第14話 ギルドへ行こう
予定より早く投稿できました。
しかもいつの間にかアクセス数が1万超えていて本当に読者の皆様には感謝です。
今回は長めの話しを投稿させて頂きます。
それでは本編をどうぞ。
朝の6時の鐘の音で目を覚ました。
「フアァ〜〜〜?」
大きな欠伸をしながらも、周りを見渡しフールがいないことに気づいたがすぐに昨日の夜の事を思い出し目を擦った。
(そういえば、フールを呼ばないとな。昨日フールの分の食事代も払ってるし、しかも一緒にいたから俺だけが食事してたら変に思われるよな)
ここで不思議に思っていた誰かさんの為に説明すると、フール達つまり俺の使い魔である大アルカナ達は普通に食事をする。
異空間では俺の魔力のほんの少しを使い食べ物を作っており大アルカナ達の栄養として取り込んでいるらしい。
そこで「ならその魔力で作った食べ物を大アルカナ達がこっちの世界に持ってきたら食費が抑えられるじゃん」と思ったそこの誰かさん、現実はそう甘くないんですよ。
フール曰く、異空間で作られた食べ物をこちらの世界に持って来ると直ぐに元の魔力に戻り跡形も無く消えて無くなるので食費の節約は無理みたいです。
話が逸れましたがつまり簡潔にまとめると大アルカナ達は普通に人間と同じ生活をしています。以上説明終わり。
それで俺はフールと約束通り起きて直ぐに呼び出すことにした。
いつも通りに右の手のひらを前に向け呪文を唱えた。
「『タロットマジック』大アルカナNO.0『フール』」
これもいつも通りで突然光が現れた。しかし次の瞬間、フールが光の中から勢いよく胸に向かって突っ込んできた。
フールの突然の行動を避けきれず勢いよくベットに押し倒された。
俺は直ぐにフールを見ると彼女の目は獲物を捕らえた肉食獣のような目になっており俺が草食動物になっていると錯覚してしまった。
「ハァハァハァ……礼治様♡。7時間18分24秒振りですね。ハァハァ…私は礼治様が起きて私をお呼びになるまでずっと待っていました。ハァハァハァ…なのでご褒美に、ハァハァハァ…礼治様を食べさせてもらいますね♡」
「ちょっと待てフール⁉︎一旦落ち着け‼︎」
フールのあまりの変化に驚きを隠せなかった。
(現れて早々押し倒すってなんだよ⁉︎てか、時間が秒刻みってどんだけ欲情しやすいんだよ!息もすっげー荒すぎだれろこれ⁉︎)
「礼治様♡。私、我慢できませんなので頂きます」
フールはそう言うと俺のパジャマを脱がしていった。
ここで抵抗をするも、ただ虚しくフールにより最後まで頂かれました。
〜約一時間後〜
最初はいきなり襲ってきたことを注意しようとしたがフールのとても満足した顔を見てまた俺も気持ちが良かったので、注意することができなかった。
その後は大変満足しているフールの生活魔法の『クリーン』で俺達の身体とベットのシーツの色々な汚れをとり昨日買った服に着替えた。
因みに二人の服装は俺が白い無地で半袖のTシャツに黒い薄手の袖なしで大きめのフードがついた上着、そして黒色で赤いラインが腰部分から裾まではいった長ズボン、最後に茶色の革のベルトとブーツである。
そしてフールは、白の身体を強調させるブラウスに薄いピンク色の丈が膝まであるシンプルなスカートを履いており、俺と同じ茶色の革のベルトとブーツで決めていた。
着替え終わった後、荷物を持って部屋を出て鍵を閉めてから一階に降りた。
その時はさっきのことで誰かに特にラルファさん達に何か言われるのでわないかととても心配していた。しかし、一階に着くと心配をよそにラルファさんは普通に挨拶をしてくれ鍵を預かってくれた。
また食堂に着くとミネットさんも昨日と同じく優しい笑顔で二人に挨拶をし朝食を作ってくれた。
今朝の朝食は半熟のベーコンエッグに数種類の野菜を使ったサラダと白パンにコーンスープみたいなものという朝定番の食事だった。もちろん俺達はこの美味しい朝食をキレイに完食し食後のコーヒーを飲んでいた。
その時に俺が気にしていたことだが、どうやらまだ会っていないこの宿屋の店主であると同時にラルファさんの父親であり、またミネットさんの夫であるカラードさんの意向で客が宿泊する部屋全てに防音対策がされているらしい。
それを知った時はまだ会ったことのないカラードさんに心から感謝したのは言うまでもない。
それからしばらくしてミネットさんにギルドの場所を聞いた。
するとミネットさんは「宿から出て広場に向かってそのまま真っ直ぐ歩いたらでっかい建物があってそこがギルドだよ」っと凄く簡潔に教えてくれた。
その後は御礼を言い宿を出て広場に向かって歩き始めた。
〜約十分後〜
俺とフールはギルドの前に着いていた。
ミネットさんが言った通り真っ直ぐ歩いたら着いていた。
そのギルドは周りの建物とは比べ物にならないぐらいの大きさで、造りが五階建のレンガ造りで中世ヨーロッパの時代に貴族が住んでいそうな城の様な造りだった。
俺とフールはしばらく眺めてからギルドの押し扉を開けて中に入った。
ギルドの中はピークの時間を過ぎていたのか混雑しておらず他の冒険者が朝から数人で酒を飲んでいたり、受付でギルドの受付嬢に何かを話していたりしていた。
