見せかけの強さ
「落ちつこうよ」
「何がわかる!何が理沙に!俺の何がわかるんだ!!」
「わかるよ。誠ちゃんのこと。だって、ずっと側にいたから。辛そうだったり、嬉しそうだったり笑っていたり、泣いていたり。いろんな姿を見てきた。
でもね、今の誠ちゃんは私の知ってる人ではないよ。限界なのもわかるよ。でも、そんな顔したらそんな感情を抱いたら虐めている人と同列なんだよ。
たとえその意思がなかったとしてもね。私には何もできないよ。でも、受け止めることはできる。詳しい時は泣いていいんだし辛い時は相談したっていいんだよ。
私じゃなくてもいい。誰だっていい。誰でもいいから、受け止めてくれる人を見つけることが大切なんだと私は思う。そうしないと…そうしないと、誠ちゃんが壊れちゃうよ」
理沙は必死だった。ここで誠一郎の負の感情を止めなければ完全に相模原誠一郎という人間は壊れてしまう。それを止めなければならない。二条理沙はこれをしなければ親友でも幼馴染でもなくなってしまう。自分が大切だと思っている人が壊れていくのは耐えられることではなかった。
誠一郎はその言葉を素直に受け止めてほしい。理沙の心からの願いだった。
「ありがとう理沙。俺に付き合ってくれて。俺のためにここまで言ってくれて。誤解を解くのに少しだけ足掻くことにするよ。このまま理沙に惨めな姿を見せる訳にはいかないしな。俺の求める強さが何なのかはわからない。けど、これだけはわかる。
力のみに頼った強さは本当に強いわけじゃないってことがさ」
誠一郎は笑っていた。しかし、その笑顔は理沙にとってはとても価値のある笑顔だった。
「誠ちゃんが久し振りに笑った。笑ったところを久しぶりに見た。本当に笑っているのを。う、ゔわ、わだしぃ…」
そこまで、言葉を言うと理沙はその場に崩れて涙をボロボロとこぼした。その涙は嬉し涙。
本当に思う相手がいい方向にに進んでくれたからこそ流すことのできた涙。
そんな理沙の肩を誠一郎は静かにさすった。
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