるので購入店で調整して頂くのが望ましいのですが……」
「すいません、購入してから今日初めて自転車屋さんに持ってきました」
ワイヤー初期伸びなどは自転車を買ったお店に持っていけば基本的には無料で調整してもらえるはずです。
「このシフトワイヤーが伸びている、つまり緩んでいるせいで変速器の位置が適正な場所からずれてしまい、結果変速が上手くいかず異音を出していたということになります」
「1月に買ったから本来ならば2月に調整してもらうべきことだったのですね。 今10月だから9ヵ月もそのままにしていました、テヘッ」
「この初期伸びの調整は部品交換や解体を伴うものでなく割と早めに終わる作業なのでさっさとやっておきますね」
「(……うぅ、何気ないスルーが心に刺さる)」
「ちなみにこの調整ですが、ワイヤーの伸び、緩みを無くすために変速器、リアディレイラーについてるダイヤルみたいな場所を回して、変速器自身の位置を調整しワイヤーを引っ張るように……」
「(ふぇぇ、もうわかんないよぉ)」
皆さんもスポーツバイクを購入したら、まずこのような現象が起こることを覚えておきましょう。
気にしないで乗り続けていると自転車の部品の傷みが進み、劣化が早くなるだけです。
「続いてチェーンですが……」
「あぁ、長くなるのでまた次回お願いします!」
「えぇー」
To be continued...
Twitter:https://twitter.com/satono_yu
@satono_yu フォローよろしくお願いいたします!
感想もお待ちしております!