そんな中に俺達二人が入って行くと同時に人々の視線が一気に自分とフールに向けられた。
その中にはフールを見てヘラヘラ笑う者や品定めをしている者がいたが余り目立ちたくないのでそんな視線を無視して空いている受付のカウンターに向かった。
「ようこそいらっしゃいました。冒険者ギルド『アルバス』支部へ。私は受付嬢のマリーと申しますどうぞよろしくお願いします」
今自己紹介してくれた女性は猫の獣人族でマリーさんというそうだ。
因みに獣人族はマリーさんだけでは無く他にもいてこの街にはエルフやドワーフも人間と一緒に暮らしていた。
マリーさんは十代後半で身長が160とフールと同じくらいだか胸はそこまで大きくないがスタイルは抜群でギルド指定の制服を着ていてその制服の腰部分に穴が開いておりそこから白色の尻尾が垂れていた、顔は童顔で瞳は大きく色はマリンブルー、髪型は白色のショートカットで頭の上には髪の色と同じで少し垂れた三角形の獣耳を生やしていた。
「ギルドは初めてでしょうか?依頼ですか?それとも冒険者になるために身分証の発行でしょうか?」
「はい、冒険者になるために二人で来ました」
最初が肝心だと思い笑顔でそう応えた。
「ははは、はい///。それではこちらの用紙にお二人のお名前と種族、それから職業とバトルスタイルをお書き下さい」
するとマリーさんは一瞬顔を赤くしたがすぐに真剣な表情に戻り俺達に用紙を渡してくれた。
この時はマリーさんの顔を赤くしたことに気付いていなかった俺は渡された用紙に必要事項を記入していると。
[礼治様、貴方は本当に(女性を)落としているのに気づいてないんですか?]
フールがいきなりの『念話』を使ってそう話し掛けてきた。
[え? 俺、何か落し物したっけ?]
フールの質問に俺はフールに顔を向けて逆に質問を返した。
[はぁ…、いえ何でもないです]
(礼治様がどれ位鈍感なのか知っていましたが実際にその光景を見るとため息しか出ませんね……)
フールは『念話』を突然切り何か諦めた顔をして用紙に記入し始めた。
自分はフールの質問の意図が分からないまま再び用紙に記入してからマリーさんに渡した。
因みに用紙に書いた内容はこれだ。
____________________
名前:レイジ (15) ♂
種族:人間族
職業:タロット占い師
バトルスタイル
『タロットマジック』を扱い剣や杖を異空間から取り出して敵と接近戦で戦ったり魔法を使い敵と遠距離で戦う。また召喚魔法も使える万能スタイル。
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名前:フール (15) ♀
種族:人間族
職業:魔導士
バトルスタイル
風魔法を使い遠距離から敵を攻撃する遠距離スタイル。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
と書いた。
ここで何故自分の特有スキルである『タロットマジック』を隠さずに書いたかと言うと。
俺は冒険者になると同時にタロット占い師になるのが目的のために職業は隠さないようにしたからだ。
それを見たマリーさんは俺に質問してきた。
「あのレイジ様。この職業の『タロット占い師』とは何でしょうか?私の知識が無いだけなのかこの職業は初めて聞きました」
「いえ、その職業は俺の住んでいた村がずっと隠していた魔法の一種を取得した者だけが就くことができる職業であって。マリーさんだけでは無く他の皆さんも知らないと思います」
「そうだったんですか。しかしそれなら何故隠し続けた魔法を此処に書かれたのですか?」
マリーさんはすかさず質問を返した。
「実は俺の村は魔獣の群れに襲われ壊滅しました。その時たまたま村に居なかった俺とフールはこれから二人で生きていくために冒険者になると決め、その時は俺の力を隠さずに生きようと決めたのでここに書かせて貰いました」
そうフールと考えて作ったシナリオを話した。
「そんな理由だったなんて露知らず不粋な質問をしてしまい申し訳ございませんでした」
「そんな頭を上げてくださいマリーさん。マリーさんが謝る必要は有りません」
話を聞いたマリーさんは突然頭を下げてきた。
俺の良心が痛むため直ぐにマリーさんに頭を上げさせる。
するとマリーさんは頭を上げて笑顔でこちらを向いてくれた。
「レイジ様はお優しいお方ですね。私はギルドの受付嬢としてレイジ様とフール様のサポートをさせていただきますのでこれからよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」
マリーさんに感謝と謝罪の意味を込めて頭を下げた。
「お願いします」
フールは何故かマリーさんに対し不満を抱きながらも俺に習って頭を下げてくれた。
「それでは今からギルドカードを作りますのでこちらの水晶にお二人の血を一滴ずつ垂らしてください」
マリーさんはカウンターの下からサッカーボールほどの大きさの銀色の台に乗った無色透明の水晶玉を出してきた。
今度は6日に投稿しますので楽しみにしていて下さい。