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認めない弱さ

「ちょっと話があるんだけど放課後空いているか?」


 誠一郎はいつもいじめられている相手はこう切り出した。


「なんか文句があるよか?俺たちに?」


「そうか、相模原は自分の罪を認める覚悟がてきたんじゃないのか?」


「違いないな!よっしゃそれなら俺広めとくわ。

 やっぱり相模原誠一郎はあの事件の加害者だってな。しかも今回は本人も認めたっていう箔もつくな」


 下賎だと評するに値する会話だった。聞いていて誠一郎も胸糞悪い気分になっていた。

 そこにあるのは、悲しみでも怒りでもなく

 哀れみだった。

 自分の間違いを認めることのできないという。


 放課後になり、誠一郎は呼び出した三人を待った。指定した場所は、校内ではなく一件のファミレスだった。誠一郎がここを選んだのには、訳があった。

 ファミレスの様な、公共性の高い空間であれば、自身が理不尽な暴力によって怪我をすることもなくそして、その際には確実に相手も正式に対処できると考えたからだ。


「先に来ているとは良い心がけだな」


 一人の男が誠一郎の座っている席にきた。この男は、空手部主将の男で虐めの主犯とも言える人物だった。名は、井上稔。

 周りからは頼り甲斐のある優しい男として慕われていたが、誠一郎の評価は真逆だった。


「座れよ。他の二人が来るまで」


「やけに偉そうだな。自分の罪を認めるたまにここに俺たちを呼んだんだろう?なら、それに相応しい態度を取れよ」


 それに誠一郎は答えなかった。答えても、面倒くさいとしか考えていなかったからだ。


 数分すると、二人が来た。一人は柔道部主将の矢島剛太郎。名前に違わず強面だった。普段はあまり喋らない職人気質と思われていた。

 そして、もう一人。野球部のエースでドラフト指名もされると噂されている鹿野雅彦。こいつは、プレースタイルも凶暴で誠一郎に最も手を挙げた男だった。


「さて、全員来たところで話がある。

 単刀直入に言う。俺が無実だと認めてくれないか?いや、認めろ」


 誠一郎は静かに怒りを、憎しみを込めた声で訴えた。しかし、その怒りは三人に届くことはなかった。


「何いってんの?バカなの君は。お前は、やったならこうなってるんだろう?俺たちは正義の為にこれをやってるんだ。俺たちは、何も間違っちゃいない!認めるのはそっちだ!!」


 井上は、机をバン!と叩いた。顔は真っ赤で明らかに怒っている様子だった。他二人も同じだった。


「認めない。認めるのはそっちだ。弱者め」


 誠一郎はここで、認めるのなら、救いようのあるクズだと思っていた。しかし、三人は自分の間違いを認めることのできないクズだった。

 そして、それは弱者以外の何者でもない。その考えに基づいて、誠一郎はボソリと三人に弱者めと発言したのだ。

毎回短くてすみません。

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