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タロット占い師は神様に殺され異世界転生  作者: マロンさん
第1章
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第41話 宴 後編

「レイジ兄、ボクがオススメしたハンバーグが一番美味しかったよね」


「「違うぜ(よ)、一番美味(し)かったのはフライ(酢漬け)だよな(ね)レイジ兄さん」」


「ハンバーグ!」

「フライ!」

「酢漬け!」


トランとホースとポニーの三人の後をついていきそれぞれがオススメする物を食べ終わった後で今度は誰のオススメが一番美味しかったかを争っていた。


「こらこら、また喧嘩をするんじゃない」


さっきと同様に三人の喧嘩を止める。


「トランが勧めてくれたハンバーグもホースが勧めてくれたフライもポニーが勧めてくれた酢漬けもどれも美味しかったよ。教えてくれてありがとな」


三人にお礼を言いながら、トラン、ホース、ポニー、の順番に頭を撫でる。


「「「へへへへへ///」」」


三人は感謝され頭を撫でてもらえたことが嬉しかったらしくとても幸せそうな顔をしていた。


「礼治様〜///」


三人の頭を撫でた後、背後から呼びかけられたので振り向くとそこには先程まで女性陣と楽しそうにお喋りをしていたフールが顔を赤くして立っていた。


「礼治様〜///」


<バサ>


「ちょちょっとフール‼︎⁉︎」


フールは俺と目が合うと名前をもう一度呼んでから今度は俺の肩に腕をまわして抱きつき顔を胸板に押し付けてきた。


フールの突然の行動に俺は驚き、慌ててフールの顔を覗いた。

するとフールからは少しお酒の匂いがした。


「フール?お前もしかして酒を飲んで酔ったのか?」


「ハイ礼治様。皆さんとお話ししていたら楽しくなり、ついついお酒を飲んで盛り上がってしまいました。フフフフ///」


「確かに楽しそうにお喋りをしていたもんな。フールが楽しそうだったから俺も嬉しかったよ。でも、足が少しふらついてるからどっかの空いた席に座ろうか?」


質問にフールはちゃんと答えていたのでそこまで酔っていないと判断した俺ではあるがフールが抱きついて来る間に少しフラついていたので席に座る事を提案する。


「ハーイ礼治様。抱っこ〜〜////」


フールは提案に了承した後に今度は甘えた声で抱っこを要求してきた。


「仕方ないな」


フールの要求に応じ、左手をフールの肩にまわし、右手をフールの足にまわしてからフールをお姫様抱っこで抱えてから近くの空いている席まで移動した。

その間にギルドマスター程ではないが独身の男性陣から殺気のこもった視線が俺に集中していた。


俺達がテーブルに背を向けて空いている席に座るとフールは俺から離れずに抱きついたまま膝の上に座り、俺の後をついてきていた大アルカナの子供三人は俺の右隣にトラン、左隣にはホースとポニーの順番で座った。


「それにしてもフール姐は本当にレイジ兄のことが大好きなんだね。っあ、もちろんボクもレイジ兄のこと大好きだよ」


「「俺(私)もレイジ兄さんのこと大好きだぜ(よ)」」


トラン達は自分に家族(・・)として好きであると言ってくれた。


「ありがとうな三人とも。俺も家族みんなのことは大好きだよ」


俺も三人に家族(・・)として好きであることを伝える。


「「「ありがとうレイジ兄((さん))」」」


俺の言葉に三人は先程よりも更に笑顔になった。


<ドサッ>


「「「「‼︎⁉︎」」」」


いつの間にか俺の腕の中でグッスリ寝ていたフールを除き四人で楽しく話していると背後から突然大きな音が聞こえ驚き慌てて背後を向いた。


「っよ、レイジ。私も会話に混ぜてくれ」


そこにはフォースが俺達の座っていた席の向かい側にテーブルを挟んで立っていた。


「なんだフォース姐か。あービックリしたー」


「「なあなあ(ねえねえ)フォース姉さん。その袋の中に何が入ってんだ(の)?」」


トランは音の原因がフォースだと分かり安心し、ホースとポニーは俺も尋ねようとしたことを代わりに尋ねてくれた。


フォース側のテーブルの上には大きな音の原因であろう何かが入った布袋が無造作に置かれていた。


「ああこれか?」


フォースがそう言うと袋の口を開けた。

すると袋の中から大銅貨がジャラジャラと音を鳴らしながら出てきた。


「おいフォース。このお金は一体どうしたんだ⁉︎」


俺は20枚以上はある大銅貨を見てフォースに慌てて尋ねた。


「あれだよあれ」


「あれ?」


フォースは質問を聞くとある方向を指差したので俺はそちらを振り向くとギルドの一角で力に自信がありそうな冒険者達が腕相撲大会を開催していた。


「なんかさぁあ。勝ち抜き形式で一人に勝つごとに負かした相手から大銅貨1枚を貰えるらしくて、それで面白そうだったから私が参加したら相手が弱過ぎて一気に二十五人抜きしてしまってさあ。これ以上やってもつまんなかったから途中で抜けてきた」


