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タロット占い師は神様に殺され異世界転生  作者: マロンさん
第1章
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第6話 変化と方針

朝になり目を覚ますと最初に見たのは会社から逃げた後に住むことになったボロアパートに天井ではなかった。


(そうだったここは元の世界ではなく異世界だったな)


今俺がいるのは元の世界ではなく異世界なのだ。

ここで俺は昨日のことを寝ぼけている頭で振り返った。


(確か昨日は、神様が神様を辞めて新しく『フール』として生まれ変わって俺についてきてくれて、次に『魔力操作』のスキルを習得して、魔法を使えることに興奮した俺は魔力を全て使ったことで魔力切れで倒れて、昔の夢を見て、目が覚めたらフールに抱きついて子供みたいに泣いて、フールにトラウマを払って貰って、そのまま欲望を抑えきれずフールに抱きついて最後までやったんだよな……って、ああああああああああああああああ)


そこで俺は昨日のことを特に夜のことを思い出し頭を抱えた。


(俺の馬鹿野郎‼︎相手の意思を聞かずに自分の欲望を抑えきれずに最後までやったんだった〜〜⁉︎やべぇー、絶対嫌われてる‼︎会って一日でもう既に嫌われてる‼︎)


俺は顔を赤くして心の中が悶絶していた。


〜数分後〜

やっと落ち着くと外から良い匂いが漂よってきていることに気づき外に出た。

するとそこには、また何処から出したのかシンプルで薄いピンク色の首からかけるタイプのエプロンをつけて料理を作っているフールがそこにいた。

何処にでもあるような家庭での当たり前の光景に俺は心が暖かくなり暫くの間その光景を眺めていた。

そう眺めているとフールが自分に気付いて声を掛けてくれた。


「おはようございます主様。昨日はよく眠れましたか?」


見た感じフールは怒っておらず少し安心する俺である。


「おはようフール。昨日はちゃんと眠れたよ。……あのさあフール。その、昨日はゴメンな」


「いえ、大丈夫でございます。誰でも辛かったり不安だったりした時はあんな風な態度をします。なので主様が私に怒鳴りつけた時もその前に過去のトラウマを思い出しており、情緒不安定だったのはよくわかります。ですので主様はご心配なされないでください。私は平気でございますから」


確かにそのことも謝るつもりだったが、今俺が言いたいのはその後のことだ。


「いや、それもあるけど。今俺が言いたいのはその後のことでその無理矢理押し倒して本当にゴメン」


頭を下げて謝った。

その謝罪文にフールは一時脳がフリーズし、少しして今度は顔を真っ赤に染め<ボフ>という音と共に頭から湯気を噴き出した。


「あああ、主様!そそそ、そんなに謝らないでください。別に私は気にしてませんし、むむむむ、むしろ初めての体験をさせて頂きありがとうぎょじゃいましゅ‼︎」


とフールは最後らへんの言葉を噛みながら頭を下げてきた。

まあ元神様だったから初めてだったのだろう。

それでも俺はフールに嫌われていなかったとが分かり心の底から安心した。


「良かった〜。フールに嫌われてなくて、もしフールに嫌われていたら一生立ち直れなかっただろうなあ」


俺が言っているのは冗談でわなくガチだ。


「そんな、私が主様を嫌うなんて例え洗脳されようが、天変地異が起こったとしてもそんなことは絶対に有りえません‼︎」


とフールから言われ、俺は恥ずかしさもあったがとても嬉しくもあった。

そして自分はフールにあるお願いをした。


「なあフール、折り入ってお願いが有るんだけどいいかな」


「なんでしょう主様?」


フールは頭を上げて尋ね返してきた。


「俺の呼び方をさあ『主様』じゃなくて名前で呼んでくれないか?」


「もしかして、嫌でしたか?」


フールは少し不安な顔をして尋ねてきた。


「いやいやいや、別に『主様』って呼ばれ方が嫌いって訳ではなくて、ただ昨日みたいに自分の名前で呼ばれる方がなんかちゃんと自分を見てくれている、そう思えてさあ」


俺は昨日のフールから名前で呼ばれた時を思い出していた。

名前で呼ばれていると本当にそう思える俺がいて自分は一人なんかじゃないと安心することができた。


「だから別に無理しなくていいからそう呼んでくれると嬉しいな」


「わかりました、あるj...じゃなくて、『礼治様』と呼ばさせてもらいます」


「ああ。じゃあ今更だけどこれから宜しくなフール」


「はい、よろしくお願いします礼治様」


互いにそう言った後、フールが大きい葉っぱに料理を盛り付けし二人は朝食を食べ始めた。

因みに今朝のメニューはなんかの肉をブロック状に切ったものを串に5、6個刺し火で炙ったものとリンゴのような木の実だった。


(朝から豪快だなあ〜)


と思っていた自分だったが肉から溢れ出る肉汁とハーブや薬味などの匂いが食欲を促進させ、食欲を抑えきれなくなった自分は肉を口一杯にほうばりながら一気に朝食を食べ始めた。

その間フールは自分が食事をする光景を見て笑みを浮かべながら食事をしていた。

朝食を食べ終わった後、フールに俺が食べたものについて聞くと。

肉は『レッドピッグ』と呼ばれる名前の通り赤い色の豚で食用としても飼われている獣でごく一般的な食料らしい。

そしてリンゴみたいな木の実は『リップア』という名の木の実でこちらもよく食べられるものだそうだ。


食事を終えた二人は今後の方針といまの状況について話し始めた。


「まずはこの場所ですね。<クイ>」


またまた何処ら出したのか?フールはあの眼鏡(周りの縁が赤色の楕円形の伊達眼鏡)をかけており、昨日のようにフール先生になりきっていた。

因みに何処から出したのかを尋ねてみたらフールは腰に下げていた茶色の皮で作られているウエストポーチを指差し「マジックバックからです」っと言った。

どうやらそのカバンは俺が使うスキル、『アイテムボックス(極)』ほどではないが色々な物をある程度入れられ、また重さは変わらずに持ち運びができるマジックアイテムらしく、そのカバンの中には生活を支えてくれるアイテムが全て入っているらしい。

つまりフールはステータスだけではなく所持品もチートである。


「まずこの森は『初心の森』と呼ばれており、名前の通り初心者がレベルを上げるために訪れる森で今の礼治様にとって劣る獣や魔獣は出現しません。そしてこの森を抜けた後は歩いてすぐに着く人間国一の貿易の街『アルバス』で拠点となる宿屋を決め、次にギルドで身分証明書を作り冒険者としてまた、礼治様の夢であった占い師として活躍して貰います。何か質問はありますか?」


「いや、大丈夫それで行こう」


フールの完璧な方針に自分は肯定するしかなかった。


「それでは行きましょう礼治様」


「ああ」


そうして二人は立ち上がり、目的地を目指し歩き初めた。

次回は初めての戦闘シーンがあります。

次回は早くても明日の夕方に投稿します。読者の皆様の期待に応えられるよう、これからも努力していきます。

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