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25話 平穏なだけじゃ終われない運命なのだろうか

長らくお休みしてしまいすみませんでした汗

 それは、一瞬のことだった。


──────────


 

「わあ! 川だ!」



 段差を作った山道に丸太をあてがっただけの古臭い階段を登っていた時、星野君が不意に声を上げた。

 申し訳程度にロープが張られた先には、あまり高さはないが急な斜面がある。

 少し後ろを歩いていた椿も気だるげに、彼が興奮した面持ちで指さす先を見やると、綺麗な川が流れているのが見えた。


 なるほど、確かに綺麗だ。だが今の椿に優雅に景色を楽しむ余裕は無い。

 荒い息を吐くのに開けっ放しの口は、もうカラカラに乾いている。そろそろ休憩したい、無理、やだ、つらみ、と頭の中では弱音ばかりがぐるぐると渦巻いているようだった。



「綺麗……です、ハッ……わね……」



 顔に死相を浮かべてそう答える恵那千鶴子もまた然り、持久力のない二人は歩くだけで精一杯なのだ。


 


 眼前を流れる川は一瞥するに止め、また1歩と踏み出そうとすると、椿の少し後方から段々と遠ざかっていく耳をつんざくような甲高い悲鳴と、ガサガサと乱暴に枝をかき分けていくような音が続けざまに聞こえた。


 その声に驚き全員振り返るも、そこには誰もいなかった。


 そう、誰もいなかったのだ。



「千鶴子さん!?」



 千鶴子ちゃん! 恵那さん! と男子二人も声を上げた。真っ先に駆け出したのは星野君だった。

 足を滑らせたのだろうか。

 折れた枝や乱れた地面が、滑り落ちた様をありありと語っていた。

 落ちないように気をつけながら下を覗き込むと、千鶴子が倒れていた。

 ピクリとも、動かない。


 どうしようどうしようどうしよう!?


 背中を嫌な汗が伝い、血の気が失せていくのがはっきりとわかった。

 後先も考えずに、気がつけば椿の足は動いていた。



 どうやら平穏なだけじゃ終われないらしい。



ちょっとしたスランプといろいろな行事等重なり、長い間更新が出来ませんでした。本当にすみません汗

休んでいる間にも感想やレビューをくれた方々がいて、怖くて開けなかったマイページがとても暖かいものに思えました。

リハビリということで少ない文字数ではありますが、これからもどうぞ、憧れの乙女ゲーム転生だけど、テンプレ悪役令嬢だなんて聞いてない!をよろしくお願いします。


真田まる

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