第75話 宣伝 (1)
今回は途中まで書いていた話をまた一から書き直していたために投稿が遅れてしまいました。申し訳ございませんでした。
それでは早速、本編をどうぞ。
〜視点:街に住んでいる子供〜
「ねえお母さん。買い物まだ終わらないの?」
「ちょっと待ってなさいマスト。もう直ぐで終わるから」
(絶対に嘘だ)
お昼を過ぎた時間帯、僕は今お母さんの買い物に着いて来てたんだけど、お母さんの買い物が全然終わらないからすごく退屈だった。
お母さんはもう直ぐ終わるって言ってるけどこの会話はもう何回もしている。
(これだったら家にいた方が良かったなー)
僕はお母さんとお父さん、それから二つ歳上のお姉ちゃんと四人でこの街に住んでいて、因みに僕は9歳。
家に帰ればお姉ちゃんがいるから遊び相手をしてもらえるんだけど、お母さんは買い物が終わりそうにないし、一人で家に帰ろうとするとお母さんから『最近この街で事件があったんだから一人で家に帰るのはダメだからね』と言って先に帰らせてくれなかった。
「マスト、ここでの買い物は終わったから次の店に行くわよ」
「え〜。まだ買い物があるの?僕もう疲れたー」
「こら、わがまま言わないの。あと一軒だけだから我慢しなさい」
そう言いながらお母さんは僕の手をとり、次の店に向かった。
(お父さんが前に言ってたけど、何で女の人は買い物が長いんだろう?)
お母さんに手を引っ張られながら僕はそう思っていた。
「あれ?この音は何だろう?」
しばらく歩いていると僕とお母さんが歩いている方向から聴き慣れない音が聴こえてきた。
「お母さん知ってる?」
僕の隣を買い物袋を抱えて歩いているお母さんに聞いてみた。
「私もあまり聴いたことがないけど、多分ラッパの音ね。それにしても聴いていてとても楽しくなる音色ね」
確かにお母さんの言う通り、その音を聴いているととても楽しい気分になる。
その音は中央広場から流れていた。
「ねえお母さん!中央広場に行ってていい?」
早くこのラッパを吹いている人が誰なのかを知りたくてお母さんに聞いてみた。
「そうね。買い物ももう少し掛かりそうだから行ってていいわよ」
「やったーー‼︎」
「その代わり、絶対に知らない人にはついて行ったらダメよ。後、連れて行かれそうになったら、大きな声を出して周りの大人や警備兵さんに助けを求めなさいよ」
「はーい!」
僕は返事をすると同時に中央広場に向かった走り始めた。
〜〜〜
中央広場に着くと広場には沢山の人で一杯だった。
「ここからじゃあ見えないな」
背の高い大人の人達が邪魔で見えなかった。それでも僕は誰がラッパを吹いているのかを知りたかったから人混みを掻き分けながら前に進んだ。
しばらくしてやっと人混みの先頭に出れた。そして僕の目の前には、広場の中央で僕と同い年くらいの背中に翼を付けた女の子がラッパを吹いていた。
「あの子が吹いていたのか〜」
「あれマストじゃない?」
ラッパから流れる音色に耳を傾けていると隣から自分の名前を呼ばれたので、そっちの方に顔を向けるとそこにいたのは、
「カナお姉ちゃん」
僕のお姉ちゃん、カナお姉ちゃんがそこにいた。
カナお姉ちゃんは僕と分かるとコッチに来てくれた。
「あんた何でここにいるのよ。お母さんと一緒に買い物に行ってたんじゃなかったの?」
「あの子が吹いてるラッパから流れる演奏が気になったからお母さんにちゃんと許可をもらってから一人で来たんだよ」
カナお姉ちゃんの質問にちゃんと答える。
「それならいいけど、でもあんまり一人で行動したらダメよ」
「はーい」
カナお姉ちゃんは心配性で僕のことをいつも心配してくれる。正直に言って心配されるのを偶にしつこいと思う時があるけど、それと同時にカナお姉ちゃんはとても優しいから僕はお姉ちゃんとの約束をちゃんと守ってるんだよ。偉いでしょ。
「いい返事でよろしい。それにしてもコレを聴いてると楽しい気分になるわね」
「僕も楽しい気分になってるよ」
そんな会話をした後、そのラッパの演奏をカナお姉ちゃんと一緒に楽しみながら聴いていた。
〜〜〜
「ご静聴ありがとうございました」
《パチパチパチ…》
演奏が終わって、ラッパを吹いていた女の子が頭を下げたと同時に拍手が上がった。
もちろん僕とカナお姉ちゃんもその子に向けて拍手を送る。
「凄かったねカナお姉ちゃん」
「そうね。もう少し聴いていたかったわね」
演奏も終わって、広場に集まっていた人達が帰ろうとした。
<ボ〜ン>
何か爆破した音が聞こえ振り向くと、ラッパを吹いていた女の子のいた所から白い煙が立ち上り、周りは騒然となった。
女の子が心配だったけど、僕らは慌ててその場から逃げようとした。その時だった。
「レディースアンドジェントルマン!お集まりの皆様、トランのラッパの演奏はいかがだったでしょうか?」
煙の中から女の子じゃなくて男の人が現れた。
僕もそうだけどカナお姉ちゃんも周りの大人の人達も足を止め、その男の人に注目していた。