「ハハハハハ、それは凄いな」


俺はフォースの凄さにタダ笑うしかなく本当に俺の家族達は凄いなと改めて思った。


「それでようレイジ。この金を貰ってくれねーか?」


フォースはそう言いながら大銅貨25枚入った布袋を俺側に寄せてきた。


「えっいいのか?これはフォースが獲得したお金だろう?」


突然のフォースの申し出に戸惑いフォースに尋ねた。


「別に私等はお金なんて使う必要はないからさ、どうせなら弟のレイジに使って欲しいんだよ。だから貰ってくれねーかな?」


フォースはそう言いながら再び大銅貨の入った布袋を俺側に寄せてきた。


「わかったよフォース、じゃあ有難く貰っておくよ。その代わりもしお金が必要になった時はいつでも言ってくれすぐにフォースに返すから」


俺は一旦預かるという形でフォースからお金を受け取ることにした。


「おう‼︎」


フォースも自分の稼いだお金を主であり、弟である俺に受け取って貰えたことでとても嬉しそうに笑っていた。


時間はあっという間に夜の8時を過ぎた頃、途中から目が覚めたフールは自分が俺の膝の上で寝ていたことに気づいた後、すぐに膝の上から退いて、顔を真っ赤にしており、とても嬉しそうに笑ってもいた。

その後ホースとポニーが空気を読みフールに席を譲りフォースの隣の空いている席に移動したのでフールは俺の隣に寄り添いながら座ってきた。


さらにしばらくしてからサタン、テミス、そしてロマノフと一緒に何故かロイドさんが合流してきた。


どうやらロマノフとロイドさんの二人はいつの間にか意気投合をしたらしく、お互いに『我が同士ロイド(ロマノフ)』と呼び合う仲になっていた。


一方で、テミスはサタンの方をチラチラと見ていたりして何だか落ち着きがなく、尋ねてみると「ななな何もありませんので、ごごごご心配なされなくてだだだ大丈夫ですから!」っと言ってきたので心配ではあったがテミスの言葉を信じ放っておくことにした。


そうやって俺達家族とロイドさんで盛り上がっていると隣でトランが大きな欠伸をし目をこすっていた。


「どうしたトラン?眠たいのか?」


トランにそう尋ねる。


「レイジ兄…うん、今日はもう疲れちゃったからもう…そろそろ限界………。zzz」


トランは返答した後、睡魔に負け眠りについてしまった。


そんな様子を見ていたフォースが席から離れトランを軽々と背負ってくれた。


「ありがとうなフォース」


眠むってしまったトランを背負ってくれたフォースに礼を言う。


「これぐらいは姉として当然のことだよ」


フォースは笑いながらそう言ってくれた。

これは後日、フールから聞いた話でフォースは異空間ではよく大アルカナの子供グループの面倒を見てくれる世話好きなのだと教えてくれた。


「レイジ様、今日はもう時間が遅いので私達はそろそろ失礼させて頂きます」


今度はテミスが立ち上がり挨拶をしてから一度頭を下げた。


「それもそうだな、今日は本当にみんなのお陰で助かった。これからもよろしくな」


大アルカナ達が異空間に戻る前に俺からもう一度感謝の言葉を伝えた。


「レイジ殿。また儂等の力が必要な時はすぐに呼ばれよ。全力を尽くし必ずやレイジ殿をお守りするからのう」


「じゃあなレイジの兄貴、またいつでも呼んでくれよな」


「なぁレイジ。今度強そうな奴と戦う時は私を呼んでくれよな。絶対だからな!」


「「レイジ兄さん。もし遠出をする時は俺たち(私たち)を呼んでな(ね)。その時は絶対役に立つから」」


俺が感謝をした後、フールを抜いた大アルカナ達がそれぞれで挨拶を返してくれた。

因みにフールは今度は二日後の朝に戻って来てくれればいいとテミスから言われていたので今日のところは異空間に戻らないでよく、とても喜んでいた。


「それではレイジ様、フール様。今日はゆっくりとお休み下さいませ」


テミスが代表で挨拶をしてくれたた後、大アルカナ達は光の中へと消えていき異空間へと戻っていった。


俺とフールもロイドさんやマリーさんに挨拶をしてからギルドを後にした。

その間にマリーさんからギルドマスターの伝言で明日の昼に色々と話したいことがあるからギルドに来てくれと言われたので俺はマリーさんに了承の返事をした。


その後、俺とフールの二人は『夕暮れの日差し亭』へと戻っていった。

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