第16話 俺の女
今日は2回に分けて投稿さして頂きます。
一回目どうぞ。
「おいそこのガキちょっと待ちな」
すると突然図体のデカい男に俺達の進路を塞がれた。
正直に言うと面倒くさいのが来たと思った。
「見た感じまだガキのお前らが冒険者になるだ?調子こいてんじゃねえぞ!お前らがどれ位実力を持っているかこの俺様が直々に判断してやるよ」
この男はさっきまで酒を飲んでおり、またフールに嫌らしい視線を向けていた一人であった。
「ちょっとネスト様。レイジ様達は先程冒険者になったばかりでこれからGランクの依頼を受けて貰うんですよ。それにレイジ様達の実力はこちらで判断しますのでネスト様が実力を判断する必要はありません」
カウンターからマリーさんがネストという男に注意を促した。
「なんだマリーちゃん。俺様はただ新しく入ってきた後輩に先輩として手解きを教えるだけだぜ。それにタダの受付嬢のあんたが首を突っ込んでいいのか?」
「それは……」
マリーさんはネストの言葉に反抗できなかった。
どうやらギルドでは冒険者同士の争いごとには一切干渉してはならないという暗黙のルールがあるらしい。
俺はマリーさんの方を向き心配ないよと言葉を発さずに笑顔でそう応えた。
マリーさんはまたまた顔を赤くしたがそれでもまだ心配した顔でこちらを見ていた。
まあ、今日初めてなった冒険者が他の冒険者に絡まれているので心配するなと言われても無理な話なんだろう。
「おい何処余所見してんだよガキが⁉︎」
どうやら余所見をしたことが気に食わなかったらしくネストというハゲ頭に肥満体型の男が怒鳴ってきた。
俺は今度はネストの方を振り向いた。
「何ですか先輩?」
「ふん。テメエのその態度が気に食わねえな、よしお前だけに特別訓練をしてやろう」
ネストは意味の分からないことを言ってきた。
「俺は受けるつもりはないんですが?それにもしその訓練を受けたらタダじゃ済まないんですよね」
「おうそうだぜガキ。受講料としてお前の全財産とそのカワイ子ちゃんを払って貰うぜ」
男はフールを指差して来た。
ネストは自分の思っていたことと同じ内容を言ってきたので溜息を吐くしかなかった。
「ハァ…。先輩それって俺が先輩にボコボコにやられて金とフールを奪われるってことですよね。それは盗賊がする事と同じですよね。盗賊はいけない仕事だと親から教えられませんでしたか?」
「ふざけんじゃねえぞガキの分際で!俺様はギルドカードを発行して貰っただけで冒険者になったと考えているやつが大っ嫌いなんだよ‼︎」
そう真実を述べただけだがネストは顔を真っ赤にしてそう怒鳴って来た。
「ハイハイ現実はそう甘くないですよね。はいよく分かりました。なのでどいて下さい」
「ふざけんのもいい加減にしろよガキ!さっさと表に出やがれ‼︎」
ここまでくると他の冒険者達は俺がタダじゃ済まないと勝手にそんな風に思われていると。
「礼治様。こんな奴ほっといて早く依頼を選びに行きましょう」
今まで黙っていたフールだがどうやら痺れを切らしたらしく空気の読めない言葉をかけてきた。
それを聞いたネストは勿論黙っておらず。
「おい女!『奴』ってまさか俺様の事を言ってるんじゃないだろうな⁉︎」
「あなたの他に誰がいるんですか?礼治様の進路を塞ぎ、ブヒブヒ言っている『オーク』はあなたしか居ませんよね?」
「誰が『オーク』だ⁉︎この女が少しいい顔してるからっていい気になりやがって!その顔を台無しにしてやる‼︎」
ネストはフールから『オーク』と言われた事でついにキレ、フールに殴りかかろうとした。しかし、それを俺はネストの胸倉を掴み止め。
「俺の女に手を出すんじゃねえぞクソオークが‼︎‼︎」
そう言い放ちネストをギルドの出入り口に投げ飛ばした。
ネストは何が起こったかわからずそのまま吹っ飛んでギルドの扉を壊して外に出て行った。
それを見ていた他の冒険者達やマリーさんを含む受付嬢さんやギルド職員さん達もタダ呆然とその光景を見ていた。
ネストを投げ飛ばした俺は笑顔でフール向き。
「フールはここで待っててね」
そう言うとフールは顔を赤くして満面の笑みをつくり。
「はい礼治様♡。礼治様の女であるフールはここで大人しく待っていますね♡」
自分の言葉が相当嬉しかったらしく『女』の
部分を強調しながら素直にそう答えてくれた。
「マリーさんも、扉の弁償は片ずけてからしますんで待っててください」
「……は、はい。おお気を付けて下さい」
マリーさんは一瞬反応に遅れ慌てて返事をしてくれた。
二人の返事を聞いた後、俺はギルドの出口正面に顔を向け外にでた。
その時、他の冒険者達が遅れて俺の後追ってきていた。
次はバトルありです。楽しみにしていて下さい。




