第58話 パーティー申請
投稿は早くて二日に一回になる予定です。
「それじゃあマリーさん。次はパーティー申請をしたいのでその説明をお願いできますか?」
俺はそうマリーさんに申し出た。
「はい承りました。それではパーティー申請をされる前にパーティーになることでどのようなメリットやデメリットがあるのかや、規則について説明をさせて頂きます」
「「「お願いします」」」
自分達は同時にお願いをしてからマリーさんの説明を受けた。
まず初めにメリットとデメリットについて、簡単に内容をまとめると次のようになる。
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○メリット
・一人では難しい依頼でも複数人で受ければその分、依頼を達成する確率が飛躍的に上がる。
・人数が多ければより多くの情報を提供し、共有ができる。
・依頼中にパーティー内で誰かが怪我を負ったとしても近くに仲間がいるために生存確率が高くなる。etc…
○デメリット
・相手のことを知らずにパーティー申請をした為に、裏切りなどの大きな問題に発展することがある。
・依頼を達成し報酬を受け取り、その報酬を分配する際に、ただでさえ個人が受け取れる報酬が減る為に、少しでも多く貰おうとして分け前で揉め事が起こる場合がある。
・パーティー内の一人または、全員が問題行動を起こした場合は、良くて罰金の支払い、最悪の場合は全員奴隷降格または死刑になる可能性がある。etc……
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となる。
俺達がパーティーを組む際は、依頼達成確率と生存確率の上昇や情報の共有などのメリットはあるが、逆に裏切りや報酬の分配で揉め事が起こることは考えられず、強いて言えば問題行動は他人が俺達に変な因縁をふっかけて絡んでこない限りは大丈夫だと判断した。
次に規則だが、特にこれと言って決まりはなく、ギルドに緊急依頼が舞い込んできた場合は緊急召集がかかり上位の冒険者パーティーから参加の要請があり、なるべく参加しなければならないらしい。
「……っと以上でパーティー申請についての説明を終わらせて頂きますが何か質問等はありませんか?」
マリーさんの問い掛けに対して、俺は特にない為、フールとシルフィアの方へ顔を向けると二人も質問は特になかったらしく頭を横に振りジェスチャーで教えてくれた。
俺はそれを確認したのでマリーさんの方に顔を向けなおした。
「質問は大丈夫です」
「それではこちらの用紙に必要事項の記入をお願いします」
マリーさんから用紙と羽ペンを受け取り、用紙には『パーティー申請用紙』っと書かれており、上から順番に
『パーティー名』
『パーティーリーダー:名前、職業』
『パーティーメンバー:名前、職業』
と書いてあった。
リーダー欄には俺の名前と職業を書いてからフールに回し全員分書き終わってから『パーティー名』はパーティーリーダーがつまりは俺が上級冒険者になるまでに決めておけばいいらしいのでその欄だけ空白のまま、マリーさんに用紙を渡した。
因みにシルフィアは会話をする分には問題はなかったが、字の読み書きができなかったので代わりにフールが代筆をし、その際にシルフィアは落ち込んでいたのだが「これから少しずつ字の練習していこうか」っと言ったら「はい‼︎」っと笑顔で元気良く、そして尻尾を振りながら返事をしてくれた。
「はい。問題はありませんね」
用紙を受け取ったマリーさんは確認をしてから用紙にハンコを押してパーティー申請を受理してくれた。
「これでレイジ様達はお三方共にEランク冒険者なのでEランクパーティーとしてこれから力を合わせ協力し依頼を達成していってくださいね」
「ありがとうございますマリーさん」
「「ありがとうございます」」
受理してくれたマリーさんに礼を言ってから頭を下げ、二人も俺の後に続いて礼を言って頭を下げた。
「いえいえ。これも仕事のうちですし、それにレイジ様達の役に立てることができ私も嬉しいので。レイジ様達には私個人とても期待していますので頑張ってくださいね」
マリーさんが笑顔でそう言ってくれたことに対して俺は正直な気持ち、とても嬉しかった。
「ありがとうございますマリーさん。これからもマリーさんの期待に応えれるよう頑張っていきます」
「私も頑張らせて頂きます」
「私も全力で頑張りますのでよろしくお願いします」
俺達は三人それぞれでこれから頑張っていくことを宣言した後、受付カウンターから一度離れ、リクエストボードの前に行き依頼を選びまたマリーさんのカウンターに戻ってから依頼を申請し、最後にもう一度お礼を言ってからギルドを後にした。
〜視点:マリー〜
レイジ様達はパーティー申請をした後ですぐに依頼を選び私が依頼を受理してからギルドを後にされました。
「緊張してた割には結構話せてたじゃんマリー」
そのすぐ後で隣で他の冒険者の対応をしていた親友であるミレアがそう声をかけてくれました。
「ありがとうミレア。私、レイジ様に少しでも印象良く振舞えたかな」
「大丈夫大丈夫。私は良かったと思うし、それにもしかしたら既にレイジ様のハートを掴んだかもね」
「そそそ、それは本当かニャ‼︎⁉︎」
「ちょっと待ってマリー!近い近い‼︎」
ミレアの言葉を聞いた瞬間、私は興奮のあまりミレアに詰め寄ってしまいました。
「ごご、ごめんなさいニャ‼︎」
私はすぐにミレアから一歩離れました。
「まあ、まだまだ気は引き締めといてよね。これからもあんな感じでみんなで一緒にマリーのサポートしていくから絶対にレイジ様の女になりなさいよ」
「レレレレレレレ、レイジ様のおおおお、女ニャ‼︎//////////」
<ボフン>
その瞬間私は顔が真っ赤にし頭から湯気を立ててしまった私を見たミレアは
「ハァ…これは長期戦になりそうね」
とため息混じりにそう言われ、他の応援してくれている受付嬢のみんなにも『やれやれ先が思いやられる』っといった感じのことを言われました。
(今はまだ無理だけど必ずレイジ様に告白できるよう頑張ります)
私も期待に応えられるよう改めてそう心に誓い頑張っていきます。




