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タロット占い師は神様に殺され異世界転生  作者: マロンさん
第2章
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第68話 家族揃えば憂いなし (1)

今回はいつもより長めになったために投稿するのに少し遅れました。また、新しく大アルカナが登場します。

それでは本編をどうぞ。

今は店を作るグループと昼食を作るグループに分かれた後で俺は店作りグループの前に立って流れを説明するところだった。


店を作るグループには俺とシルフィア、それからフォースを筆頭にする力自慢や簡単な作業を手伝ってもらうためにトランやアポロなどの子供達、後は作業を効率的に進めてくれる大アルカナ達で構成されている。


次に昼食を作るグループには、『家事(極)』のスキルを所有しているフールを筆頭にテミスや大アルカナの女性陣で構成されており、今さっき討伐した『レッドピッグ』と今朝買っていた沢山の野菜、それから広間に来る途中に拾い『マジックボックス(極)』に放り込んでいた燃料となる枯れ枝を渡して料理に取り掛かってもらっている。

今日の昼食には期待が高まる。


「よし、先ずはシッカリとした木を何本か調達してからこの広間に持ってくる作業をする」


俺は店作りグループに始めの段取りの説明を始める。


「そこで木を調達しに行くグループとは別にここに残ってある作業をして欲しいんだけど、決められた寸法に木材を加工することができるのと、ある物を別の物に作り変えることができる人はこの中にいる?」


「その役目、ミーにプリーズ!」


尋ねるとほぼ同時にスッと挙手をしたのはシルクハットもタキシードも手袋と靴も全てが白色で赤のマントを羽織った20代前半の手品師と思わせる格好をした、グレーの肩に掛かるか掛からないかの髪と黒の瞳を持つ男性だった。


「もしかして『マジシャン』かな?」


「ダッツライト、マスターレイジ!ミーは『マジシャン』のトリックといいマース‼︎」


トリックと名乗る男性は指を鳴らしながら応えてくれた。


「ミーのマジックにかかればどんなモノでもチェンジできマース!」


トリックはテンション高めで自身をアピールしてきた。


「じゃあ、木を運んできたらこの寸法と数になるように加工してくれるか」


俺はそう言いながら、昨日の夜に描いた設計図をトリックに渡した。


「オッケー、ミーにお任せです」


トリックは設計図を見てから右手の親指を立てて応えた。


「それと、これで釘を100本と金槌を5、6本、後の残りは延べ棒にしといてくれるかな?」


今度は鉄製のメイスを渡す。これはギルドで冒険者登録した後に絡んできた男から賭けで貰ったもので、今までずっと『アイテムボックス(極)』に入れっぱなしだった。


「オッケー、じゃあ早速トライしていきマース」


トリックはメイスを受け取るとその場に置き、いつの間にか手にしていた赤い布を被せ、今度はポンっと音を立ててからステッキを何処からか取り出した。

どうやら大アルカナ達はそれぞれに自分の得物があり、普段は自分専用の異空間に収納しているとのこと。

その際にフールは今まで一度も得物を使っていなかったのでそのことを尋ねると大アルカナ達から『フールには絶対に武器を使わせないで‼︎』と強く言われた。

あのテミスも一緒になって言ってたので俺はフールに得物についての話を振らないことを心から誓った。


「それではいきマース」


トリックはステッキの先端を布を被せたメイスに向けた。


「ワーン、ツー、スリー!」


<バサ>


トリックが数を数えている間にメイスの形が布ごしでみるみると変化していることがわかり、数え終えてからトリックが布を勢いよく剥がした時にはメイスが釘100本と金槌6本、それから延べ棒3個に早変わりしていた。


<パチパチパチパチ…>


トリックの凄いマジックに俺はいつの間にか拍手を送っていた。


「センキュー、センキュー。ミーのマジックいかがでしたかマスターレイジ?」


「本当に凄いよ。まさかこんなに早く、且つ要求通りに出来るなんって正直に言ってここまで完璧にしてくれるとは思ってなかったよ」


「ミーはマスターレイジの期待に応えれて良かったデース!」


トリックは自慢のマジックを褒められたことに対してすごく嬉しそうな顔をしていた。


「それじゃあトリックと後数人は此処に残って、残りは俺と一緒に来てくれ」


そう言ってから俺は大アルカナを数人連れて木が生い茂っている森の中に入っていった。


〜〜〜


俺達が森の中に入ってから立派な木を探していた。

因みにメンバーは俺と護衛役としてシルフィアとフォースの二人、それからアポロとツクヨミとラッキ、そして散策中に自己紹介をしてもらった『デス』のルビーの計七人であり、俺は子供達にお願いされて三人を順番に肩車をしながら歩いており、シルフィアとフォースは二人で何かを話して盛り上がっていた。


「なあラッキ、一つ質問したいことがあるんだけどいいかな?」


「何レイジ兄さん?」


俺は肩車をしているラッキにある質問をした。


「ラッキってどんな力を持っているか教えてくれるかな」


「ラッキはみんなをハッピーにすることが出来る力を持ってるんだよ」


(うん、わからん)


ラッキの喋り方から何となく人を幸せにする能力であるのは理解していたが、それだと大アルカナNO.10の『ウィール・オブ・フォーチュン』の正位置の意味の一つである『幸福』の方に当てはまるような気がしており、疑問に思ったから尋ねてみたんだけど、そのまんまの答えしか返ってこなかった。


「おいラッキ。それじゃあレイジの質問に答えきれてないぞ」


フォースがラッキにそう言った。


「ラッキはちゃんと説明したよ?」


それに対してラッキは首を横に傾けてハテナマークを浮かべていた。


「はー、いいよ。私からレイジに説明するよ。それでいいかレイジ?」


「ああ、お願いするよフォース」


ラッキの代わりにフォースが説明してくれることになった。


「不幸な奴に希望を与え元気付ける。これがラッキの能力だよ」


「不幸な人に希望を?」


「ああそうだ。例えば不幸なことが立て続けに起こり、自身に絶望した奴がいたとする。そいつの絶望をラッキは振り払い、そして希望を与える力があるんだ」


「そうなのかラッキ?」


フォースの解説を聞いて凄いなと思いつつラッキに再度質問した。


「そうだよレイジ兄さん。だって一人でもハッピーじゃなかったらアンハッピーだし、逆にみんながハッピーだったらみんなと〜〜ってもハッピーになれるもん」


「凄いんだなラッキは」


「へへへへ〜。ラッキ、レイジ兄さんに褒められてハッピハッピハッピー‼︎」


ラッキを褒めると肩車をしていたから顔は見えなかったけど声でとても嬉しかったんだと思う。

それに絶望をした人に希望を与える。これはまさしく『スター』の正位置に込められている『希望』そのものであり、納得した。


「レイジ兄さん。あの木は?」


ラッキと話しているとアポロが目の前の木を指差しており、その木は4,5メートル以上はあり、幹の太さもかなりのものだった。

俺はその木の前に立ち『鑑定(極)』を使って確認してみた。


____________________

木(樹齢62年)

他の木に比べれば若い方だが栄養を多く吸収し、陽の光を沢山浴びて育ったち、虫食いなどが無いために木材の加工に最適

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


(お、いい木材になりそうだな)


鑑定の結果、木材の加工に最適な木だった。


「レイジ兄さんどうだった?」


「でかしたぞアポロ。ありがとな」


アポロが尋ねてきたのでしゃがみ込み頭を撫でながら礼を言った。


「わーい!じゃあラッキ交代な‼︎」


アポロは声を出して喜んだ後、ラッキに交代するように言ってきた。

どうやら三人の中で木材の加工に最適な木が見つかるごとに交代、順番はラッキ、アポロ、ツクヨミと決まっていたらしい。

俺はラッキを肩から下ろしてから今度はアポロを肩に乗せて立ち上がる。


「わーい!高い高ーい‼︎」


アポロはすごく喜んでくれた。


「じゃあルビー。この木を頼む」


「任されよレイジ殿」


ルビーは了承してくれると同時に何処からともなくルビー自身の身長よりもかなり大きい大鎌を取り出し次の瞬間


「『死神大鎌(デスサイズ)』‼︎」


細い腕からは考えられないほどの凄まじい勢いで音を立てながら大鎌を横向きに振り払い幹を切り裂き、木を倒した。

その際に切り株は大鎌の切れ味を物語っており、断面がヤスリで擦って平らにしたかのように綺麗でシッカリと年輪が見れるようになっていた。


(スゴイな……)


「我が使える王であるレイジ殿からの命とあらばこのような行いなど、死を迎える者の身体という名の器から刈り取った魂を冥界に送るのに比べればたわいないこと」


思っていたことを俺は口に出していたらしく、褒められたルビーはその中二病的な発言をして、嬉しい気持ちを何とか表に出さないよう必死に隠し通そうとしていたが口がニヤけており、全く隠しきれていなかったことは黙っておこう。


その後はシルフィアとフォースに護衛をしてもらいながら木材の加工に適した木を見つけルビーが伐採して自分の『マジックボックス(極)』に計7本収納してから広間に戻っていった。


____________________

トリック:大アルカナNO.1『マジシャン』

正位置の意味 :物事の始まり・起源、創造

逆位置の意味 :混迷、消極性、信頼、信用できない

次回も新しく他の大アルカナが登場しますのでお楽しみに。

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